不思議な力に導かれ、大好きだった彼女が生きていた過去にタイムリープした高校生のひと夏を描いた青春純愛ラブストーリー「二度めの夏、二度と会えない君」(9月1日・金公開)。気持ちを告白したことで彼女を傷つけた過去を後悔し、「好きにならないこと」を誓った主人公・智を演じた村上虹郎に、映画の魅力を語ってもらった。

――脚本を読んだ感想を聞かせてください。

青春ものでバンドのシーンもあって、純粋にいいなと思いました。タイムリープした智がもう一度同じ時間を繰り返すのは、すごくゲーム的で面白いですよね。ボーカルの燐が、ギター、ドラム、ベースとバンドメンバーを集めていくところも、まるでRPGゲームのように感じました。

――好きな女の子を、好きにならないよう悩む役を演じてみていかがでした?

こそばゆい感じはありました(笑)。とにかく智はずっと悩んでいるんです。演じながら応援したい気持ちになる一方で、そんなぶきっちょかって、智をパコンと叩きたくなったりして(笑)。

――好きにならないようにしながらも、智は燐にひかれます。変えられない運命なのでしょうか?

運命としか言いようのない出会い方をしてますからね。智はギターがやりたいのに、仲間がいないからずっとくすぶっていたんです。そこに同じバンドのファンで、めちゃくちゃ声がいい燐が現れる。ベースやギター、ドラムは練習すればどうかなるけど、歌や声質はもうその人が持ってるかどうかの問題。燐に出会った瞬間、智は彼女の声に惚れたんだと思います。

――二度めの燐との日々で、智にどんな変化があったのでしょう?

燐を好きな気持ちは変わっていないです。大好きな彼女が死んだ後は、ずっと家に引きこもっているくらいですから。本当は燐が生きてる時代に戻るのは、智にとってはすごくうれしいことなんです。なんでお前は、はしゃがないんだ、そこに来てまた逃げるのかって(笑)。でも彼にとっては戦いなんです。好きだと言ってはいけない使命感って、きっとあるんだと思います。誰かが死ぬかどうかは別にしても、僕らの周りでもあると思います。気持ちを伝えたいけど、できないことって。もどかしいですけど。

――智を演じる時に、心掛けたことはありますか?

反応の違いでしょうか。人間は、周囲に反応しながら考えます。同じ時間をもう一度過ごしても、極端に言えば相手のタイミングが1ミリ違えば、こちらのリアクションも変わってくる。意識してもしなくても瞬発的に行動するから、言葉も微妙なニュアンスは変わります。同じ時を過ごしても、絶対に同じことにはならない。

――智はギター担当ですが、村上さん自身ギターが趣味だそうですね。

文化祭の時に男3人で舞台に立ちました。しかも下手くそな3人で(笑)。みんなで同じフレーズをギターで弾いて、歌もギターにかき消されちゃって聞こえない。でもバンドをするより、一人こもってギターを弾いてた方が多かった気がします。

――メーンキャストは同世代が揃っていますが、現場はどんな雰囲気でしたか?

僕と山ちゃん(山田裕貴)以外は女性だったので、みんなでガールズトークしているイメージでした。山ちゃんはみんなをまとめようとしてくれたんですが、僕らが入ると女の子たちが気を使って、急にシーンとしちゃったり(笑)。だから少し離れた場所で、ひとりギターを弾いてました。「ギターの弦切れちゃったんですけど…」と(吉田)円佳ちゃんのマネジャーさんに弦を分けてもらったりして。だから円佳ちゃんより、マネジャーさんと話す方が多かったと思います(笑)。

――今回の撮影を通して感じたことはありますか?

スタッフの皆さんと多くの時間を過ごすことができました。スタッフさんの動きが早くて、すごいなって。中西監督自身すごくテンポのよい方で、普通だったら芝居をしてみて段取りや動きを決めるのですが、監督はコンテを用意しているので、すぐにテスト、本番という感じでした。もちろん芝居を見られるのですが、監督の中でワンカット目は決まっている、みたいな感じでした。それと監督はモニターを見ているのではなく、ずっとカメラ横で演技を見てくださっていました。

――20代に入りましたが、これからの目標はありますか?

これからも、その時々にやりたい事やっていければと思いますね。具体的にやりたい仕事ということでは、スタジオジブリ作品の声優です。ジブリ作品は大好きですし、自分にとって宮崎駿監督は世界一の監督なんです。

――これから映画を見る方にメッセージをお願いします。

5人の個性的なキャラクターそれぞれの不器用な姿、そんな彼らがひとつに集まることで起こる奇跡を楽しんで欲しいです。音楽がすごくいいので、そこも楽しめると思います。話としてはわりと重い映画ですが、青春映画として、音楽映画としてもすごくいい作品になっています。劇場で見てもらえたら、きっと盛り上がっていただけると思います。