ドラマ「週休4日でお願いします」 が3月29日(金)夜10:00からNHK総合で放送される。

同作は「創作テレビドラマ大賞」の大賞に選ばれた、石原理恵子の脚本をドラマ化したもの。働き方の見直しをテーマに、弁当チェーンの正社員・高橋直人(岡山天音)と、新人パート社員・青木華(飯豊まりえ)の恋を描くラブストーリーだ。業務の多忙さに悩みながらも辞められずにいる高橋は、“週休4日”希望の、こけし好きという少し変わった華にひかれていく。

主演の岡山は、連続テレビ小説「ひよっこ」(2017年、NHK総合)の漫画家・新田啓輔役などで知られ、近年はドラマに映画に引っ張りだこの若手俳優。まさに今忙しいさなかにある岡山に話を聞き、本作や仕事に対する思いを聞いてみた。

■ 撮影の後はロケ弁が輝いて見えました

――実際のお弁当屋さんを借りて撮影されたそうですが、業務を体験されてみて、いかがでしたか。

この人はエビフライ担当、この人は漬物担当、みたいに分業制で回すのですが、以前僕が日雇いのアルバイトで似たような流れ作業をやったとき、それが苦手で、挫折感を味わったことがあるんです。

なので最初は「苦手なやつ来た!」と思ったんですが、高橋くんも不器用で、さらに細かいことも雑にやらずに丁寧にやるという設定だったので、そこでつまずくことはなくて安心しました。

――体験してみるとお弁当の価値観も変わりそうです。

ロケ弁は本当にありがたみをもって食べたほうがいいな、って思いましたね。冷えてたりしていても、輝いて見えました。味も変わった気がします(笑)。

■ 飯豊まりえさんが僕のサインを考えてくれました(笑)

――撮影全体を通して、現場での印象深い出来事はありますか。

撮影とは関係ないのですが、お店でサインを書く機会があって、僕今年で芸歴9年目になるんですけど、サインがないんですよ。

ずっと「岡山天音」ってフルネームで書いていて。そうしたら、飯豊さんが僕のサインを考えてくれました(笑)。

飯豊さんのサインが格好よくて、「どうやって考えるんですか?」みたいな話から、飯豊さんが「なんとなく、こうやったらいいんじゃないですか」みたいに教えてくださって。

なんか恥ずかしいですね、サインって。恥ずかしくないですか?(笑)

――書く機会がありませんので(笑)。9年間、サインなかったんですね。

いつもサイン書く場面でツッコまれるんですよ。一度、「え、署名?」って言われたこともあります。

――サインの形は決まったんですか?

「岡山天音」って書いていたのを、「天音」にしようかなってところで保留にしています。(字を崩していないので)結局サインではないんですけど。

■ 高橋くんは「この仕事をしてなかった僕」かも知れない

――演じた高橋に共感するところはありましたか。

役者の仕事をしていると人と会う機会が多いので、いろいろな人からちょっとずつもらったもので今の僕の価値観や個性みたいなものが、形作られていると認識してるんですね。

でも、もしこの仕事をしていなくて、同じ会社に通い続けて、人との出会いも少ない中で生活していたら、僕もこういうスタイルで生きていたかもしれないな、とは思いました。

仕事があることは喜ばしいことで、働かなくてはいけなくて…という価値観に無意識に侵食されて生きていたかもしれません。

自分で選んだ仕事なので、今は楽しくやってますけど、そういう意味では高橋くんは「この仕事をしてなかった僕」かも知れないな、と感じました。

――ヒロイン役の飯豊まりえさんとの共演はいかがでしたか。

すごく明るくて面白い方で、飯豊さんみたいな方は新鮮でした。

初対面からあんなにしゃべったのは初めてでした。21歳の飯豊さんにすごくリードしてもらいました(笑)。

相手を探り探りとかじゃなくて、一気に心を開くというか、そういう向き合い方ってすてきだなって思いました。

――本作は華が愛するこけしがキーアイテムとなって、物語にたくさん絡んできます。岡山さんはこれまで、こけしに触れる機会ってありました?

高橋くんと同じでこれまで焦点を合わせたことのない対象ではあったんですけど、撮影で接してるうちにほしくなって、実際に2体買って、さらに劇中で使っていたのを2体頂き、今家にこけしが4体います(笑)。

1個1個手作りで、顔や模様も手書きなんですけど、そう考えるとリーズナブルな物だと思います。

豊かですよ、こけしがある生活っていうのは。

■ 仕事はようやくちょっと楽しめるようになってきた

――本作は働き方がテーマですが、同じ業界で働いている憧れの先輩はどんな方ですか。

このドラマで高橋くんのお父さん役を演じている遠藤憲一さんとか、この間まで共演させていただいた光石研さんですとか、あれだけキャリアを積まれても精力的にお仕事をされて、かつ楽しんでらっしゃるのはすごくすてきだなと思います。

新鮮な発見を続けて、お仕事を楽しまれてるんでしょうね。大先輩に恐れ多いですけど。

なのでお二人には、長く活躍を続ける中で、どういう感覚でお仕事されてるのか聞いたりしました。

――岡山さん自身も今や出演作が切れ目なく続いていますが、お忙しくされてるのではないでしょうか。

周りに人がいてくれて、話を聞いてもらったりするので、そこに助けられてるって思いはあります。

高橋くんは周りに寄り添ってくれる人がなかなかいなくて、本心を吐き出すこともうまくできないのがつらいですね。

――ご自身の歩みを振り返ってみて、環境はかなり変わりましたか?

最初は仕事が来るなんてことなかったですし、オーディションに行っては落ちまくって、たまに仕事が決まってもカメラの前だと手も足も出ない、みたいなことの繰り返しだったので、そう考えるとようやくちょっと楽しめるようになってきたかなと。

それまではできないことしかなくて、正直キツさが100%だったので。

この仕事をしていると、いろいろな世界の格好いい人たちに出会えるのがいいですね。

今回はこけし職人の方だったりお弁当屋さんの方だったり、知らない世界に触れられて、面白い仕事だなと思います。

――岡山さんは、人と話すこと以外にどんなことで癒やしを手に入れていますか。

実家にネコがいて、母親がたまに送ってくれるネコの写真を見たりしています。

写真が届くと、その時ばかりは普段絶対に使わない絵文字とか使っちゃうぐらい浮かれます。

あと、好きなことが多いので、古着だったり漫画だったり散歩だったり、好きなことで心を満たしています。洋服を作っている友達がいるのですが、その友達から専門的な話を聞いたりするのは楽しいですね。

■ このドラマが、立ち止まって自分の声を聞くきっかけになれば

――この春、たくさんの新社会人が働き始めますが、そういった人たちに向けて、コメントをお願いします。

日本だと“働いてなんぼ”みたいな、仕事があることがありがたいんだという、ものすごく大きな価値観が根付いていると思うんです。

劇中のせりふでもあるんですけど、それで突き進める人もいれば、知らず知らずのうちにたくさん傷ついちゃってる人もいると思うので、このドラマが、そういう固定観念みたいなものに縛られず、ふと立ち止まって自分の声を聞いてあげるきっかけになればいいなと思います。

高橋くんが華ちゃんに出会えたように、「働くことはすてきだと思うけど、それだけじゃなくてもいいんじゃない」っていう、余白を持てるきっかけになったり、選択肢が増えたりしたらうれしいです。

――ラブストーリー視点では、どんなところを見てほしいですか。

しがらみに縛られた高橋くんが、魅力的な華ちゃんに出会い、恋も仕事も、一歩踏み出すのかどうかというところに注目してもらいたいですね。

そして華ちゃんはとてもかわいいヒロインです。僕の日常にも現れてほしいです(笑)。(ザテレビジョン)