2021年11月27日、28日、12月3日、4日にアメリカ・ロサンゼルス、SoFiスタジアムで行われた、BTSの2年ぶりの有観客コンサート「BTS:PERMISSION TO DANCE ON STAGE-LA」。キャパ約5万人の会場には世界中からARMY(BTSのファンの総称)が駆けつけ、4公演ともソールドアウト。このプラチナチケットライブの2日目の様子を収めたコンサートフィルムが、9月8日よりディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて配信スタートした。

■韓国でもアメリカでも、BTSにとっては世界中がホーム

ステージ裏で円陣を組み、「いつも通り全力で。今日が最後だと思って。バンタン!」と気合いを入れて、ステージにスタンバイした7人。ファンの前でのパフォーマンスは初めてとなる「ON」でコンサートは始まった。

メンバーもだが、ファンもこのときを2年待ったのだ。オープニングから会場はとんでもない熱気。MCに続く「DNA」では、イントロで「キム・ナムジュン、キム・ソクジン、ミン・ユンギ、チョン・ホソク、パク・ジミン、キム・テヒョン、チョン・ジョングク、BTS!」というメンバーの本名を年齢順に言うおなじみの掛け声が会場から聞こえ、ここがLAだということを一瞬忘れかけた。もはやBTSにとっては世界中どこでもホームなのだな、と実感した。

広い会場の客席を上手下手に別れてトロッコで後方まで移動して、ステージから遠いファンも楽しめる工夫や、ベスト盤的な選曲でコアなファンでなくてもなじみのある、かつ、彼らのあらゆる面を魅せるセットリストで、あっという間にアンコールに。


■今日という日が、みんなの人生や歴史や記憶の中で特別な物語になってほしい―J-HOPE

アンコールは「EPILOGUE:Young Forever」と「春の日」というせつないナンバーをまず2曲。そして、会場全体で“アミボム(BTSの公式ペンライト)ウェーブ”をした後は、1人ずつ、今日の感想を。

まずはJ-HOPE。全4回の公演のうち、「今日だけ」と韓国語で話し出した。「世界中からARMYのみんなが来てくれて、“すごく意味のあるコンサートだな”って思いました。パンデミックで不安を抱える中、2年ぶりにスタジアムを埋めつくすみんなの歓声や応援を聞いて、こうしてコンサートができたことは、僕の歴史や記憶の中で大きな一部分を占めそうです」「今日という日が、みんなの人生や歴史や記憶の中で特別な物語になってほしいです」と、何度も「特別」「意味がある」と言いながら今回のライブを振り返った。

■いつも感謝して愛して愛して愛して愛してる―JIMIN

続いてJIMINも、思いをしっかり伝えるには英語ではまだ難しい、と韓国語で語りかける。「待ってる間は、みんな大変だったよね。だから、ありがとうって言いたかった」と感謝を。そのとき、ステージのLEDに彼の顔写真を大きくプリントしたファンのお手製Tシャツが映り、「今の何…」と脱力して笑うJIMIN。その後、気を取り直してコメントを続ける。「昨日(初日)は、そんなんじゃダメなんだけど、すごくぎこちなかったんです…。この2年、韓国での番組やステージはファンのみんなが居なくて、カメラだけの前で収録してたけど、2年ぶりにみんながこうやって居るから…(デビュー当時の)7、8年前に戻ったみたいな気持ちになりました」。そう言って隣のRMを見ると、彼も頷いていた。そして最後に「愛して愛して愛してる」と韓国語と英語でARMY愛を爆発させた。

■ボクにとってみんなは魔法で奇跡―RM

英語が得意なRMはもちろん英語で。喉の調子が悪かったことをまず詫びた後、今朝9時に起きたけど、昨日、体力を消耗しすぎて、ベッドから起き上がれなかった、と話し始めた。「今夜のライブは無理かも…と思ったけど、魔法みたいなことが起きたんです。こうしてみんな目と目を合わせたら、パワーが沸き上がって体が動き出したんです」と言って、大げさに動いて見せ、「ボクにとってみんなは魔法で奇跡。どっちも世界で最高の言葉でしょ」と、最大の賛辞を贈った。

■Purple you!―JUNG KOOK

JUNG KOOKも英語で続く。「みんなの前で歌うのは、久しぶりだったから緊張しました。家に帰るまでの間にいろいろ思い返してみます。こんな素敵な思い出を永遠に…大切にします」。5万人の観客を見渡しながら「そして…」と言った後、「Purple…you!」と会場を指差した。メンバーが「ボラヘー」と続ける。

「ボラヘ」というのは、直訳すると「紫するよ」だが、韓国での彼らのファンミーティングのときに、ペンライトが紫一色になったのを見たVが作った言葉だ。「みんな、紫色の意味わかる?」と会場に問いかけ、「紫色は相手を信じてお互いに末永く愛し合おう、って意味。今、ボクが作りました」と言ったのが最初で、「いつまでもARMYと一緒に居たい」という気持ちが込められた発言だった。そこから世界に広まり、今ではARMYの枠を超えて浸透し始めている。

■ボクの人生の映画をみんなと撮れるのは、すごくうれしい―JIN

次はJIN。「イカゲーム」のヨンヒ人形のように髪を2つに結んで赤いリボンを付けた姿で、ドラマの中のヨンヒ人形のように「だるまさんがころんだ」を始めた。無表情に振り返る彼がLEDに映るたび、会場が湧くのはもちろん、メンバーも大ノリ。アンコールの準備中のバックステージで「ヨンヒ人形に見えるかなぁ…」と心配していたが、大盛り上がりで大成功だった。一段落したところで、彼は「みんな、周りを見渡してみて。映画みたいでしょ?」と、会場に問いかけた。「ボクとみんなで1本の映画を撮ってる気がしてます。この映画のために本当にどんな努力もするし、恥ずかしいなってことがあっても最善をつくします!」と言って、ワザとキメ顔をしてみせた。

■今回のコンサートは大きな挑戦だった―SUGA

SUGAは、「実はボクたち7人にとって、このコンサートはすさまじく大きな挑戦だったんです。もうボクたちは年も取ってきたし」と語り始めた。「ソロ曲が無かった理由は、2年ぶりだから7人の姿に集中してほしかったんです。そんな思いでセットリストからステージセットまですべてを準備したんです。気に入った?」。彼の思いに応える大歓声が会場中に響き渡った。

■今夜は夢の中でもう1回コンサートしよう―V

最後にV。「Today…韓国語で話します」と笑わせた後、英語で準備してきたけどちょっと難しかったから、と言って、「あーまったく!韓国に戻ったら、英語の勉強頑張らないと!」と、負けず嫌いの彼らしい一面を見せていた。すると、JUNG KOOKが「Really?」とツッコみ、「Really!」と返すV。仲良しのやり取りをみせたところで、マジメに話し出すV。「韓国に戻ったら、カメラの前で撮影したモノをみんなに届ける、という活動がしばらく続きそうです。でもボクはそれよりここにまた来たいです。みんなの歓声、情熱、まなざし…感じたものをすべて抱えて韓国に戻ります」と、コンサートを終わりたくない、ARMYと一緒に居たい、という気持ちをめいっぱい表現した。そして「今夜は夢の中でもう1回コンサートしよう」と、ARMYを撃沈させた。

7人とも、何度言っても足りないほど感謝と愛を口にしていた。チャートで1位、とか、何万枚売れた、とか、記録を打ち立てても、しょせん数字でしかない。やはり目の前で応援してくれるファンと実際に会うことが、一番うれしくて力になるはず。会えなくても離れずにずっと待っていたファンが本当に心からありがたいのだ。

そして、ラストナンバー。「最後の曲はみんなも一緒に歌おう。このときを待ちわびていました。一緒に踊ろう。踊るのに許可はいらない!」とのRMのフリで、「Permission to Dance」を。最初の掛け声どおり、最後まで歌もダンスもファンサービスも全力。

ここではあえて伏せておくが、コンサートが全て終わった後に出る「SPECIAL THANKS TO」に続く言葉にも感動する。彼らの気持ちが染みて、この先もずっと「ボラヘ」を誓いたくなるはずだ。