平昌五輪のノルディック複合は2月14日の個人ノーマルヒルを皮切りにスタート。過去に五輪や世界選手権で頂点に輝き、日本のお家芸とも呼ばれたノルディック複合の競技のみどころや注目選手を萩原次晴氏の解説と共に紹介します。

■ ジャンプとクロスカントリーでスキーの真の王者を競う

前半にジャンプを行いそのポイント差をタイムに換算し、後半のクロスカントリーではジャンプの成績が良かった順から時間差でスタートし順位を競う。ジャンプは瞬発力、クロスカントリーでは耐久力が求められ、総合的な高い運動能力が必要なことから欧州ではこの種目の勝者を「キング・オブ・スキー」と称える。五輪は個人のノーマルヒル、ラージヒルと団体戦の3種目。ドイツや北欧の強豪と日本の渡部暁斗のメダル争いに注目だ。

■ W杯5勝と絶好調! 悲願の金メダルを目指す 渡部暁斗(わたべあきと)(29)

前回ソチでは個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得。今季はW杯4連勝を飾るなど、総合ランキングは堂々1位。弟・善斗も複合の日本代表。妻・由梨恵もフリースタイルスキー・ハーフパイプ代表というスキー一家。

■ 過去2回五輪で金メダルに輝いた複合団体の新たな歴史をつくれ! 複合団体

渡部暁斗、渡部善斗(わたべよしと)、渡部剛弘(わたなべたけひろ)、永井秀昭(ながいひであき)、山元豪(やまもとごう)のうち4名でチームを組む。日本は団体戦を得意とし、'92年アルベールビル、'94年リレハンメルと過去2度の金メダルを獲得。ジャンプが得意な渡部兄弟を中心に持ち前のチームワークの良さでメダルを目指す。

■ 前半ジャンプで差をつけ攻めの走りで金を取れ

萩原:ソチ五輪銀メダリストの渡部暁斗選手に金メダルの期待がかかります。今季のワールドカップでも既に5勝、W杯総合ランキングは1位と好調です。今まではスロースターターでしたが、オフの間にいいトレーニングができて、完成度が高い中でシーズンを迎えられています。

渡部暁斗選手の強みはなんといってもジャンプですね。平昌でも前半のジャンプで首位に立てるか、そして2位以下の選手を何秒離せるかが金メダルへのポイントとなります。

平昌は気象条件的に氷点下15〜20度まで気温が下がることもあり、かなり寒いことが予想されます。クロスカントリーでは寒いと雪が固まって滑らなくなります。そうした雪は欧州勢が慣れていて得意としていますが、渡部暁選手も氷点下10度くらいまでならいい走りができるでしょう。緊張感、高揚感の中で自らのメンタルをうまくコントロールし、攻めのジャンプ、走りをすれば金メダルの可能性は大きく広がるはずです。

■ ジャンプの差がクロスカントリーのタイム差に

通常のジャンプ競技同様に、飛距離と飛型でポイントを競う。ジャンプでの得点がクロスカントリーのタイム差スタートに換算されるので「渡部暁斗選手はじめ日本勢はジャンプが得意。この強みを生かし前半のジャンプでリードを保てるかが勝負の鍵」(荻原)。平昌のジャンプ台は強い風が吹くが、長野県白馬の台をモデルに作られていて、防風ネットも白馬の業者が担当、日本勢は追い風としたいところ。

■ クロスカントリーは雪山が舞台の長距離走

クロスカントリーは2.5キロのアップダウンのある周回コースを4周する(団体戦は4人が2周ずつ)。上り坂の勾配は9〜18%、標高差10m以上、うねりを含む平坦部分、性質の異なるテクニカルな下りと3つの要素が均等に含まれている。周回なので混走になることが多く、選手同士の駆け引きが重要。「日本選手は駆け引きがうまい。渡部暁斗選手はレース展開を自分でコントロールできるのが強み」(荻原)。

■ 気候や雪質に合うワックス選びも重要

スキー板の滑りの良し悪しはワックスにも左右されるので、気温、雪温、湿度によってワックスのチョイスが重要となる。「滑らないときはまるで粘着シートの上を板で歩いている感じ。滑るときは磁石で宙に浮き、足が勝手に先に行き、体が追い付かないくらい摩擦を感じない」(荻原)ほどだとか。平昌でも各チーム専門のスタッフが、雪質や結晶の形、気象条件などあらゆる事態を想定してワックスの準備に当たる。

<放送スケジュール>

【個人ノーマルヒル】

「前半・ジャンプ」2/14[水]昼2.55NHK Eテレ「後半・クロスカントリー」2/14[水]昼5.35NHK総合

【個人ラージヒル】

「前半・ジャンプ」2/20[火]夜6.45(夜6.45-7.30はNHK Eテレ)NHK総合「後半・クロスカントリー」2/20[火]夜9.35NHK総合

【団体】

「前半・ジャンプ」2/22[木]昼4.20NHK総合「後半・クロスカントリー」2/22[木]夜6.55(夜6.55-7.30はNHK Eテレ)NHK総合(ザテレビジョン)