放送中の真夜中ドラマ「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」(毎週土曜深夜0:56-1:26ほか、テレビ大阪・BSテレ東)で、主人公・天野光彦を演じている今井悠貴。実は3歳の終わりごろに子役デビューし、芸歴は約18年。

ドラマ『ごくせん』や映画『白夜行』など数々の作品に出演し、幼い頃の写真を見れば「あぁ、あのコか!」とピンと来る人も多いはず。

そんな彼も現在21歳。子役時代のエピソード、そして今考える俳優という仕事について語ってくれました。

■ 「天才じゃない。たくさん練習しました」

――そもそも、この仕事に興味を持ったきっかけは?

家でテレビを見ていて、子役のコがテレビに出ていることがすごく不思議だったんですよね。母に「なんでこのコ、テレビに出てるの?」って聞いたら「出てみたい?」って言ってくれて、「うん」と返事をしました。新聞に子役事務所の募集が載っていて、そこに連れて行ってくれたのがこの世界に入ったきっけです。最初はお芝居がしたいからとかじゃなくて、テレビに出てみたいという好奇心だったと思います。

――子役だった当時は、どんな気持ちでお仕事をしてたんですか?

4、5歳の頃は、大人がたくさんいる現場がとにかく楽しかったですね。小学校になってからはロケで日本各地に行けることがうれしかったし、いろんな役を演じる楽しさもわかってきました。

――“天才子役”と呼ばれていましたね。

当時は本当にやめて〜!って思ってました(笑)。レッスンに通ったことはないですけど、家ですごく練習してましたからね。パッと読んですぐできるようなタイプじゃなかったし、全然天才でもないですから!台本をもらうと母が練習に付き合ってくれて、相手役のセリフを読んでくれましたね。これは今でも変わってないかもしれない。本当に、めちゃくちゃ練習してたんですよ。母も「なんで天才子役なんて言われるんだろうね。私がたくさん練習に付き合ってるのに」って言ってましたからね(笑)。天才じゃないけど、たくさん練習してきたというのは、自信を持って言えます。

――学業との両立は大変でしたか?

芸能高校に進学しなかったんです。というのも、その高校が芸能活動OKだから入ったんですけど、実際は出席が厳しくて意外とお仕事ができなくて(笑)。なので、高校時代は長期休みの時だけお仕事をしていました。その間に、芸能高校に進んだ友達が、日本アカデミー賞の授賞式に出席していたりするんですよ。それを見て「選択を間違ったんじゃないかな」と思ったり(笑)。でも、高校生活がすごく楽しかったんですよね。小中学校は仕事で授業を休むことが多かったんですけど、高校生になって、やっと初めてちゃんと学校に行けたんです。普通の高校生を経験できたことが良かったなと思うし、その時間が今後活きる時は絶対に来るんじゃないかなと思っています。

■ 「お芝居をやる理由」がない!?

――俳優という仕事で生きていこうと決めたのはいつ?

高校生って進路を決めなきゃいけないじゃないですか。僕は漠然と、将来はこの仕事で食べていくんだろうなって思っていたんです。だから周りに将来の夢が決まってない人がけっこういて、「え、何で決まってないの⁉︎」ってよくわからなかったんですよね。でもある日、俳優仲間のひとりが「俺が舞台をやりたいのは、お客さんとして劇場に足を運んでくれる人はみんな平等だから。格差とかジェンダーとか関係なく、フラットで平等だからそんな場所を作りたい」と話していて。それを聞いた時に、自分はどうなんだろう?って考えちゃったんです。自分がお芝居をやる理由がないということに気づいてしまったんですよね。

――自分はなんのために芝居をしているのか?ということですよね。

そうです。将来の夢って幼稚園の頃から聞かれるじゃないですか。小さい頃は「お花屋さんになりたい」とか「消防士になりたい」だとか答えて、小学校の時はその夢がぼんやり継続していて、中学生になると夢がわからなくなって、それが高校生になってますます見えなくなる。

僕の将来の夢って、幼稚園生が聞かれて答えるような夢からあまり変わってないんじゃないかなって考えたんですよね。幼稚園のまま止まってるのかなって……。すごく悩みましたね。小さい頃からお仕事させてもらってるから、それが生活の一部というか、人生というか……特別なものじゃなかったんです。

――――それから俳優という仕事について考えて、俳優をやる理由は見つかりましたか?

実は、高校生から大学生の最初の頃までずっと悩んでました。俳優をやりたい理由を見つけたのって、実は結構最近なんです。

“良い作品”っていうけど、それは観る人との相性やタイミングで決まると思うんですよ。例えば「この時に失恋してたから、このドラマが心に刺さった」とか、その人のタイミングじゃないですか。そういう部分で作品の良し悪しを決めるのは不可能だなと思って。だからこそ、その時代感を大切にしたいと感じたんですよね。

過去を振り返った時に「俺らの青春時代や、俺らの人生ではこういう作品があったよね」という会話に出てくるのって、丁寧に作られた作品なんじゃないかなと。なので、そんな人生の節目に結び付けられるような作品を作りたいし、そのためにも丁寧に俳優をやりたいというのが当面の目標だと思っています。

■ さつきのことが気になりすぎて…第10話あらすじ

46歳の冴えない中年男・天野光彦(柳憂怜)が高校時代にタイムスリップし、16歳の光彦(今井)となって二度目の青春を謳歌するハートフル恋愛ストーリー「ハイポジ 1986年、二度目の青春。」。3月14日(土)深夜に第10話「YES MY LOVE」を放送する。

家でもさつき(黒崎レイナ)から「光彦が幸子(鈴木絢音)を見ているのが嫌だった」と言われたことを思い出し、嬉しくてベッドで悶える光彦。自分の気持ちをうまく伝えられない光彦は、学校で文化祭の準備をしていても、さつきのことばかり目で追ってしまう。さつきと二人で文化祭の買い出しに行った帰り道、光彦は自分の気持ちを正直に言おうとして、とうとうタイムスリップしてきたことを話し始めた…。(ザテレビジョン)