■ オリジナル番組賞 最優秀賞

■ ■ミニ番組・番組PR部門

日本映画専門チャンネル×サバイバルファミリー 矢口史靖の「映画の常識、それほんと!?」

放送チャンネル:日本映画専門チャンネル

(c)日本映画専門チャンネル

【作品紹介】

映画『サバイバルファミリー』の公開を記念して、日本映画専門チャンネルと矢口史靖監督が「サバイバル」にちなんだオリジナル番組を制作。「エレベーターの天井から脱出、ほんとにできる?」「威嚇射撃での空に向かっての発砲、玉が落ちてきたら危なくない?」など、映画やドラマなどでよく観るシーン、実際にやってみたらどうなるのかを検証する、オリジナル番組(全10本)。ドラマ部分を田中要次が演じ、実証部分は専門家に聞いてみる。これさえ観れば、あなたがピンチに陥ったとき役に立つ!?

〈検証内容〉1.「威嚇射撃はどこへ行く!?」 2.「エレベーターの天井から脱出は可能か!?」 3.「時限爆弾のコード、どっち切る!?」 4.「応急処置についての考察」 5.「手錠外しなんて朝飯前!?」

【審査委員講評】

威嚇射撃のため空に向かってピストルを撃つなど、映画やテレビドラマなどでよく見かける場面を、実際にやってみたらその後どうなるのか?を検証するという企画・発想がまず秀逸でした。前半のドラマでは田中要次の迫真の演技もあいまって、観客を「知っているようでじつは知らない」世界に案内してくれる豪華な2分間でした。後半の専門家による検証も、専門家の選び方などにエンターテインメント性が感じられ、ナビ番組というより自立した番組として楽しむことができたのは、特筆に値します。どんな番組でも「真剣に遊ぶ」面白さを追求することの大切さを教えられた、素晴らしい番組でした。 (石井彰/放送作家)

■ オリジナル編成企画賞 最優秀賞

「追悼 演出家・蜷川幸雄」

放送チャンネル:日本映画専門チャンネル

写真提供:ニナガワカンパニー MY PROMOTION 東宝 中根公夫

【作品紹介】

2016年5月に亡くなった演出家・蜷川幸雄。生涯を通じて数多くの舞台を演出してきたが、”蜷川演出”を象徴する作品は何か、と問われると、おそらく大半の観客が挙げるだろう3作品がある。それは1980年代、蜷川と珠玉の名作を作り、そして去年の10月に亡くなった俳優・平幹二朗の代表作でもある。“世界のNINAGAWA”の出発点『王女メディア』(1984年)。蜷川演出の代名詞『NINAGAWAマクベス』(1985年)。1000回超の上演となる『近松心中物語〜それは恋〜』(1981年)。いまはもう目にすることはできないその伝説の舞台の収録映像が残っているという噂を頼りに、素材探し、権利者、当時の出演者への許諾をゼロから編成企画担当が行っていった。また、制作背景や演出の特徴を、秘蔵映像や関係者インタビューと共に構成したオリジナル番組『蜷川がNINAGAWAになったとき』も制作、放送した。

【審査委員講評】

「蜷川幸雄は、いつ世界のNINAGAWAになったのか」。その答えがここにある。「王女メディア」「NINAGAWAマクベス」「近松心中物語〜それは恋〜」の3本を見れば、特集番組の中で語られている「歌舞伎でもない新劇でも商業演劇でもない、どこにもない」蜷川演劇の真髄がわかる。いずれも1980年代の上演で、主演は平幹二朗。このこだわりが演劇ファンにはたまらない。 若手俳優の育成、シェークスピア作品の全作上演など蜷川さんの功績は多岐にわたる。あれこれかき集めることもできただろうが、この3本にこだわったのが潔い。「とにかくこの3本を見ろ」といわんばかりの編成担当者の熱意が伝わってきた。偏愛と呼ぶべきかもしれないが、偏愛こそ有料専門チャンネルの生命線。愛にあふれた、どこにもない蜷川追悼番組を見せてくれた。(宮崎美紀子/東京中日スポーツ 報道部)

■ 審査委員特別賞

■ ■ドキュメンタリー番組部門

「国際共同制作プロジェクト 格闘ゲームに生きる」

放送チャンネル:WOWOWプライム

《再放送》2017年9月14日(木)夜2:45(予定)

【作品紹介】

台湾との国際共同制作プロジェクトで送る、WOWOWオリジナル・ドキュメンタリー。日本においてビデオゲームといえば、“たかが遊び”と一般的に考えられているが、今、世界では“e-Sports(エレクトロニック・スポーツ)”と呼ばれ、新たなプロ競技として人気が広がっている。番組では、世界中で人気の対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズのプロプレーヤーとして活躍する4カ国5人の選手を、1年にわたり取材。それぞれが社会に認められないという葛藤や、将来への不安を抱えながらも、技を磨き、戦略を練り、競技の普及のため情熱を傾けている。2015年12月に開催された世界大会での決戦をクライマックスに、“プロゲーマー”という新たな職業に人生を見いだし、闘い続ける彼らの日々を追う。

【審査委員講評】

世界的にはe-Sports(エレクトロニック・スポーツ)として市民権を獲得しているビデオゲームの世界にカメラが密着。人気の対戦格闘技ゲーム「ストリートファイター」シリーズに熱狂する4カ国のプロプレーヤー5人にカメラが密着したドキュメント。格闘ゲームにどっぷり浸かった生活を嬉々として受け入れ、また、その参戦を自らノルマ化していくそのプロゲーマーの生き方が描かれることで、e-Sportsの魔力の深さを感じさせる。日本のドキュメンタリー制作において国際共同制作の模索は、ある種ブームになりつつあるが、本作品も台湾との国際共同制作プロジェクトによって作られている。ノーナレーションでの番組進行など、国際共同制作なればこその作り手たちの新たな表現に対する意欲を、随所に感ずる作品である。(音好宏/上智大学文学部新聞学科教授)

■ ■バラエティ番組部門

「めざせ!オリンピアン“野獣”松本薫 דビビり”15歳 柔道 世界のワザと心を本気で伝授!」

放送チャンネル:NHK BS1

【作品紹介】

「野獣」の異名をもつ柔道金メダリスト松本薫が、中学大会の映像を見ながら本気で教えたい選手を選ぶ場面から番組は始まる。指名されたのはどんな選手かスタジオで4択クイズを出し、正解発表VTRで主人公の中3女子の素朴な素顔を紹介。父のスパルタ指導で全国上位の力をつけながら、試合ではビビってしまう課題が浮かび上がる。その15歳の元を松本がサプライズ訪問。驚く選手の稽古を観察し、即座に課題を見抜く。二人だけの時間を作った松本は「ビビりは感受性の鋭さの裏返し」と欠点を長所に変えてみせる。実は松本もかつてはビビりで、それが野獣キャラを生んだのだった。翌日は技術的課題に向き合う1対1の稽古。「目線を1ミリ上げる」「指を巻きこむ」など教科書にはない元世界女王の極意が次々と明かされていく。少女の表情は一変、オリンピアン相手に激しい闘志を見せ始める。陰で見守る父が我が子の成長に気づかされた、本気指導の結末とは?

【審査委員講評】

オリンピックメダリストであって、無愛想な松本と、オリンピック出場が夢だけど、と無表情にはにかむ少女。野獣の闘志と、無垢のひたむきさ。この取り合わせが、映像に奥行きを与えている。前半、乱取りをしながらじっと少女の様子をうかがっていた松本は、中盤以降、的確にその弱点、見直すべきところを指摘していく。少女の納得、吸収の速さにも、目を見張る。視線の位置、足指の使い方など、柔道とはどういうスポーツかがよくわかる。では、このあと、少女の実際の対戦成績はどうなったか、彼女はどう変わったか。そこまでフォローしたら、スポーツバラエティーを超え、これは一級のドキュメンタリーにもなっただろう。(審査委員長・吉岡忍/ノンフィクション作家)

■ ■アニメ番組部門

「鬼平」

放送チャンネル:時代劇専門チャンネル

《再放送》2017年9月29日(金)夜2:45(#1〜#6)/2017年10月6日(金)夜2:00(#7〜#13)

(c)オフィス池波/文藝春秋/「TVシリーズ鬼平」製作委員会

【作品紹介】

累計発行部数2700万部を誇る池波正太郎の超人気時代小説シリーズ「鬼平犯科帳」(文藝春秋刊)を、2017年に発刊50周年を迎えることを記念して初のアニメ化。原作は江戸を舞台に「火付盗賊改方」という現代の秘密警察の役職についた長谷川平蔵が悪党たちを裁いていく姿を描いた時代小説。これまでに漫画化、実写ドラマ化、映画化、舞台化とさまざまな形で発表されてきた超人気シリーズが、ついに待望の本格時代劇アニメとして生まれ変わる。アニメならではのクールな色気と力強さを持ち合わせた、新たな“鬼平”が、悪を裁く。主人公“鬼平”こと長谷川平蔵を演じるのは、ブラッド・ピット、ベン・スティラーなど数多くの海外人気俳優の吹替などでお馴染み、堀内賢雄。その他レギュラー陣には浪川大輔、朴璐美、細谷佳正など、本格時代劇アニメの名にふさわしい実力派声優たちが勢揃い。

【審査委員講評】

あの「鬼平犯科帳」がとうとうアニメ化された。アニメにしたことで、実写とは異なるアクションの華麗さ、シャープさ、スピード感を感じ、時代劇の新たな地平を切り開いたといえる。作画も素晴らしく、目を見張るものがあった。実力派声優達を起用し、時代劇らしく、重厚で渋みのある声に魅了された。さらに、アニメ化したことで、時代劇初心者や時代劇が苦手な若者にも、時代劇へのハードルが低くなった。時間も24分で見やすく、飽きさせず、かつ、楽しめる良い企画である。(田中早苗/弁護士)

■ ■オリジナル編成企画賞

「渥美清さん没後20年 “寅さん”特集」

放送チャンネル:NHK BSプレミアム

【作品紹介】

2016年7月30日(土)〜10月4日(火)の間に様々な角度から寅さんや渥美清の魅力に迫る特集を3番組、定時番組寅さんスペシャルを2番組、第1作を含む代表的な『男はつらいよ』シリーズの映画10本、のべ23時間編成した。「寅さんに会える夏。」キャンペーンとして『男はつらいよ』の名場面を楽しみながら、風天の俳号で詠まれた200超の俳句から心のうちを読み解いた、ザ・プレミアム「寅さん、何考えていたの?〜渥美清・心の旅路〜」、今まで語られることのなかった、寅さん役でブレイクする前の渥美清を描いたドキュメンタリードラマ「おかしな男〜渥美清・寅さん夜明け前〜」、寅さんが鉄道旅した中で、特に縁の深い地を“寅さんの家族”が訪ねる旅番組、「寅さん 鉄道ふれあい旅『20年目の夏 さくらと博が行く』、映画ついては、『男はつらいよ』シリーズ10作品を編成。幅広い世代に渥美清と“寅さん”の魅力を伝える番組を集中編成した。

【審査委員講評】

没後20年を記念し、大衆を笑わせ泣かせた喜劇役者・渥美清を特集。「男はつらいよ」シリーズを単に放送するだけでなく、様々な側面から国民的俳優を見つめ直し、知られざる“寅さん”像に迫った。特に「風天」の俳号で詠み続けた200超の俳句から人間・渥美を浮き上がらせた「寅さん、何考えていたの?〜渥美清・心の旅路〜」は出色の出来。浅丘ルリ子や倍賞千恵子、山田洋次ら証言者として登場する面々が豪華で、NHKの自力を感じさせる。句のイメージ映像も丁寧に作り上げ、細部にも手を抜かない姿勢もうかがえた。もちろん、一番の魅力は渥美による味わい深い句である。あっけらかんとした語感に、ちょっぴり哀愁をしのばせる、その腕の確かさに驚いた視聴者も多かったはず。この番組を筆頭に「渥美=寅さん」の魅力を、特番など5番組と映画10本の延べ23時間で、余すことなく伝えた好企画となった。(小峰健二/朝日新聞東京本社報道局 文化くらし報道部)