新型コロナウイルス感染拡大による非常事態宣言を受けて、テレビ業界では大人数でのバラエティー番組の収録がストップしている状況が続いている。その中で自宅からの中継など、さまざまな工夫を凝らした“リモート収録”に活路を見出す番組が出現。状況を逆手に取ったリモートだからこその、バラエティー番組の新たな“笑い”の引き出しが生まれ始めている。

■ 「生のナンチャンはどっち!?」クイズに視聴者騒然&爆笑

生放送の情報バラエティー番組という番組の性質上、いち早くリモート収録を開始した「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)。MCの南原清隆のみスタジオに出演し、他の出演者は自宅や事務所、日本テレビの会議室やロビーからリモート出演している。

4月30日放送の冒頭では、視聴者騒然のリモートならではの企画が放送された。その名も「生のナンチャンはどっち!?」。左右二分割された画面に、事前に収録された南原と生放送の南原が映され、どちらが生で動いている南原かを答えるというもの。

一心不乱にダンスを踊る二人の南原の姿がシュールなこの企画に、視聴者からは「めちゃくちゃ笑った」「ほのぼのする」「なにこれ!?」と笑いと困惑が入り混じった感想が。また「試行錯誤が見て取れる」「今の状況を逆手に取ったいい企画」と制作陣の創意工夫に感心するコメントもSNS上では多く見られた。

■ オードリーの“リモートワイプ芸”

「ヒルナンデス!」でもう一つ話題を呼んでいるのが、水曜レギュラー・オードリーのワイプ芸。「ヒルナンデス!」では、ロケ企画こそ過去放送分を再放送することがあるものの、恒例のクイズコーナーはリモート中継でのパネルクイズとして生放送している。

出演者がそれぞれ画面下部に“ワイプ”で出演し、各々フリップに記入して回答していく。そこでのオードリーの“おふざけ”が「面白い」と注目を集めている。

毎週、部屋の前後に距離を取って出演しているオードリー。春日俊彰がカメラにどアップで映ったり、上半身裸で筋トレを始めたり、若林正恭が寝ているように動かなかったりと自由なボケを連発している。

4月29日の放送では、ワイプ内の二人がバランスボールを全力で投げ合い、痛がる春日の様子が映された。このスタジオではできない新しい形のワイプ芸に視聴者は爆笑。「面白すぎる」「ワイプにしか目がいかない(笑)」と反響が続々と寄せられた。

他局では、ワイドショーで新型コロナウイルス関連のニュースが放送されている時間帯だけに、「ヒルナンデス!」が外出自粛する視聴者に“笑い”と“癒し”を届けているのかもしれない。

■ “自宅”というフィールドを利用した笑い

お笑い番組でも、新たな試みが行われている。4月22日放送の「有吉の壁」(日本テレビ系)では、ものまね企画「なりきりの壁」をリモート収録。「スターのおもしろ自宅公開選手権」と題し、お笑い芸人たちが自宅や楽屋からものまねを披露した。

中でも、とにかく明るい安村の「原田龍二に扮して温泉ロケのシミュレーションをする」というネタが話題に。安村は自宅のリビングからの参加だったが、いつもの水着姿で登場。髪と体を洗った後、バケツに入った大量の水を頭からかぶり部屋中を水浸しに。

この自宅を犠牲にする無鉄砲なネタに、スタジオで見ていた有吉弘行、佐藤栞里も大爆笑。その後、自ら部屋の水をかき出し掃除する、哀愁漂う後ろ姿も映され笑いを誘っていた。

■ アイドル番組ならではの試みも

このように“自宅”というフィールドを逆手に取った例は、アイドル番組でも見られる。

バナナマン・日村勇紀と三四郎がMCを務める、青春ドキュメントバラエティー「青春高校3年C組」(テレビ東京系)の4月21日放送では、「緊急企画!自宅王決定戦」と題し生徒たちが自宅からリモート出演。「自宅コスプレ王決定戦」と「自宅カワイイ寝起き王」の企画が放送された。

特に「自宅カワイイ寝起き王」では、女子生徒たちが自宅の寝室のベッドなどで撮影した、かわいい寝起きの映像を放送。本物の自宅ならではのリアルさに、スタジオで見ていたMC陣も大興奮だった。

さらに、自室のクローゼットの中の様子が公開されるなど、普段は見ることのできない一面が明らかになりファン大満足の内容となっていた。

外出自粛期間が長引くことも予想される現在、NHKが打ち合わせやリハーサル、本番収録をも直接会わずに行う“テレワークドラマ”「今だから、新作ドラマ作ってみました」の放送を発表するなど、各局が対応に知恵を絞っている。今後、このピンチをチャンスに変える企画がますます生まれてくることに期待したい。(ザテレビジョン)