10月4日(金)より全国で公開される映画「ヒキタさん! ご懐妊ですよ!」の完成披露上映会がこのほど行われ、主演の松重豊のほか、北川景子、濱田岳、山中崇、伊東四朗、細川徹監督が登壇した。

本作は、作家・ヒキタクニオが自らの体験を基に書き上げたエッセイが原作。一般的に馴染みの薄い“男の妊活”を真正面から描きながらも、ユーモアあふれる語り口で展開されていく。

■ ふた回り年下の美人妻に、松重が“夫婦感”を心配?

本作が自身初の映画主演作となる松重は、「この年まで俳優をやっていると『初主演』という響きに気恥ずかしいものがあり…」と照れ笑いを浮かべる。

続けて、「役を演じているには脇役だろうが変わらないわけですが、しかも男の妊活やアラフィフといったテーマで、刑事ものなどはこれまでもやってきましたけど、本当に知らないことが多くて、勉強にもなる映画だと思う」と、斬新なテーマの本作に対する思いを明かした。

松重と北川は、過去に親子や上司と部下といった役どころで何度か共演してきたが、今回は初の夫婦役。かなりの年の差夫婦だとなるが、北川は「(年の差を)松重さんは気にされていると聞きましたけど、自分は全然気になっていなくて」と笑顔。

一方の松重は、「Wikipediaで調べたらふた回り違うんですよ! 愕然としました。『全然夫婦に見えないじゃないか』と言われたらどうしよう…と」と、当時の不安を吐露。すると、細川監督からは「衣装合わせや撮影初日にも『(夫婦に)見える? 見える?』と心配されてましたよね。」と暴露されていた。

そんな不安げな松重とは対照的に、北川は「打ち合わせとかはせず、初日から夫婦の空気感が作れたと思います」と語り、細川監督も「カットをかけないでいると自然にアドリブが続いてくんですよね。その時にこの二人は夫婦に見えるって確信したのを覚えてます」と、二人の生み出す夫婦役への太鼓判を押した。

■ 松重&濱田の「身長差コンビ」が仕上がったやり取りを披露!

ヒキタ(松重)の担当編集者役を演じた濱田は、「こんなに松重さんと近い距離感で台詞のキャッチボールが出来たのは初めて。サウナのシーンも松重さんと一緒に調べたり、楽しい時間でした」と、撮影を振り返っての感想を。

すると松重は、「いつもは僕が上司役で怒鳴ったりする役なので…あれ? 岳どこいった?」と見失った素振りを見せ、すかさず濱田も「いるよ!!」と身長差を生かした見事な掛け合いを展開し、会場の笑いを誘った。

ヒキタ夫妻の担当医を演じた山中は、「ハートフルなお話の裏で、“妊活や不妊治療の現実”もしっかりとリアルに描かれています」とアピール。

そして、サチの厳格な父親を演じた伊東は、「劇中の中でもいろいろキツい言葉を投げていたけど、いまだに彼(松重)にはいい感情を持ってません! 憎らしい男だねぇ」とまさかの一喝。

最愛の娘を嫁に出した男親の複雑な感情を、舞台上でも再現してみせた伊東の愛ある“婿いびり”に、松重も「先輩、いじめないでくださいよ〜(笑)」とタジタジだった。

■ 和気あいあいだった現場を襲った“サチロス”とは!?

年の差がありながらも二人三脚で歩んでいくヒキタ夫婦の姿は、現代の夫婦の理想と言えるもの。北川は「10個以上も年下のサチがしっかりして、夫を支えているように見えるんですけど、笑ってドーンとして構えているのが頼れる夫の姿だと思いましたね。

暗い雰囲気を作らずニュートラル。ずーっと変わらないところが男性としても夫としても素敵だと思います。現場での松重さんもニュートラルで、ヒキタさんの共通点かなと思いますね」と、ヒキタ夫妻のあり方を分析。

それを受けた松重は、「僕の中にも年下の女性に怒られたいっていう願望があったんだなと(笑)。撮影現場でも北川さんがいらっしゃるときはとても雰囲気が良くて。

彼女が一日早くクランクアップしたんですが、その翌日は朝から一気に怒号が飛ぶ現場になって…。我々はそれを“サチロス”と呼んでました(笑)」と、思わぬエピソードを明かした。

■ 先輩たちのアドバイスに「夫婦生活を細く長くで続けていけたら」(北川景子)

結婚生活で長年妻と連れ添っている松重と伊東に、司会者から「良い夫婦でいるためのルール」という質問が飛ぶと、松重は「言葉のキャッチボール、くだらない会話でいいんです。会話をする、キャッチボールを続けている関係かどうかではないでしょうか」と、夫婦円満の秘訣を告白。

伊東は「当たり前だと思わないこと。ご飯をつくってくれるのも、掃除や洗濯をしてくれるのも、妻がそこにいてくれるのも当たり前のことではない。もとは赤の他人だったという、すごい“縁”という接着剤があったんです。それを忘れないこと」としみじみ語った。

二人の答えを受けた北川は、「この映画の中でも、松重さんも伊東さんも、それぞれの夫婦の空気感があるんだと思います。私はまだ(結婚して)3年半と少しくらいなんですけど、まだ探り合っているところがあるかと思うので、これからも細く長くで続けていけたらいいなと思いました」とコメントした。

■ 「見た人がどう思ってどう感じているかがすごく面白い映画」(松重豊)

最後に、松重は「子供を作ろうと思った人は世の中にはいっぱいいると思いますし、でも不妊治療まで踏み込んだ人は少ないかもしれません。この映画をやって、『実は僕も、私も』という声をすごく聞きました。

みんなに悩みを打ち明けることもなく閉ざしている人もいるかもしれませんけど、身近な問題だなとこの映画をやってわかりました。

この映画は“不妊”がテーマだといっても難しいものでもないし、見た人がどう思ってどう感じているかがすごく面白い映画です」と語り、温かい空気の中イベントは幕を閉じた。

■ 映画「ヒキタさん! ご懐妊ですよ!」あらすじ

49歳の作家・ヒキタクニオ(松重豊)は、ひと回り以上年の離れた妻・サチ(北川景子)と結婚。子供は作らずにやっていこうと思っていたヒキタとサチは、二人だけで仲良く楽しい毎日を過ごしていた。

そんなある日、サチから飛び出した「ヒキタさんの子供に会いたい」という一言がきっかけで、ヒキタの生活は一変することに。医師から「精子の8割は動いていない」という衝撃の宣告を受けたヒキタは、“男の妊活”をスタートするが…。(ザテレビジョン)