季節ごとに開催されているCS放送・TBSチャンネルのオリジナル落語会・春風亭一之輔独演会、その名も「春風亭一之輔 毒炎会」。9月に収録された、通算6度目の開催となる「春風亭一之輔 秋の毒炎会2018」が、10月28日(日)昼4:00より放送される。この放送に合わせ、TBSチャンネル2では10月、過去の「毒炎会」を集中放送する。

実力派落語家、人気の落語家という説明ももはや不要となってきた春風亭一之輔。落語界での活動のほかにも、NHK「超入門!落語THE MOVIE」、Eテレ「落語ディーパー!〜東出・一之輔の噺(はなし)のはなし」のテレビ出演や、TBSラジオ「赤江珠緒たまむすび」内『一之輔のマクラだけ話します』(毎月第4水曜)レギュラー出演、新聞・雑誌連載に著書刊行と、活躍の場は次々と広がっている。

そんな当代きっての落語家の口演を楽しめる落語会「春風亭一之輔 秋の毒炎会2018」は、東京は江東区、深川江戸資料館・小劇場で行われた。会場は一之輔が高校時代、落語を見に通い詰めたという思い出の場所だそうだ。

番組での放送はないが、「秋の毒炎会2018」で初めに登場したのは、2019年5月の真打ち昇進が決まっている瀧川鯉斗(たきがわこいと)。落語芸術協会に属する鯉斗は、現在落語芸術協会副会長を務める三遊亭小遊三師匠のエピソードをマクラにもってきて会場を沸かせた。そして演目「転失気(てんしき)」は表情豊かな落語を華やかに演じた。

続いて、春風亭一之輔登場。たっぷりと時間を費やしたマクラは、家族旅行に出かけた時のエピソード。出発寸前に、奥さんが「バルサンをたいていこう」と言い出したことから、一之輔に降りかかった災難を面白おかしく話した。

題目は、「今度生まれてくるときは女で生まれたい」という流れから古典落語「短命(たんめい)」を披露。美人の奥さんをもつとなぜ早死にするのか?という八っつあん(八五郎)の疑問にご隠居が答える人気噺を、一之輔流の現代口語を盛り込んだ落語で笑わせた。

仲入り後のもう一つの題目も古典落語の人気作「百川(ももかわ)」。「これは日本橋の懐石料理屋の百川で実際にあった話とされますが、しまいまで聞くと、こんな話は絶対にないだろうと思うはず」と言って笑わせてから噺はスタートした。

主人公、百川に奉公に来た田舎者の百兵衛の訛りを、吹き出してしまうほど特徴的なくせをつけて演じる。百兵衛の「うーしっ!」という返事は一之輔ならではの発声で、都度都度観客をくすぐるアクセントになっていた。

祭りの相談をする若い衆と百兵衞のすれ違うやり取りは、言ってみればアンジャッシュのコント的なつくり。早口でテンポ良く繰り広げられる落語で、会場中を笑いで包んだ。

TBSチャンネル2では、13日(土)以降、28日の「秋の毒炎会2018」放送まで、総計12の一之輔落語をまとめて放送。その名演を一気に楽しんでみてはいかがだろうか。(ザテレビジョン)