突然ですが、仕事や勉強をするときの「BGM」ってどんなものを聴いていますか?

今をときめくアーティストの新曲? 歌詞のないインストゥルメンタル曲やヒーリングミュージック? あるいは深夜ラジオやテレビ? 聴くだけで英語の勉強になるあれ? はたまた落語? まあいろいろあるだろうけど、筆者は自宅で仕事をする際にテレビをBGMとして使うことが多い。

独り暮らしが長い人あるあるで、家に帰ったら特に見たい番組がなくても自然とテレビをつけてしまう。むしろついていないとシーンとしていて、逆に集中できない。かと言ってテレビが面白過ぎてもそっちに引き込まれてしまって集中できない。結果、家で仕事しちゃいけないってことですね。と、ひとまず健全な企業であることをアピールしておく。

各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。

今回は、一度聴いたら離れない独特のテーマ曲と共に、凝りに凝ったストーリーで見る者すべてを“奇妙な世界”にいざなう、10月14日(土)放送の人気特番最新作「世にも奇妙な物語 '17秋の特別編」(夜9:00-11:10フジ系)を取り上げる。

ちなみにこれもテレビに引き込まれ過ぎて、BGMには向かない特番なのでご注意を。仕事中につけてしまうと、その“代償”は大きそうだ。

同番組は、1990年から放送されている、タモリがストーリーテラーを務めるオムニバスドラマ。今回は『運命探知機』『寺島』『フリースタイル母ちゃん』『夜の声』の4作品と、短編の「ポニーテール」「交換」「女子力」「ががばば新章」「写真」を放送する。

『運命探知機』は、運命を信じ切れない男性が拾った“運命探知機”から繰り広げられる、キラキララブストーリー。岩田剛典が恋に不器用な男性役で、主演を務める。

『寺島』は、初連載が決定した漫画家・山崎(峯田和伸)の元を訪れた寺島ひなと名乗る女性(吉岡里帆)にまつわるサイコホラー。彼女が語る小学生時代の友達・小林摩子とは?という、ストーリー。

『フリースタイル母ちゃん』は、息子思いの母親が突如ラッパーになるという、コメディータッチのヒューマンドラマ。中山美穂がキレッキレの“ラッパー母ちゃん”を演じる。

『夜の声』は、大手IT企業CEOとホームレスの2つの人生を1人で送る男に訪れる人生の結末を描く。藤原竜也が“2つの顔を持つ男”に。

それぞれ、オムニバスの1つとしておくにはもったいないほどのクオリティーを誇るドラマばかり。本作が長年にわたって愛されてきたのは、世にも奇妙な〜という共通項はあれど、作風が“フリースタイル”だからこそ。じっくりDVDを見て、あらためてそれを痛感させられた。

■ 独断と偏見のレビュー

今回も超怖い話あり、胸キュンラブストーリーあり、心温まる話あり、切ない話あり、クスッと瞬間的に笑える話あり、全篇通して安定のクオリティーで、安心したYO!

まずは見終わった後、「寺島ぁーー!!」と思わず心が叫んでしまいたくなりそうな『寺島』。

これが“世にも”初主演だという吉岡。この人のいいところは、べらぼうに清純な女子にもなれるし、一つネジが外れたプッツン系にもなれるし、眼鏡っ子和風少女にもなれるし、いい意味で癖のないストレートな美女顔ながら、カメレオンのようにいろいろな顔になれる。

“目が笑っていない”演技をさせたら日本でトップクラスなのも、それを助長しているか。今回は、漫画家のアシスタントのかわいらしい女性という役どころ。宗男さん…ではなく、峯田の演じる漫画家の心を鷲づかみにする、清らかな佇まいは、さすがの一言。

逆に峯田は「ひよっこ」のインパクトが強かったせいか、“宗男さん”として見てしまったところはあるが、相変わらず愛らしいというか、応援したくなるというか、ビートルズの音楽を聴かせてあげたくなるというか、“世にも”の恐怖におののく姿がとてもよく似合う。

肝心のストーリーはというと、今回の“世にも”の中ではトップクラスに怖い。正直これを書いているのが深夜だからか、怖くてちょっとトイレに行くのをためらい中だ。先日別のフジ系ドラマでも絶賛したばかりだが、やはり大後寿々花の演技はすごい。目つきと表情筋の動かし方、テレビ越しで観劇しているだけで感激だZE!

そして『フリースタイル母ちゃん』。個人的にはこれが今回最も好き。あのミポリンがすご腕のラッパーになるということで、その情報を聞いた時点でこれは楽しみだなと思っていたのだが、いざ見てみると、こんなにうまいとは。誰にでもできそうで実際簡単にはできないラップだけに、マジ感嘆、リンリンなる電話もルンルンでスルー…。

って、リップクリーム塗ってないし、東京生まれHIPHOP育ちでもないのに、ついライムを刻みたくなるドラマだ。これを読んで見てくれたらこれ幸い、きっとこの記事と再会したくなるはずDAだ!

『運命探知機』は、何はなくとも岩ちゃん(岩田)カッコイー! いかにも青春ラブストーリーって感じだが、ちゃんと“世にも”らしい要素も忘れない。

それに“ミスター・恋敵キャラ”こと、丸山智己も安定の存在感。この手の役がハマるというより、もしかするとキャスティング側がこの手の役どころには丸山だ!とあえて選んでいるんじゃないか、というくらいのハマリっぷり。これからも“第三の男”業界をにぎわせてくれそうだNA!

『夜の声』は、もしかしたら誰しもがなる可能性のあるホームレスと、選ばれし者しかなれない大手企業のCEOという“二刀流”男の物語。仕事がデキる(そうな)男を演じさせたら右に出る者はいない藤原のビジュアルのギャップも見もの。もう特殊メークなんじゃない?ってくらい。

それと個人的に注目してほしいのはホームレス仲間を演じる小市慢太郎だ。褒め言葉なのに失礼なのかもしれないけど、あまりにホームレス感があり過ぎて、ここだけホンマもんを用意してきたんじゃないかと思ったほど。もちろんあの独特のヒーリングボイスは健在なので、ご安心WO!

短篇も充実。中でもクジパンこと久慈暁子アナが、あの『ががばば』に出ていたとは…。その続編が作られて、久慈アナがそのまま出演しちゃうあたり、とても粋だ。その意気だ!

さて、長々とまとまりなくコラムという名のリリックをつづってしまったが、見る人によって作品の受け止め方、表現の受け取り方、ディグり方、忖度の手法(?)は違うと思うので、自分の目で確かめYO!