田舎から上京してきた天然な女子高生みつみの青春が描かれるTVアニメ「スキップとローファー」(毎週火曜夜11:00-11:30/TOKYO MXほか)。5月16日(火)に放送の第7話「パタパタ モテモテ」では、志摩と親しげな女性の新キャラが登場し、波乱の予感を漂わせた。(以下、ネタバレを含みます)

■努力が報われるとは限らないが……

TVアニメ「スキップとローファー」は、2018年から講談社の月刊漫画雑誌「月刊アフタヌーン」にて連載中の、高松美咲によるスクールライフ・コメディが原作。田舎から上京してきた、勉強はできるけど、距離感が独特でちょっとズレてる女子高生の“みつみ”こと岩倉美津未(CV:黒沢ともよ)が、個性豊かなクラスメイトたちに影響を与えていく様が描かれる。

5月16日(火)に放送された第7話では、夏休み直前のみつみに2つの大きな出来事が訪れた。無事に前期期末テストを終えたみつみが向かうのは、生徒会執行部主催の座談会だ。将来を見据え、生徒会のサポート組織“つばめ会”に入会したみつみ。3年生が引退し、彼女はめでたく前期生徒会の書記に就任した。

生徒会長はもちろん、会計を務めていた2年の高嶺先輩(CV:津田美波)……のはずが、彼女は選挙で敗退。怪我で退部したものの、元々はサッカー部の次期主将候補と言われていた2年の風上(CV:榎木淳弥)が新生徒会長に就任する。しかし、実のところ風上が生徒会長に立候補したのは、単に先生のポイントを稼ぐためだった。

どんなにコツコツ努力を積み上げても、横入りしてきた要領の良い人に自分の望むものをかっさらわれてしまう。そういうことが世の中にはたくさんある。“生徒会長になったらやることノート”を握りしめ、「私バカみたいね。でも私、これしかできないから」と呟く高嶺の姿が切ない。

そんな高嶺を励ましたのは、意外にも演劇部の兼近(CV:木村良平)だった。突然生徒会室に現れた兼近は、みつみや高嶺に、小学生の頃に自主制作した映画を見せる。その映画はある有名な作品の世界観をまるパクリした、演技力も微妙で、とてもじゃないけどクオリティが高いとは言えないものだ。兼近本人にとっても黒歴史の遺産だったが、あえて自ら恥をさらすことで、落ち込む高嶺を元気づけようとしたのである。

どんなに努力しても報われるとは限らないし、必死に努力する姿はもしかしたら滑稽に見えるかもしれない。だけど、「君らが笑ってくれるならいいと思った」という兼近の言葉で高嶺は気持ちを持ち直す。兼近や高嶺の不器用だけど、その不器用さが愛おしく、自分も頑張ろうと思えるエピソードだった。


■「私と二人で出かけるの、嫌じゃないんだ」

一方、喧嘩からの仲直りがきっかけで、志摩(CV:江越彬紀)のことを意識するようになったみつみ。志摩も以前より自分に心を開いてくれているようで、みつみは若干浮かれ気味だった。しかし、そんな彼女をよそに校内の女子から志摩への告白ラッシュが起きる。夏休みに入れば、当分会えなくなるので、それまでに思いを告げ、願わくばこの夏を一緒に……と考えてのことだった。

これまでの志摩なら付き合うのは無理でも、連絡先くらいなら簡単に教えていたかもしれない。だが、誰に対しても誠実にまっすぐ向き合うみつみとの関わりを通して、彼の中で少しずつ変化が起きているのだろう。変に期待を持たせないよう、はっきりと告白を断る志摩。

そんな志摩を見て、みつみは彼もそうだが、性格や価値観もバラバラなミカ(CV:寺崎裕香)や結月(CV: 内田真礼)、誠(CV:潘めぐみ)たちと仲良くなれたのは、クラスメイトになったからこその奇跡だと感じる。その奇跡を噛み締め、友情を大事にしたい。だけど、そんな気持ちとは裏腹に、みつみは「志摩と二人きりで動物園に行きたい」という願望を本人の前で口に出してしまった。

焦るみつみに対し、志摩はあっさりと彼女の申し出を快諾する。それが逆に全く意識されていないみたいで、ちょっぴりモヤりながらも、「私と二人で出かけるの、嫌じゃないんだ」とみつみは喜びを隠せない。

■みつみのライバル登場?気になる新キャラと志摩の関係

そんな二人のもどかしくも愛おしい関係に癒されていた矢先、ラストで事件が起きる。みつみと志摩のやりとりを目撃し、少なからずヤキモキするミカの前に現れたのは、有名なファッションモデル・西城梨々華(CV:寿美菜子)。

梨々華はミカに「志摩聡介ってどこのクラスか知ってる?」と話しかける。彼女がみつみたちの学校に訪れたのは、志摩に会うためだった。ミカが梨々華を教室に案内すると、彼女はみつみの顔を見て「なんか、わかっちゃった」と意味深な言葉をつぶやいたかと思えば、志摩の腕を取り、教室を後にする。嵐のようにやって来て、嵐のように去っていった一連の出来事にあっけにとられるみつみ。果たして、梨々華と志摩はどんな関係なのか。

新たな波乱の予感を漂わせ、幕を閉じた第7話にSNSでは「誰よその女!?」「まさかの恋のライバル出現…なのか?」「志摩くん、色々と罪作りなイケメンだ」という声が集まった。なおDMM TVでは、5月17日(水)夜7時より無料で視聴できる第7話の上映会も行われる。


■文/苫とり子