子どもから大人まで幅広い世代に愛され、世界中にアツいファンを持つスパイダーマン。その最新作となる「スパイダーマン:ホームカミング」が、8月11日(祝・金)に日本公開を迎える。本シリーズが愛される理由を、特に“初見の人”向けに解説する。

いよいよ公開週となり、8月7日には都内で「ジャパン・プレミア」が開催。“新スパイダーマン”こと、ピーター・パーカーを演じたイギリスの新星俳優トム・ホランドも来日して登場し、SNSなどでも「トムホがきた!」「新スパイダーマンの子がかわいい」など、ますます盛り上がりを見せている。

しかし、一方で「アメコミやヒーロー映画が得意じゃない」「前知識が必要そうで、ハードルが高いかも…」と、興味はあるものの苦手意識を持つ人も少なくない。

アイアンマンに憧れ、アベンジャーズになりたいと願うスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカー。

彼はNYの街を華麗に飛び回る新米ヒーローである一方で、いつもは学校で親友とワルふざけをしたり、いじめっこにはからかわれ、気になる女子への淡い思いは胸に秘める、“どこにでもいる”普通の少年だ。

ティーンエージャー特有の悩みや葛藤を抱えながら、スパイダーマンとして世間に認められたいと、悪党を前に悪戦苦闘を繰り返す。しかし、必死ゆえに空回りの連続。

ある時、アイアンマンに恨みを持つヴィラン・バルチャー(マイケル・キートン)がニューヨークに現れ、街は混乱の渦に…。事の重大さに気付いたピーターは、ただ一人バルチャーに立ち向かう…というのが、本作のストーリー。

アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)やキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)らアベンジャーズとの絡みをはじめ、マーベルファンにはたまらない作品であることは言うまでもないが、自分の夢に向かい、壁にぶつかりながらも前向きにがむしゃらに頑張り、真のヒーローとして成長していくいちずな姿や、小難しい話は一切必要ない王道の“胸アツ”展開に、心が打たれそうだ。

そんな本作は、初見だからこそ楽しめるポイントが大きく分けて3つあるように思う。

■ 過去の伏線には頼らない…お決まりの展開は省略!

サム・ライミ監督による「スパイダーマン」シリーズ(全3作)、その後の新たな“リブート作品”として公開された「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ(全2作)と、これまで5作にわたって実写映画化されてきたスパイダーマン。

全世界で大ヒットしたこれらの作品では、ピーターがクモに刺されて驚異的な身体能力を手に入れる過程や、両親を亡くし、自分を育ててくれた叔父の悲痛な死などを通して、“スパイダーマンになる過程”がいずれも丁寧に描写されてきた。

その一方で、「スパイダーマン:ホームカミング」では、こうした過程は一切描かれず、すでにスパイダーマンとして秘密裏にNYを飛び回るピーターが、“本当のヒーローになる過程”に焦点が当てられているため、これまでの知識は問われない。

部活、友情、恋愛と、われわれと何も変わらない1人の高校生が、ヒーローとしても、人間としても成長していく姿はごくごく身近に感じられ、共感できるはずだ。

■ 過去の人気には頼らない…旬なキャスト勢ぞろい!

本作ではピーターを演じたトム・ホランドを筆頭に、注目の新キャストが華を添える。ピーターと共に住むメイおばさんを演じたオスカー女優のマリサ・トメイをはじめ、モデル・シンガー・ダンサーなど、多方面で活躍中のゼンデイヤ、モデルとしても活躍するローラ・ハリアーらがクラスメートとして出演。

旬なキャストによる身近な青春映画として楽しめる一方、今回宿敵となるバルチャーには名優マイケル・キートンが名を連ね、深みのあるヒーロー映画としても昇華されている。

■ 過去の撮影スタイルには頼らない…リアルな雰囲気にこだわり!

そして、何といってもアクションが秀逸だ。公開後のDVDでも楽しめるかもしれないが、迫力のあるアクションをフルで堪能するには、劇場で見るのがベストだろう。

ジョン・ワッツ監督も「あり得ないようなショットを撮るビデオゲームのようなことはせず、実際に撮影できるショットしか撮影したくない」と語っていたが、ドローンや100フィートのクレーンを駆使し、子役時代から舞台で鍛えたトム・ホランドとアイデアを出し合って限界まで“リアル”にこだわった。

圧倒的な迫力のアクションがある一方、物理法則には勝てないスパイダーマンというのも、応援しがいがありそうだ。

そんなハイレベルなアクションと爽快感、そして感動に出合える“新スパイダーマン”。シリーズ初見でも、そもそもこういったヒーローモノに興味がなくても、“食わず嫌い”のような苦手意識を持たず、触れてみても損はしないはずだ。