『アラジン』『ライオン・キング』『マレフィセント2』をはじめ、2019年はディズニー映画の新作ラッシュが続いている。11月22日には『アナと雪の女王2』が公開されるなど、まだまだディズニー作品が世を彩る年となりそうだ。そこで今回、芸能界きってのディズニーのファンであり、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』(日本語吹替版)でヒロイン・ラプンツェルを演じた中川翔子に思い出の作品と、思い入れのあるディズニー・ソングをインタビュー。知られざるエピソードと共に、ディズニー・ソングの魅力に迫った。

■ 思い出と共にキラメキが増すディズニー・ソングたち

ディズニーの作品って、ぶれずに「夢は叶うよ」って教えてくれるんですよね。きれいごとじゃなくて「夢を見つけたら、その夢を語ったり、書いたり、歌ったりと、行動していたら必ず叶う」とずっと言い続けてくれている。その言葉は生きる希望になるし、生きていくうえで一番大事なことなんじゃないかと。大人になってからは楽しむ熱量は同じでも、違った角度で考えさせられるようになりました。

それと同時に、ディズニー・ソングは季節やタイミングを問わず、スタンダードとして常に寄り添ってくれる存在。小さなころは映画のほかにも『シリー・シンフォニー』などのモノクロ作品もよく見ていたんですが、改めて聴くと音楽と当時の情景や匂いまでもがリンクして、思い出が蘇るんです。

懐かしい場所へタイムスリップさせてくれるというか、その曲との思い出が重なって輝きが増していき、さらに濃くなる感じ。大好きな作品はたくさんあるけれど、今日は私が特に愛する作品と曲を紹介します。

■ ●いつか夢で/ディズニー映画『眠れる森の美女』 聴くと美容効果がありそうな、かわいらしい曲!

上品な雰囲気と、声も好きな一曲。聴いていると美人になれそうな気がする (笑)。作中では、ドレスの色が魔法でくるくる変わる場面がお気に入り。あと、ケーキを作っているシーンがとってもおいしそうで、小さなころは繰り返しビデオを見ていました。

主人公のオーロラ姫は、ディズニープリンセスのなかでも思い入れのあるキャラクター。よく母からも「オーロラ姫が一番、美人なのよ」と言われていたのもあり、ラプンツェルに出会うまでは私の中での絶対的1位でした。ラプンツェルは吹替版で演じてから、オーロラ姫とはまた違う、特別なプリンセスになりましたね。

ディズニープリンセス全体で言うと、みんな順風満帆じゃないものの「待っているだけじゃなくて、自分でつかみ取りにいく!」という心の持ちようがかっこいいな〜と。ラプンツェルもそうだし、ディズニー映画『アナと雪の女王』のエルサや『モアナと伝説の海』のモアナもそう。とんでもない目にあっているからこそ、とんでもなく楽しんでやるぞ、という諦めない心&夢を持つ強い気持ちに背中を押されます。

■ ●想いを伝えて/映画『魔法にかけられて』 ストレートな歌詞にも惹かれる

この曲を聴くようになったのは『フレンズ・オブ・ディズニー』というコンサートで歌ったことがきっかけ。トップバッターだったので「めちゃくちゃ緊張するけど覚えなきゃ!」という出合いから始まり、なんていい曲なんだろう、という気持ちに変化していった曲。歌うのも気持ちよかったし、それから4年ほど経つけれど、いまでも家でお料理なんかしながら歌い続けています。

「好きな人にはちゃんと、想いを言わないと伝わらないわよ!」みたいな、すごくストレートな歌詞も好き。「一緒にダンスに行くのはいかが?」「愛の歌を歌うのもいいわ、想いを伝えて、少しずつでも、そうすれば届くの」って、ひたすらグイグイ言ってくれる。そんなところもかわいいなと、キュンとします。

作品は実写とアニメーションが融合していて、ディズニーの歴史を踏まえた上品かつクラシックな雰囲気がありますね。長く深い歴史があるディズニーだからこそ、できることなのかなと感じました。

■ 中川翔子のテンションを上げる定番“口ずさみソング”とは?

「日常生活のさまざまな場面において、ディズニー・ソングは欠かせない」という中川。口ずさむことも多いそうだが、定番のレパートリーがあるのだとか。

家にいる時は特に、無音で過ごすのが無理なんですよ。だから何かしら歌を口ずさむんですが、ディズニー・ソングがほとんど。先ほどの「想いを伝えて」や『リトル・マーメイド』の「パート・オブ・ユア・ワールド」が多いですね。曲がアリエルのセリフ口調になっているから、ミュージカル風な感じで。

母の友人にカラオケでミュージカル調に歌う方がいるから、その人の影響かも(笑)。なりきって歌うと気分も上がるし、面白いんですよ。「パート・オブ・ユア・ワールド」なら、「ねえ、これ欲しい、20個もあるの」というところとか!

あとは「エレクトリカルパレード・ドリームライツ」や「ディズニー・ファンティリュージョン!」の音楽もよく聴きますね。最近やっと免許を取ったので、ドライブの際にもディズニー・メドレーをかけていて。なかなかテンションが上がりますよ!

■ ●リメンバー・ミー/映画『リメンバー・ミー』 「生きなきゃ」と考えさせられる作品

ここ数年で上映された作品のなかでも、印象的だったのがこちら。舞台がメキシコなので、メキシカンな明るい楽曲も楽しいんですが、この歌はすごく響きました。映画館でも見たけれど、自宅でも何度も見ています。

主人公の少年が「死者の国」を訪れて、亡くなった方と向き合うというテーマも素晴らしかった。生者の国で写真を飾ってもらえている人だけが、1年に1回だけ生者のもとへ戻れるという設定にも、ハッとさせられるというか。

心の中では想っていても、ちゃんと写真が飾られていない人は忘れられていく。つまり、「覚えてくれている人が全員死んでしまったら、人は本当の意味で死を迎える」という。確かにそうだなと思い、私もちゃんと父の写真も飾るようにしましたね。

なかでも好きなシーンは、死者の国の場面! みんなそれぞれに歌ったり踊ったり、めちゃくちゃ明るくて、暗さがない。「死者の国、ちゃんと楽しそうでよかったな」ってほっとしました。そうであってほしいし、鮮やかな色が重なる映像にも引き込まれますよ。

■ ●輝く未来、自由への扉/映画『塔の上のラプンツェル』 歌うのもすごく楽しい2曲!

主人公・ラプンツェルの声を担当した、私のなかでも特別な作品です。日本での公開が震災と重なったため、当時、舞台挨拶が延期になりました。震災後10日目ぐらいだったかな? だんだん映画館が開き始めたころに「お客さんはどんな反応をしているかな」と、勇気を出して劇場へ行ったんです。そしたらみなさん、声を出して笑ったり、泣いたりしていて。「映画って、ディズニーって、人の心に光を灯すことができるんだ」と、じんとしたのを覚えています。

「輝く未来」をコンサートで歌わせていただいた際に、何も言っていないのにお客さんがオレンジのペンライトを灯してくれたのも思い出深いです。まさに作中のランタンが飛ぶシーンのようで、あの景色は一生忘れられません。

そして「自由への扉」は、好きなことをどんどん行動に移し、夢を絶対叶えたい!と歌っているラプンツェルらしい楽曲。ラプンツェルが掃除や編み物などをしながら歌う曲なので、実生活でも歌いながらお掃除をするとはかどります。「本気で掃除をしたあと、モップをかけて床を磨く」という歌詞に押されながら、本気でフローリングワイパーをかけたり(笑)。男女のデュエットボーカルだけど、頑張ればカラオケで1人でも歌えちゃいますよ。

■ どうにもならないときこそ、ラプンツェルのことを思い出す

ラプンツェルはすごく好奇心旺盛で、絵を描いたり、お菓子作り、ギターと、すごく多趣味。いろんなことを全力で楽しむぞ! という気持ちに満ちあふれている女の子です。でもそれは、18年間も塔の中に閉じ込められていたからで。

友達のカメレオン・パスカルとお母さんにしか会わないのに、髪の毛はつやつや&さらさら、美容にも気を使っていて、もう見習うポイントしかない……。なのでラプンツェルの姿を想像すると、生活の質が上がりますね。休日に引きこもっているとき「ラプンツェルだったらいろんなことをやっているはず」と想像すると、ダラダラせず、ゲームもしながら料理して、歌って、絵を描いて、ああ、やっぱり外に出掛けよう! ってマインドになります。

人生は時に理不尽なこともあるけれど、ラプンツェルはその中で最大限に楽しもうとする。普通18年間も塔の中にいたら、外の世界が怖かったり、コミュ障になりそうじゃないですか。彼女自身も情緒不安定だったりへこむこともあるけれど、今の瞬間を全力で楽しむ姿に、周りも惹かれて導かれていくんですね。

だからどうにもならないときこそ、この曲を聴いてほしい。「こんな逆境のとき、ラプンツェルだったらどうするだろう?」と、ひと息つけるんじゃないかな。

■ ●髪に風うけて/『ラプンツェル あたらしい冒険』、TVシリーズ『ラプンツェル・ザ・シリーズ』 ラプンツェルっぽい大好きな曲!

ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の後日談として製作されたテレビシリーズ作品で、ラプンツェルの声と共に歌も担当しました。ラプンツェルがコロナ王国に戻ったあとの生活を描いており、彼女がプリンセスの仕事と格闘しながら、成長していく様子が見られます。

楽曲制作は『塔の上のラプンツェル』をはじめ、ディズニー映画『リトル・マーメイド』や『ノートルダムの鐘』などでも知られるアラン・メンケンさん! このシリーズにもたくさんの楽曲を書き下ろしてくださっていますが、ラプンツェルのためにテンション上がって書いているんだなと分かる音符たちに心が躍ります。特にこの曲は、すごくラプンツェルっぽい! サビは空を飛んでいるような爽快感があって、聴いていても歌っていても気持ちいい歌です。

2番に「知りたいこといっぱい、失敗もしたいし、未来はそう、自分が進むだけ、続くのね」という歌詞があるんですが、「失敗もしたいし」と言っているところが、かっこいい。人ってつい「嫌なことなんてなければいいのに」と逃げがちだけど、ラプンツェルは「失敗するから成長できる」と分かっているし、それすらも楽しむつもりでいる気構えが私とは違うな、と(笑)。「失敗もしたいし」って言えちゃう器になりたい!

ストーリー全体では、回を重ねるごとにいろんな学びがあります。仲の悪いおじさんと仲直りしないまま終わるといった、昔ながらのシュールなディズニーの復活という感じもして。大人になると何事も無難に納めがちだけど、「合わない人とは合わない、みんなと仲良くならなくてもいい、それも含めて楽しむんだ」という考え方なんかに、毎回衝撃を受けますね。

やっとできた友達のカサンドラとはキャラが真逆で、ラプンツェルはふざけてグイグイいくけれども、いつも「はいはい」って流すんですよ。キャラが全然違うのに相通じることはリアルでもあるからこそ、共感することも多いですね。2人のやり取りも、この作品ならではのおもしろさ!

これからもストーリーは続きますし、ユージーン&カサンドラと3人で歌う曲など、まだまだ新しい楽曲も生まれています。なかでも『髪に風うけて』は本当に大好きな曲だから、みなさんにもぜひ聴いてほしい。キーがすごく高いので、長く歌えるように鍛えなきゃなぁ……! お話の展開と共に、楽曲たちも楽しんでくださいね。

■ ディズニー好きの原点は、海外パークでの原体験

ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の日本での公開からは8年経ちましたが、たびたびイベントに、公開当時は生まれていなかった子供たちが遊びに来てくれるんですよ。お手紙をくれたり、ラプンツェルのドレスを着て「ラプンツェルになりたい!」と言ってくれたり。

私がディズニー好きになった原点も子供のころの経験だったので、自分が携わった作品が架け橋となることが、とても嬉しいんです。

私の原体験は、父が亡くなった際に母と行ったフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでの時間でした。すごく落ち込むはずなのに「こんなときこそディズニーだ!」と、貯金をはたいて連れて行ってくれて。「母はすごいな」と改めて思いましたね。

それからはいっそう、映画はもちろんテレビアニメ作品も含めてディズニーの世界ににどっぷり浸かるようになりました。私にとって、ディズニー作品は義務教育であり、永遠に変わらない希望の柱です!

はじめにも話しましたが、本当にディズニー作品は古くならないというか、みんなの思い出が重なりながらキラキラと輝きが増すんだなと。年を重ねるにつれ実感しています。私もよりいろんな思い出を重ねられるよう、できるだけ健康かつ真面目に生きていきたいと思います。今回紹介した曲たちが、みなさんにとってもマイベストソングになったくれたら嬉しいですね。(ザテレビジョン)