1903年に生まれ、19歳の若さで亡くなったアイヌ文化伝承者・知里幸恵(ちり・ゆきえ)さんをモデルにした映画『カムイのうた』(2023年秋劇場公開予定)で、主人公のテルを19歳の女優・吉田美月喜が演じることが発表された。5月19日に北海道「写真の町」東川町にて同作の制作発表会が行われ、主演を務める吉田が登壇した。

映画『カムイのうた』のモデルである知里さんは、アイヌの血を引く女性。失われつつあったアイヌの伝統文化(口承叙事詩”ユカㇻ”)を日本語に訳した「アイヌ神謡集」を書き上げた。

彼女の業績はアイヌ民族の人々に大きな自信と誇りを与えた。映画『カムイのうた』は、彼女の生きた姿をモチーフに、明治・大正期、土地や生活を奪われ消滅の危機に瀕していたアイヌ民族の生き様や伝統・文化を、雄大な北海道の自然の中に描き出す物語を当時の資料を元に、北海道東川町の協力のもと、オール北海道ロケで作り上げていく。

■吉田美月喜、知里さんは「素敵な考え方を持った女性」

制作発表会に登壇した吉田は「この映画の話を聞くまで、アイヌ文化やアイヌの方々の知識はあまりありませんでしたが、この映画のためにアイヌ文化を学び、例えば『もの一つひとつに神様が宿っている』という考え方や、『大切な自然の中で共に生かされている』というアイヌ民族の考え方が、今私たちが現代を生きていく中でとても大切な考え方なんじゃないかな、ということを感じています。

また、最近私自身 19 歳になりました。知里幸恵さんが同じ 19 歳の時に『アイヌ神謡集』を書かれたということを知り、とても大人で、素敵な考え方をもった女性だったんだなと感じています。そんな知里幸恵さんがどういう気持ちでこの本を書き上げて生きていったのかを、映画を通してみなさまに伝えていけたらよいなと思っています。

監督をはじめ、この映画の制作に関わる方々の強い熱い思いを感じているので、しっかりと背
負って撮影に挑んでいきたいと思っています」と語った。
■吉田美月喜とは?「ドラゴン桜」で話題

昨年4月期の「ドラゴン桜」で平手友梨奈演じる岩崎楓のバドミントンのペア・清野利恵役を演じ、視聴者から「目の演技がすごい」「迫真の演技」との声が上がるなど注目を浴びた吉田。Netflixオリジナルドラマ「今際の国のアリス」では、“今際の国”に放り込まれた女子高生役を務めた。同作は話題を呼び、日本の総合トップ10でたびたび1位を獲得したほか、Netflix世界ランキングで5位を記録し、“もっとも世界に見られた日本発の実写オリジナル作品”といわれる反響を得た。

そのほか、オムニバス映画プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS Season1」の一篇『Petto』で主演を務めたほか、「ヤマダデンキ」や「日清オイリオ」、「午後の紅茶」など広告にも出演し、活躍の場を広げている。映画『カムイのうた』での新たなチャレンジにも注目したい。