「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)シリーズや「あなたの番です」(2019年日本テレビ系)など、出演作が社会現象を巻き起こしている実力派俳優・田中圭と、注目の若手女優の岡崎紗絵が、今泉力哉監督最新作「mellow」(1月17日・金公開)で共演を果たす。

街で一番オシャレな花屋と廃業寸前のラーメン屋を舞台に、不器用な人々の片思いを描く、みずみずしい恋愛群像劇。花屋の店主・夏目役の田中は「紗絵ちゃんの内面にある強さが、役に映し出されていた」、ラーメン屋を営む木帆役の岡崎も「田中さんがいらっしゃると、現場が明るくなるんです」と語るなど、息ぴったりに共演の感想を教えてくれた。

■ 柔らかさや温かさがあふれている

――本作は今泉力哉監督のオリジナルストーリーです。脚本を読んだ感想を教えてください。

田中「これまで僕があまり関わってこなかった雰囲気の作品だなと思いました。誰もが経験したことがあるような話だけれど、ともすれば見過ごしてしまうような小さな気持ちが描かれていて。本当に“メロウ”だなって思いました(笑)。完成作を見てすごく面白いと思えたし、ハマる人もいっぱいいるだろうなと感じます。僕自身、ここ最近はエンタメ色の強い作品が多かったので、今の自分がこういったお話と関われることがすごくうれしかったです」

岡崎「田中さん演じるお花屋さんの夏目がいて、学生たち、夫婦、そして私が演じるラーメン屋さんの木帆がいて。それぞれに叶わぬ恋や葛藤している思いがあって、脚本を読んでいてとても面白かったです。夏目さんはモテモテ(笑)。でもそれも納得なくらい優しい方で、夏目さんを中心に柔らかさや温かさがあふれているお話だと思いました。脚本を読んだだけでは分からなかったんですが、完成作を見ると一層、それぞれの恋愛模様にクスッと笑える部分も感じられて、すごく楽しかったです」

田中「夏目に関して僕は、“モテモテ”というより、“ちょっとモテる”という感覚で『どうしても一緒になりたい!』といった情熱や狂気のようなものを帯びるほどの“好き”ではなくて、『何だかひかれる』みたいな。その“何だか”を描いているのが、本作の魅力かもしれません」

■ 田中さんがいらっしゃると現場が明るくなる

――ひかれ合っていく2人として共演を果たしました。優しくて、温かなオーラを持つ夏目、父親から譲り受けたラーメン屋を一人で切り盛りする木帆。お互い、役柄にピッタリだなと感じることはありましたか?

田中「紗絵ちゃんはめちゃくちゃ華奢だけれど、内側にすごく力強いものを持っていて。お芝居も上手だし、木帆が力強い女性として見えるのは、紗絵ちゃんご本人が持っているものも影響していると思うんです。撮影終わりにみんなで一緒にお肉を食べに行った日があって、『ニンニクのタレをつけるか、どうするか』という話になったときに、紗絵ちゃんが『ニンニク行っちゃいますか!』と気持ちよく言ってくれたのが、すごくうれしくて(笑)。『ニンニク臭もみんなですれば怖くない』という雰囲気になり。さっぱりとしていて、木帆役にはぴったりの方だなと思いました」

岡崎「あはは! ありました、ありました。田中さんが『みんなでご飯行こう!』と誘ってくださったんです。ラーメン屋さんの撮影後だったと思いますが、その周辺のステーキ店を調べてくださって、みんなでワイワイと“ごちに”なっちゃいました(笑)。田中さんは撮影の初日からフランクにお話をしてくださって、同じ目線で話してくださるし、撮影の合間に見せる素顔もテレビで拝見しているイメージのまま。田中さんがいらっしゃると、現場が明るくなるんです。いつの間にか周囲に人が集まるようなところは、夏目さんそのもののようですね」

田中「本当に!? 僕はいつも、現場ではチームワークを何よりも大事にしていて。人と関わっていくことって大変なことでもあるけれど、作品づくりにおいては絶対的に大切なことで。でも今回は今泉監督のオリジナル作品だし、『監督の言うことをしっかりと聞いていこう』と自分自身をひっそりと隠していたんだけどなあ(笑)」

■ 日向ぼっこしているカップルに…

――花屋とラーメン屋、それぞれの仕事に関する所作もとてもナチュラルでした。練習は大変でしたか?

田中「お花って、ハサミで切るという作業ひとつをとっても、すごく難しくて! 花束を作るのも、その人のセンスでまったく違うものになるし、花を取る順番なども指導の方に細かく教えていただいて、『自分はオシャレな花屋だ』と思いながら演じていました(笑)」

岡崎「ラーメン屋さんの店主という役は初めてですし、着る衣装も新鮮で。実際にラーメン屋さんの店主の方に教えていただいたんですが、麺をすくうのが本当に難しくて!  ザルも思っていた以上に重いし、ラーメンって食べに行くとすぐに出てきますが、その工程には大変な技術が必要なんだなと思いました」

――最後に、映画のタイトルにちなみ、お二人が最近“mellow”だなと思った瞬間を教えてください。

田中「屋外でロケをしていたときに、僕たちが撮影をしていた近くで、ブルーシートを敷いてカップルが日向ぼっこをしているのを見掛けて。すごく仲が良さそうで『ああ、mellowだなあ』と思いました。地方ロケに行くことも多いのですが、先日は山形で出会った方々が皆さん優しくて。mellow感いっぱいでした。地方に行くと、『次のバスが3時間待ち』なんていうこともあって。ゆったりとした時間が流れていて、mellowを感じることができます。でも本作の撮影もmellowでしたね! 監督の醸し出すものが、mellowな空気を作り出していたんだと思います」

岡崎「確かに撮影もmellowな時間でしたね! 私は撮影でベトナムに行く機会があったんですが、そこで撮影スタッフの方々に誕生日のお祝いをしていただいたんです。すごくうれしかったです。優しくて、温かくて、本当にmellowな時間でした。かわいいお人形さんの乗ったケーキが登場したんですよ。田中さんや皆さんと一緒にお肉を食べた時間も、もちろんmellowでした!」(ザテレビジョン・取材・文=成田おり枝)