<カメラ、はじめてもいいですか?>最終回、田牧そら“ミト”の撮りたいものがついに見つかる
■「カメラ、はじめてもいいですか?」とは
同作は、2019年より「月刊ヤングキングアワーズ」(少年画報社)にて連載中の同名漫画を実写化した、BS松竹東急オリジナルドラマ。根暗で猫背、自分が好きじゃない女子高生が、隣室の女性にカメラを教わることで新しい世界が開け、周りとともに成長する姿を描く。
カメラに惹かれていく女子高生、池田ミト役を若手女優の田牧そらが、ミトの隣室に住むカメラマンの女性、綿矢チサト役を手島実優が、ミトの同級生で“カメラオタク”の2人、音海モア役と毒島リン子役を村山優香と中村守里が担当する。
そして、ミトの地元にあるカメラ店「ヤエガシカメラ」の店員で、チサトがカメラを始めるきっかけを与えた八重樫ナギ役には根矢涼香、ミトの母親でチサトの写真を扱う雑誌の編集長の藤野恭子役には山田キヌヲ、ミトの父親・池田聡役には斉藤陽一郎が脇を固める。
■チサトを撮影するミトが見ている景色とは…
ミトとチサトは、撮影旅行で猿島という無人島を訪れていた。ミトはチサトを撮るにあたり、“自然の中で撮ってみたい”という想いからこの島を見つけたのだという。ミトは「砂鉄の砂浜」「愛のトンネル」「展望台」など、様々な撮影スポットに赴き、チサトの自然な表情を引き出しつつシャッターを切っていく。
撮影時、ミトは以前チサトが言っていた「ミトちゃんが見たいものが切り取られる」「ミトちゃんだけが見ている景色が」という言葉を思い出す。そして「これだ」と思い切ってシャッターを切り、「チサトさん、綺麗です」と嬉しそうに伝えた。
2人は最後の撮影スポットとして「砂鉄の砂浜」に向かう。一通り撮影を終えミトが休憩していると、今度はチサトがミトのことを撮影し始める。ミトはチサトを見て、「チサトさんはそのカメラ似合いますね」と話しかけると、チサトもミトのカメラについて「ミトちゃんらしいカメラになってきた」「ミトちゃんが自分で選んで一生懸命撮ってきた」と、ミト自身が景色を選択していることを伝える。またカメラだけではなく、撮りたいものや行きたい場所、やりたいこと、会いたい人など、ミトが選んできたものがミトを作っているのだと優しく話すのだった――。
■チサトの決意とミトの撮りたい景色
撮影旅行から帰宅し、ミトはチサトを最初に撮った場所でもう一度撮影したいと切り出す。カメラを構えながらミトは「今の方がこの景色が好き」「ここを通るたびにチサトさんやみんなのことを思い出すから」と心境の変化を語った。
そんなミトを見てチサトは、「私ね、やっぱり写真集のこともう一度藤野さんに相談してみようと思う」と、一度は諦めていた写真集に対する前向きな気持ちを伝えた。チサトはミトと接しているうちに“やりたいことやってみよう”と決意したのだという。「せっかく選ぶなら、きっとそっちの人生でしょ」と話す彼女の表情はとても晴れやかだった。
そんな決意したチサトの顔をミトが撮影。「チサトさん、シャッター切りましたよ私」「これだっていう瞬間にシャッター切りました」と、ミト自身も心から撮りたい瞬間を見つけたようだ。
その後ミトとチサトは2人で藤野の元へ向かい、3人でチサトが撮影した写真を見て盛り上がっている。またミトはずっと帰れていなかった実家に帰省し、愛犬と父、母、妹の3人に歓迎される。ミトは実家で過ごした後、玄関先で見送る家族を1枚撮影し、「行ってきます」と笑顔で1歩前へ踏み出すのだった。
■チサトの写真集がついに完成
その後、ミトはまた変わらない日常を過ごしていた。カメラ店「ヤエガシカメラ」でクラスメイトのモアとリン子、店主のナギと楽しそうに話していると、チサトがやって来て“動物園で撮影してきた”という写真を見せる。ミトはそんな様子を見て、嬉しそうな表情を浮かべる。
そんな中、チサトの初めての写真集が完成し、ミトとチサトは本屋で嬉しそうに手に取る。写真集のタイトルは「カメラ、はじめてもいいですか?」という本作のタイトルが付けられており、そして表紙には自分のカメラを抱える笑顔のミトが映っていた――。
ハッピーエンドで完結を迎えた本作。第1話ではクラスメイトに話しかけることさえままならなかったミトが、最後には自分のやりたいことを見つけ、堂々と伝えられるようになっていた。彼女の成長ぶりは、多くの視聴者に感動と勇気を与えたことだろう。
また徐々に笑顔が増え始め、しっかりとした口調で自分の想いを伝えられるようになるミトの変化を、さわやかに演じ切った田牧や、彼女の成長を促す重要な役どころを担った手島らの演技力も、本作の見どころとなっていた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部