モーニング娘。OG・田中れいなが出演する舞台「信長の野望・大志 -零- 桶狭間前夜 〜兄弟相克編〜」が11月23日、名古屋公演をもって全日程を終了。またこれを受けて、シリーズ第5弾となる最終章が、2020年6月4日(木)より東京・北千住のシアター1010にて上演されることが発表された。

田中は第1作から、織田信長の妹・お市を演じている。過去編となる今作では、幼少期の愛らしいお市を好演。終演後のインタビューでは、公演の振り返りと共に、2020年2月28日(金)、29日(土)に行うソロライブ「れーな100%!vol.6」に向けてのメッセージも寄せてくれた。

■ 一服の清涼剤となった幼少期“お市ちゃん”

戦国の姫として、これまでは凛(りん)とした立ち居振る舞いを見せてきた田中だが、今回は過去と現在を行き来するドラマの中、幼少期と大人の2役をこなすことに。9歳頃の子供なお市を、声の芝居、表情、しぐさでも愛くるしく演じ、大人のお市とは対照的で無邪気な姿を披露。重いドラマの中で一服の清涼剤となり、公演中は「幼少期のお市がかわいすぎる」と反響を呼んだ。

ロケーションでシーンを作っていく映像作品とは異なり、舞台では役者の芝居が情景を浮かび上がらせる。織田信長役の鶏冠井孝介、織田信行役の沖野晃司ら実力派俳優の熱演はもちろん、舞台出演を重ねる田中もしっかり肩を並べ、役者としてのポテンシャルは確かなものだった。

東京公演の千秋楽カーテンコールでは、「10代を演じることは今までも多くあったけど、ここまでの幼少を演じるのは初めてでした。でも、演じていくうちにどんどん楽しくなってきて、信行兄(にい)の沖野さんには本当の兄妹のように『よしよし』ってしてもらったり。すごく楽しく演じることができました」と、笑顔であいさつした。

■ ドラマを盛り上げる田中れいなの劇中歌

歌で劇を引き立てるのは田中れいなならではの役目であり、オープニング、エンディングでは弾むように主題歌を。物語中ではお市として劇中歌をしっとり染み渡るように。今回は前作の楽曲に加え、新曲「桶狭間」を披露。切なさを募らせる壮大なバラードで舞台上を包み込んだ。

終幕後のスペシャルイベントでは、劇中ではショートバージョンだった「桶狭間」をフルバージョンで披露。にぎやかなトークショーの余韻が残る中、最初のワンフレーズで会場を引き込む力は見事だった。

今年(2019年)は、2.5次元ミュージカルの「ふしぎ遊戯 -蒼の章-」「悪ノ娘」、ファミリーミュージカルの「赤毛のアン」で主演を務め、曲想の異なるさまざまな楽曲を歌いこなしてきた。役者での活躍は確かだが、やはり田中の武器はその歌唱力。今後も“歌手・田中れいな”として舞台、ミュージカルに立ち続けてほしいところだ。

■ TEAM SHACHIも負けじと好演。坂本遥奈はダイナミックな殺陣を披露

今作にはアイドルグループ・TEAM SHACHI(シャチ)の秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈も出演。織田信長の正室・帰蝶(大黒)、側室・吉乃(秋本)、織田信行の正室・弥(咲良)、真田幸村の片腕となる忍びの者・霞(坂本)という、それぞれが重要な役に就いた。

時代劇初挑戦。スポットも多い要の役。公演前は「プレッシャー半端ない」と語っていた4人だが、いざ幕が上がれば個々の持ち味を生かした芝居でしっかりと役を表現。物語の華となり、涙となる。特に運動神経抜群の坂本は、ダイナミックなアクションを織り交ぜた剣さばきを披露。舞台上、幾人もが入り乱れる中、見事な殺陣を繰り広げた。

■ シリーズ第5弾・最終章は天下分け目の決戦、関ケ原へ

舞台「信長の野望・大志」シリーズは、同名の人気歴史ゲームと完全連動で送る、オリジナル戦国ドラマ。表と裏の出来事をパズルのようにはめる、視点違いの2パターン公演を続けている。今作では前作「本能寺の変」以後から振り返る形で、織田家を割った織田信長と弟・信行の対立が、SIDE信長、SIDE信行のダブルストーリーで描かれた。

“現代の記憶”を持つ武将たちが、時に史実をなぞり、時に史実に逆らいながら天下統一を目指すさまは、あたかも戦国大名として降り立ったプレイヤーたちが、群雄割拠の戦国時代を生き抜く物語のようでもある。

信行の謀反から始まった「稲生の戦い」から「桶狭間の戦い」へ。そして、次作で時は再び現在へと戻る。史実に反し、「本能寺の変」を切り抜けた信長。同じく生き延びていた信行は、真田幸村、松永久秀と手を組み、徳川家康は史実より早く天下統一の道へ踏み出している。

本来の道筋から大きく変わる中、最終章ではどのような結末が待つのか。2020年6月4日(木)〜9日(火)、東京・北千住のシアター1010にて上演予定となる。

■ 「信長の野望・大志」への愛情はすごく強いものになっている

――まず、第4作の公演を終えての感想からお願いします。

田中れいな:回数を重ねていることもあって、私の中で、この舞台への愛情がすごく強いものになっているんです。この幸せなひととき、みんなが楽しく笑い合っているのを写真や動画に収めておきたくて、稽古中や休憩中にイタズラして遊んでたんですよ。ビリビリするオモチャを「あげる!」ってしたりして(笑)。

私、写真は好きなんですけど、今まではブログやSNS用ばかりで、そういう思い出目的で撮ることってあまりなかったんですよね。別にいいかって。でも、「信長」はそういうことは関係なく、“残しておきたい”という気持ちが一番で、それぐらいこの作品が好きなんだなって感じています。…ちょっと公演の感想からズレちゃいました(笑)。

――幼少期のお市が「かわいい」と評判でした。田中さんの耳には届いていましたか?

田中:ファンの方がブログとかにコメントしてくれるので、それで届いてはいました。共演者の方からも「めっちゃなじんでるよね」って言ってもらえてうれしかったですね。私、今回なぜか年下によくいじられてたんですよ。「もう30歳なのに違和感ないですもんね!」みたいな感じで言ってきて。その「30歳なのに」っていらんやろって思うんですけど(笑)。

でも、そうやって違和感なく幼少期の市を演じられたのは良かったし、しゃべり方もしぐさも変えて、同じ市なのに2役を演じている気持ちになって、お芝居もすごく楽しかったです。

――このあとDVDも発売されます。公演に来られなかった方も見ることになるでしょうし、また、もう一度見る方もいると思います。改めて、こういうところを見てほしいというポイントを教えてください。

田中:これまでの3作は、信長のお兄ちゃんに寄り添う感じでしたけど、今回、幼少期の市は信長兄(にい)のことがあまり好きではないから、「はぁ!?」みたいな顔とか、ちょっと反抗的な顔を出しているんですよね。

今までの市はスンとして、あまり表情でのお芝居をしていなかったので、その分、今回はいろいろな表情を出しています。映像では、そんな幼少期の市の表情を楽しんでもらえたらと思います。

■ 2020年2月にソロライブ。新曲は?

――次回、「信長の野望・大志」第5弾は、ついにシリーズ最終章となります。

田中れいな:どんな物語になるのかはもちろん楽しみなんですけど、私はそれ以上に、またみんなと会えることがすごくうれしいんです。今、家族みたいな仲間たちと離れるのがすごく寂しくて、“最終章”という、それだけが嫌です。でも皆さん楽しみにしてくれていると思うので、頑張ります!

――そして今後は、12月6日(金)にバースデーイベント、来年2月28日(金)、29日(土)にはソロライブを控えています。それぞれ、どんなライブにしたいですか?

田中:1カ月遅れのバースデーイベントですけど、改めてファンの皆さんにお祝いしてもらえることがとてもうれしいです。30歳という節目のイベントなので、曲のセレクトも30歳だからこその歌にしようかなって。何を歌うか楽しみにしていてください。

2月のライブはこれから考えるところですが、私はやっぱりライブが大好きだし、自分でも楽しみたいし、皆さんにもいっぱい楽しんでもらいたい。2020年はこれが「明けましておめでとう!」のライブになると思うので、「新しい1年、楽しく迎えようね」っていうライブにできたらいいなと思います!

――新曲は期待していてもいいですか?

田中:ずっと「信長」に集中していたので、まだ新曲まで考えが回っていなんですけど、私的にはもちろん作りたいと思っています。皆さんの声があれば作れるかもしれないです!(笑)(ザテレビジョン・文・撮影:鈴木康道)