■ギャップで見せた草なぎ剛が主演男優賞
2023年1〜3月放送ドラマを対象に開催した第115回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。主演男優賞は、「罠の戦争」(フジテレビ系)の草なぎ剛が受賞した。シリーズ前作「嘘の戦争」(2017年)以来6年ぶりの連ドラ主演を務めた草なぎは、息子の事件の復讐のため議員秘書から国会議員にまで上り詰める鷲津亨を演じ、心優しく正義感のある善人の表情と権力に取りつかれる悪人の表情でギャップを見せた。(以下、ネタバレを含みます)

「罠の戦争」は、「銭の戦争」(2015年)「嘘の戦争」(2017年)と続けてきた“戦争”シリーズ3部作の最終作。今作で演じた鷲津亨について草なぎは「前2作と比べると普通の役だな」と最初は物足りなさを感じたというが、「第1話のリンゴをつぶすシーンで、ちょっと待てよ!と。視聴者に身近な人物だからこそ、逆に視聴者を引きつける役として作っていけるんじゃないかとじわじわスイッチが入って」きたのだという。そこから「一話一話変わっていく鷲津亨を僕も楽しんでいました」と振り返る。

■「またこのチームで何かできたら」と期待も
投票コメントでも「心優しい夫の顔から権力に取りつかれた無慈悲な政治家の顔まで、巧みに演じ分けた」と絶賛された草なぎだが、自身では特に「後半、代議士になってからの先輩方とのシーンが本当にしびれた」と語る。「貫禄があって迫力がある。鶴巻幹事長(岸部一徳)に食らいつくシーンは、最初は家族のために訴えかけていた人間が、いつの間にか幹事長と同じ権力にとらわれた人間になって、同じ人間が2人いる!っていうのが面白いなと思いながらやってました」と明かした。

「ちゃんとお芝居したのは25年以上前」という高橋克典(総理大臣・竜崎始役)からは「こんなんじゃ足りないよ。もっと剛くんと芝居したい」とうれしい言葉をかけられた。そんな撮影の日々を「素晴らしい先輩と若い方たちがいいサンドイッチをしてくれて幸せな現場でした」と振り返った草なぎ。「またこのチームで何かできたら。できれば新たな3部作とか? 全然決まってないけど、希望を持っていると楽しいじゃないですか。また挑戦できるよう僕も日々努力したいと思います」と語っていた。

※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記