7月19日(水)の東京公演から、鈴井貴之のプロジェクト・OOPARTSによる舞台「天国への階段」の上演がスタート。孤独死の現場を清掃し、遺品を探す“特殊清掃員”をテーマにした作品で、永野宗典(ヨーロッパ企画)や畑中智行(キャラメルボックス)らに加え、「水曜どうでしょう」(HTB)でおなじみの藤村忠寿や鈴井自身も出演する。

さらに、北海道出身でことし3月にSKE48を卒業したばかりの東李苑も出演。今回は、そんな東にSKE48卒業後初インタビュー。本作出演のいきさつや稽古の様子などを聞いた。

■ SKE48卒業後すぐの舞台出演に「とにかく『ありがたい』の一言です」

――卒業してからしばらくは芸能活動をしなさそうな雰囲気だったので、今回「天国への階段」にご出演すると聞いて、正直、「早っ!」って思いました(笑)。

私も早いなって思いました(笑)。

――どういう流れで出演が決まったんですか?

北海道に帰ってすぐにお声を掛けていただいて、びっくりしました。年内は充電期間というか、表に出ないって自分でも思っていたので。でも、こんなに素敵なチャンスをいただける機会なんてめったにないことだと思うので、とにかく「ありがたい」の一言です。

――予定より短くなった充電期間ですが、その間にしていたことや、やりたいと考えていたことについて教えてください。

今までできなかった旅行とか、やりたかったことをやる期間にしたいなって思っていたんですけど、思いの外充電期間が早く終わってしまったので(笑)。ピアノもずっと弾けていなかったので、毎日弾いて指を動かしたりしていました。

――お芝居は久しぶりですよね?

久しぶりというか、ほとんど初めてに近いですよ。

――でも「私、結婚できないんじゃなくてしないんです」(2016年、TBS系)に出ていたじゃないですか。

いや、あのときは本当に何も知らずにやっていたので。今回、OOPARTSに集まったキャストの皆さんが本当に優しくて親身になってくださる方たちばかりで、初めて舞台での発声方法も教えていただきましたし、言葉のニュアンスや伝え方とか、そういうことも初めて知りました。

――これまでにOOPARTSの作品を見たことはありましたか?

なかったんですけど、出演が決まって、2作目の「SHIP IN A BOTTLE」のDVDを見ました。鈴井さんって“東京のやり方”をやらないというか、独自のやり方を東京に来ても貫き通すという芯の強さがあって。普通だったら絶対にやらないなっていうセットだったり、発想がすごいなって思いました。

――「天国への階段」はテーマが“特殊清掃員”で、言葉だけ聞くと重い話なのかなと思うんですが、台本を読んだ感想はいかがでしたか?

台本をもらうまでの間に、「特殊清掃員って何なんだろう?」と思って調べました。悲惨な現場で仕事をしなければいけないことも多いですし、素直に「大変な職業だな」と感じました。「どうやってお芝居にするんだろう?」「絶対に重くなるよな」って思っていたんですけど、台本を読んでみたら、「こんなふうに仕上がるんだ」「意外にコメディーになるんだ」って思いましたね。無駄なものは何一つなく、ぎっしり全部詰め込みましたっていう印象の舞台です。

――コメディーということは、稽古も明るい雰囲気の中で行っているんでしょうか?

明るいですよ。鈴井さんが演出で重くならないように、でも、大事なところはちゃんと伝わるように作っています。

■ 目標は「第2の大泉洋になる!」

――稽古の後にキャストの皆さんで食事に行かれたりもしているようですが、そういう場ではどんなお話をしているんですか?

藤村さんが中心になってお話しすることが多いです。お芝居の話はもちろんしますけど、本当にいろんな話をします。藤村さんの昔の恋愛話とか(笑)。

――人生の先輩ばかりですもんね。

私はアイドル時代、外部の人と関わる機会が全くなかったので、卒業後に初めていただいたお仕事が、このOOPARTSでよかったなって思います。藤村さんくらいの年の方から真剣にお話を聞く機会もなかったですし、個々に活動している方々の集まりだから本当にいろんな話を聞けて、演劇だけじゃなくて、人生においても勉強になっています。

藤村さんで言えば、番組制作に一から携わっている方だから、「今の若い子たちはでき上がっているものしか知らないから、逆にそこから突き抜けられる子が少ないよね」ってお話だったり、深い話をいっぱい聞かせていただいています。

――鈴井さんと初めて会ったときはどんな話をしたんですか?

私、前に「AKB48の今夜はお泊まりッ」(2015年、日本テレビ)という番組で、たばこについて割とひどいことを言ったんですけど、それを鈴井さんが知ってくださっていて。初めてお会いしたときに「東さんはたばこ嫌いだもんね」みたいな(笑)。そういうところから始まって、それでなじめたかなって思います。

――先日は大泉洋さんにもお会いしたとのことですが。

OFFICE CUEのスタッフさんが大泉さんに「今回のOOPARTS作品に東さんが出るんですが、大泉さんに憧れているらしいですよ」みたいに話してくださって。(会ったときに)「ありがとう」って手を差し伸べられて、握手してもらいました。私のWikipediaにも大泉さんに憧れていることが書かれているんですけど、「Wikipedia見たよ」とも言われて(笑)。感無量でしたね、本当に。人って緊張するとこんなに手汗出るんだって思いました(笑)。

――そんなに緊張していたんですね。

緊張しましたよ! 私の中で大泉さんにお会いすることは人生の目標の1つだったので。

――では、1人のタレントとしての夢や目標もお伺いしていいですか?

これはSKE48にいたときから変わらずですけど、「第2の大泉洋になる!」です。何か恥ずかしいですね(笑)。

――札幌公演もありますから、そこで北海道の人たちに見ていただきたいですね。

北海道が大好きなので、大泉さんみたいに北海道を拠点にしながら、全国で活動できればいいなって思います。それで北海道の良さを伝えている大泉さんってすてきだと思いますし、憧れなので、私も“女版・大泉洋”になれればいいなって思います。

あと、私はSKE48のときから“エゴサアイドル”で有名で(笑)、最近頻度は減ったんですけど、家族も私の“エゴサ”をしていまして。それで、家族から聞いた話なんですけど、私をSKE48のときから応援してくださっているファンの方は、「札幌で見ることに意味がある」って言ってくれているみたいで。みんな札幌に来てくれるみたいなのですごくうれしいなって思いますし、来てくれるからには北海道のおいしいものをいっぱい食べてほしいなって思います。名古屋で出会ったファンの方と北海道の“懸け橋”といったら大げさかもしれないですけど、来てもらえるきっかけになれたのかなって思えてうれしいです。

――では、最後に舞台を楽しみにしている方々に、「天国への階段」のアピールをお願いします。

孤独死とか特殊清掃員とか、普段なかなか直視しないテーマだと思うので、この舞台をきっかけに、特殊清掃員という職業のことや、今の日本の孤独死の現状とかも知ってもらえたらいいなと思います。あと、セットに仕掛けがいっぱいあるので、そこに注目してもらいたいです。

私が演じるのはちょっと変わった役なんですけど、引かないで見てもらえたらうれしいです。私のことを初めて見る方には、最初に見る役で「こういう子なんだ」ってイメージが付いちゃうじゃないですか。本当にそういう子だと思われたらちょっと嫌だなって思うキャラクターになっていますが、それぞれの出演者のキャラクターを愛してもらえたらいいなと思います。