2023年4〜6月放送ドラマを対象に開催した第116回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。主演女優賞は、「あなたがしてくれなくても」(フジテレビ系)の奈緒が受賞。夫とのセックスレスに悩む主人公・吉野みちを演じた。セックスレスや不倫というデリケートな題材に丁寧に向き合い、レスに悩む女性の弱々しさや未熟さ、もろさなどをリアルに表現していた点が評価された。(※以下、ネタバレがあります)

■深く印象に残る離婚シーン

「あなたの番です」(2019年日本テレビ系)で助演女優賞を受賞しているが、主演部門は初受賞。奈緒は、「すてきな役に恵まれて、幸せな巡り合わせを頂けたことで、こういった賞も受賞できたことが純粋にうれしいです」と喜びをかみ締めた。

演じていて印象に残ったシーンを聞くと、「3カ月の間、みちとして生きていたので、印象に残っていることだらけ」としながらも、「離婚をするシーンは、お芝居でああいう感情になったのは初めてで。それは“もうこれ以上やりたくないな”って思いでした」と当時の心境を語った。第10話、夫・陽一(永山瑛太)が離婚を受け入れ、離婚届にサインするシーンだ。2人の心情を思って涙する視聴者も続出した。

奈緒自身にとっても「これまでの作品でも離婚をするシーンはあったけど、実際に離婚届を書いているのを見るというのは初めてだったので、この字を、手を、耳を見るのは最後なんだ、全部が今日で終わりなんだっていうのが押し寄せてきて…今でもその感情は心にも体にも刻まれたように残っています」と、特に印象深いシーンになったという。

■みちとの出会いは「戦友ができたような感覚」

演じたみちについては、「今までやったことのない役柄でしたし、みちという主人公は、100人中3人が大好きになってくれたらいいなと思って演じていました」と明かし、「その3人のためにも、みちが戦ったり転んだりしながらも、自分の幸せを見つけないといけないよって思いながら演じていた3カ月だった」と振り返る。

そして、そんな日々の中で得たものを、「みちという役と出合えて、戦友ができたような感覚で、みちだけでなく制作スタッフさんやキャストの皆さんも戦友だと思っています。この役はこれからも私が戦わないといけないときに、この先もきっと戦友として隣にいてくれるだろうなと思います」と語っていた。