1月11日(土)に放送される「山本周五郎ドラマ さぶ」(夜9:00-10:59、NHK BSプレミアム)初共演した杉野遥亮と森永悠希。杉野が演じるのは表具屋で働く男前で将来有望な職人の栄二、森永は栄二の幼なじみで共に働くぐずでお人よしなさぶを演じる。

ヘマばかりするさぶを栄二は励まし続けてきたが、ある日、その栄二が盗みの疑いをかけられて、人足寄場(=罪人を更正するための施設)に送られてしまう。何者かにはめられた栄二は心を閉ざすが、さぶはそんな栄二に何度断れられても面会に向かう。

現代にも通ずる友情物語を演じた、杉野と森永に役柄について、撮影の裏側について聞いた。

――お二人は今回が初共演ですが、共演した印象はいかがですか?

杉野「実は森永くんとは共通の友人がいて、変わっている人だと聞いていたんですけど、実際に会って、なぜそう言われているのかが分かりました(笑)。好きな歌手とか、カラオケで歌う曲とか…。何歌うんだっけ?」

森永「中森明菜さんの曲」

杉野「そうそう。自分とはちょっと違う感性を持っている方で、すごい新鮮だなと思いました(笑)」

森永「(笑)。僕も共通の共演者から聞いていて、杉野さんはもう少しクールな方かな?と思っていたら、おしゃべりが大好きな方でした。おかげで一緒にいる日数はそんなに多くなかったんですけど、楽しく共演させていただけました」

杉野「でも、僕、森永くんとおすえ役の白本(彩奈)さんがバナナジュースのネタで盛り上がっているときについていけなくて…」

森永「タピオカの次に流行るって言われているやつだよ?」

杉野「…そんな若い現場でした(笑)」

――今回演じられた栄二とさぶ、それぞれの魅力と演じる上で意識したことをお教えください。

杉野「演じている途中で感じたのですが、栄二はすごく真っ白だなと思いました。自分の気持ちをちゃんと出せる人なんです。人間味がすごくあって、実際、こういう友達ほしいなと思える人です。でも、その魅力を表現するのは難しかったです。栄二の男らしさをどう表現すればよいのかが最初はしっくりきてなくて、セリフの語尾を変えてもらったり、細かいところを考えながら、栄二という役を突き詰めていきました」

森永「僕は、女性のキャラクターもいろいろ出ているんですけど、さぶが一番ヒロインっぽいと言われたことがあって(笑)」

杉野「それ、僕が言ったんじゃなかったっけ?」

森永「そうそう(笑)。ほかの人にも言われたけど、杉野さんが一番言ってた(笑)」

杉野「さぶと二人でいる時に奇襲をかけられるシーンがあるんですけど、そのときに思ったんだよね(笑)」

森永「そう言われて、僕の中で考えが固まったというか。さぶの行動基準の真ん中には必ず栄ちゃん(栄二)がいて、大きな存在であるので、それ以降、女房役に徹していこうと思いました」

杉野「女房感出てました!」

森永「ありがとうございます(笑)」

■ 意外と球が返ってこないことが…(笑)

――さぶは栄二の女房役ということですが、では、栄二にとってのさぶは?

杉野「一言で言い表すのは難しいですが、一番近いのは弟なのではないかなと思います。それが、栄二が捕まって立場が変化したことで、戸惑うんです。弟の方が、自分が思うより大人だったから。多分、序盤の栄二はさぶの本質が見えていなくて、ぐすでのろまという表面的なところしか見えてなかったんじゃないかなと思います」

――お二人は栄二とさぶのように仲良くなれました?

杉野「僕は結構話し掛けてたんですけど、意外と球が返ってこないことが多いんですよ(笑)」

森永「いやいやいや(笑)。この間も言われたんですけど、僕が気付いていないところでそういう対応をしていたみたいで。僕は自分が興味のない話題だと返事がおざなりになるらしくて(笑)」

杉野「投げても投げても返ってこない(笑)」

森永「この間指摘されて、初めて気付きました(笑)。でも本当に気付いてなくて・・・ゴメンナサイ」

杉野「さぶと栄二の関係性の中で、僕は二人の関係を大事にしたいなと思って」

森永「ただ、いかんせん、一緒に居られる日数がね…」

杉野「日数がね…」

森永「杉野さんと同じぐらい現場にいられたら、もっと違ったと思いますよ!って、仲が悪いわけじゃないですからね!」

――ちなみに、今作で栄二は、自分をはめた相手に復讐を誓いますが、お二人は怒りの感情が湧いた時はどうしますか?

杉野「怒りの対象にもよると思いますけど、栄二のように復讐心を燃やすことはないですね。なるべく怒りの感情を遠くに持っていくようにします。実の弟のようにぶつかれる相手もいますけど、それは弟だからで、同じように言える関係性の相手以外には言わないです」

森永「僕は居住まいとしては変わらないらしいです。でも、どうやら黒いものが出るらしくて、周囲の方が気遣ってくれます(笑)。発散はしないけど、何かあった時の引き合いに出せるように根に持っておくタイプ(笑)」

杉野「怖い怖い(笑)」

■ この時代にすごく興味を持ちました

――杉野さんにとって二度目の時代劇でしたが、時代モノを演じる面白さはそれぞれどんなところに感じますか?

杉野「人足寄場の元締役同心を演じる佐戸井けん太さんは、何度も時代劇を経験されているので、この時代の背景ではどんなことが起こっていたのかをお話ししてくださって、とてもワクワクして聞いていました。今じゃ考えられないような立場の関係などが日常の中にあふれていたんだなと思ったら、この時代にすごく興味を持ちました」

森永「美術スタッフさんには長年お仕事をされている方が多くて、昔の役者さんのお話しを伺うことも面白いです。今はそういった職人さんたちが草履の履き方なども教えてくれるのですが、昔は逆に役者さんが教えてくれたんだよねとかって聞いたりすると、もっともっと勉強しないとなって思います」

杉野「あと、純粋に表具の仕事を経験できたことは貴重だと思いましたし、時代劇の街が作られているワープステーション江戸の中で、栄二という人間として息をできたことも貴重なものだったなと思います。僕は185cmなので、(セットが)小さい!って」

森永「どっちかっていうと、僕ぐらいがあの時代の平均身長だったからね(笑)」

杉野「ドラマを見ながら、そういう部分を想像するのも面白いと思いますよ」

――最後に、今作の魅力を教えてください。

杉野「時代劇特有の人間の関係性が描かれていますが、今の人間にも通ずるもので、そこが現代の人々にも響けば…と制作陣の方が仰っていたのですが、僕自身もそう感じました。今はスマホ一つでいろいろできてしまうけれど、もっと深いところでつながっている栄二とさぶの根っこにある本質が伝わればいいなと思っています」

森永「現代のアツい友情モノとは違って、もっとひたむきな友情が描かれているすてきな作品です。ぜひご覧ください」(ザテレビジョン・取材・文=及川静)