5月9日(土)にNHK BSプレミアムで放送される谷原章介主演の「松本清張ドラマ 黒い画集〜証言〜」(夜9:00-10:30)。放送に向け、脚本・演出を手掛けた朝原雄三氏、制作統括の原克子氏、後藤高久氏がコメントを寄せた。

同作は松本清張による同名小説のドラマ化。作品の舞台を現代に置き換え、主人公の不倫相手を女性から男性に変更。バイセクシャルや偽装結婚という現代的な要素を取り入れてリメークする。

主人公の医師・貞一郎を谷原が、その妻・幸子を西田尚美が、貞一郎と不倫関係を持つ智久を浅香航大が演じる。

■ 脚本・演出 朝原雄三氏コメント

松本清張作品の大きなテーマのひとつは人間の弱さだと思います。

人間はその弱さゆえに、失敗を犯し、うそを吐き、裏切り、犯罪に手を染めてしまう。犯罪にこそ踏み込まないまでも、たいていの人が多かれ少なかれ同じ経験をしていて、それゆえ小説の登場人物たちは、たちまち読者の身近な隣人となります。

今回のドラマの主人公たちもそれぞれに弱さを抱えた普通の人間たちです。

どこにでもいる普通の人間は、誰もが抱える弱さを支え合うための愛情を必要としていて、けれど、その愛情の形は一つではなく、単純ではありません。

愛情は自身からも相手からも発せられますが、それを突き詰めると、一体、自身のための愛情なのか、相手のための愛情なのか分からなくなる。

そんな、どこにでもいる私たちの生活にも潜んでいるはずの弱さと愛情が、主人公たちに引き起こす悪夢を90分の束の間、お楽しみいただければと思います。

■ 制作統括 原克子氏コメント

松本清張の「証言」をドラマ化したいと朝原監督と打合せするまでは、まさか男性同士の恋愛話になるとは思ってもいませんでした。

しかし、実は隠れ腐女子であった私は、出来上がった脚本を貪るように読んで、うかれ喜びました。この設定に変更したことで舞台を現代にした必然性がグッと増し、ラストまで見応えのあるものになっていたからです。

その直後、台風19号の影響で各地に被害が出て、金沢へ向かう北陸新幹線も大きな被害をうけました。

そんな混乱の中、谷原章介さんが貞一郎役を快く引き受けて下さり、役作りのために年末年始もご馳走を諦めて節制し、7キロ近く体重をおとされたと聞いています。

「清張もこの脚色を面白がると思うよ」と原作関係者の方が褒めて下さったことも大きな励みとなりました。私のような隠れ腐女子のみなさまも、そうではない方も、楽しんでいただけるドラマとなっています。ぜひご覧ください。

■ 制作統括 後藤高久氏コメント

60年以上前に書かれた松本清張氏の短編小説「証言」は何度も映像化され、今回で7度目です。

なぜこの作品が、今なおこれほどに私たちを惹きつけるのか? それは、上質なサスペンスであることはもちろんなのですが、それ以上に清張氏の描く人間ドラマには誰もが身につまされ引き込まれてしまう魔力がある。

普通の人がほんのちょっと道を踏み外したことから、とめどなく転落していく様子が、それはそれはホントに恐ろしいお話なのです。

今回の令和版「証言」では、その人間ドラマに現代日本ならではの磨きをかけました。

崩れかけた夫婦関係から目を逸らす男と女。そして、不倫に燃え上がる男と男。その男と男と女の三角関係がとんでもない悲劇を生み、最後には原作にもなかった今作オリジナルの驚きの結末が訪れます。

息をするのも忘れて、怖〜いラブサスペンスをどうぞ。(ザテレビジョン)