加藤雅也主演、中野英雄プロデュースで北方謙三の小説「抱影」が「影に抱かれて眠れ」のタイトルで実写映画化。2019年秋に公開される。

監督を務めるのは「相棒」シリーズのメイン監督を務めた和泉聖治。北方作品の真骨頂とも言える原作を、スタイリッシュかつ重厚感あふれる映像に仕上げている。

中野が初プロデュースを務める他、小沢和義が脚本を執筆。硬派な俳優二人が制作に参加している。

本作は、横浜の野毛で酒場を営む抽象画家・硲冬樹の平凡な毎日を揺るがす事件を描く物語。主演の加藤がこの画家役で男の哀愁と優しさを見事に演じきる。

冬樹が純愛を貫く女性には中村ゆり、冬樹を慕うバーテンダーにはEXILEの松本利夫、事件の発端を作る男にカトウシンスケ、横浜のヤクザを湘南乃風の若旦那が演じる他、ヒップホップアーティストのAK-69が俳優デビュー。

さらに、冬樹と関係を持つクラブのママに熊切あさ美、冬樹の才能にほれ込む画商に余貴美子、冬樹に刺青を教える彫師に火野正平といった顔ぶれが集結している。

■ 加藤雅也コメント

原作の「抱影」は、余計な説明のない漠然とした世界観が頭に入ってくる小説でした。

俳優としてせりふで演じるのではなく、作品の世界観を雰囲気で表現する演技とは?と考えを巡らせていた時だったので、ぜひ挑戦したいと思った作品でした。

北方さんからは“締念”と言う言葉をいただき、その言葉をもとに主人公(硲冬樹)を作っていきました。ハードボイルドというよりはノワールな作品。この作品の世界観と一人の男の生き様を楽しんでいただけたらうれしいです。

■ 和泉聖治監督コメント

2018年の真夏。

北方謙三原作「抱影」の撮影は始まりました。北方謙三さんは、ダンディーで私の尊敬する作家です。

プロデューサーの中野英雄氏と小澤和義氏とは、撮影に入る前も撮影に入ってからも毎日のように作品について熱く討論を重ねました。両氏は私の古くからの知人であり、映画仲間でもあります。

そんな“我らが仲間”たちと、うだるような連日の猛暑の中で撮り終えた暑い熱い映画「影に抱かれて眠れ」が完成しました。

今はさまざまな思いが去来します。この作品に携わった多くの人たちに感謝します。ありがとう…。

■ 北方謙三コメント

原作は、映画の素材の一つである。同時に、本質の部分で深くつながり合ってもいる。和泉聖治監督が、そこをどう扱うのか、私は注視していた。

映画人の創造力の中で、原作はまた、新しい命を持った。それは驚がくすべき出来事であり、映画の力と可能性を、私に改めて感じさせた。

加藤雅也の、自然体とも呼ぶべきたたずまいは、演技の本質とは何かを、私に考えさせた。てらいのない存在感が漂い出して、間違いなく新しい境地に立ったことを感じさせた。

影に抱かれた男の、激しさと悲しみ。人はなぜ生きるのかという命題にさえ、ある答えを出したと思う。

■ 中野英雄コメント

今回の映画は初プロデュース作品になります。北方謙三先生の作品を先生と同年代の和泉聖治監督に撮っていただきたく、交渉いたしました。若い頃に見ていた和泉聖治監督の作品のテイストを盛り込んでいただき、懐かしくもあり、また新鮮な映画になっていると思っております。

■ 物語

硲冬樹(加藤雅也)は、横浜でいくつかの酒場を経営する画家。毎晩のように自転車で店を巡回し、したたかに飲む。一方、画家としての才能は内外に名を知られる存在でもあった。

そんな冬樹の平凡な日常が狂い始める。

ある日、冬樹を兄貴と慕う岩井信治(カトウシンスケ)が傷を負って冬樹のもとに転がり込んできた。信治は冬樹の店を辞めた後、NPOの慈善団体“碧(みどり)の会”の一員となって、横浜の街の闇に飲み込まれた女の子たちを救い出す活動をしていた。

一人の未成年の女子を救うために窮地に追い込まれていた信治に冬樹は手を貸してしまう。そんな冬樹を守ろうとする店のバーテンダー・辻村(松本利夫)。

男たちの抗争に巻き込まれようとする中、冬樹は純愛を貫く人妻・永井響子(中村ゆり)の余命を知らされ、響子への愛を絵に描き写したいという思いが込み上げる。

仲間を守るため、愛を貫くため、冬樹が下した決断とは。冬樹の周辺の人間模様が複雑に交差する中、果たして冬樹の人生はどんな終着点を迎えるのか…。(ザテレビジョン)