長谷川博己主演の大河ドラマ「麒麟がくる」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)に斎藤高政役で伊藤英明が出演している。

史料がほとんど残っていない20代の明智光秀(長谷川)の青春時代から始まり、織田信長、斎藤道三、今川義元、松永久秀さらに秀吉や家康といった英雄たちが天下を狙って戦う群雄割拠の時代を描く同作。

そんな同作で本木雅弘演じる斎藤道三の息子・高政を演じる伊藤からコメントが寄せられた。

■ 「道三や高政が見ていたのかと、思いをはせることが出来ました」

作品について伊藤は、「毎回スケール感があって、驚かされています。すごくフィールドが広いですが、群像劇がしっかり描かれていて、風景だけではなく、物語、人間関係すべてにおいてスケール感があります。また今回は4Kを使った新しい大河で、セットも2階まで出来ていてびっくりしました」とコメント。

「岐阜城のシーンや、遥か彼方から尾張の軍勢が攻めてくる場面を演じている時は、実際にこんなふうに道三や高政が見ていたのかと思いをはせることが出来ました。あの山(金華山)に城を築城しただけでもすごいなと思います。

岐阜城には僕も出演が決まってから5度ほど登りました。何かの参考になればと思い、あえて雨の日とか夕方とかに行きましたね」とエピソードを明かした。

■ 高政の印象は「180度変わったと言ってもいいかもしれません」

以前より道三のファンであり、道三を殺した高政に対してあまり好きではないという印象を持っていたという伊藤だが、演じていく中で高政の印象が「180度変わったと言ってもいいかもしれません」という。

「演じさせていただく役にはいつも愛情を持って演じたいと思っておりますが、今回の高政は父親殺しの汚名ばかりが先立って、彼の功績には目を向けた事がなかったのでなかなか好きにはなれませんでした。しかし、長良川の戦いで高政のもとに集まった兵力は17500に対し、道三には2700の兵しかなかったと言われています。

道三への不満は高政だけではなく、美濃は多くの国を敵に回していたのです。そして道三を倒した後、高政は他国との関係を改善しようと尽力したようです。

高政は自分の出自に疑問を抱き、ものすごくジレンマと葛藤で気持ちが揺れ動きますが、高政は道三からの愛情がまっすぐに欲しかったのではないでしょうか。偉大すぎる父を持ち、そして世の中に時代に翻弄されたんだと思います」と自身の高政に対する思いを語った。

■ 「光秀にだけは許せてしまう面があったんだと思います」

主人公・明智光秀を演じる長谷川との共演シーンも多いが、「やはり大河を1年座長としてやるエネルギーもすごいですし、水のようにいろんな形に色を変えて、みんなの演技を受けて、そしてみんなの良さを引き出して、みんなが居やすい場所を作ってくれています」と長谷川の印象を明かす。

また、「高政が唯一心を許せるのが光秀です。光秀に翻弄されてもなんか許せる男で、高政は光秀に男として惚れていたんだと思います。ただ高政は結構嫉妬深いから。その嫉妬が攻撃になってしまうけど、光秀にだけは許せてしまう面があったんだと思います」と高政と光秀との関係についても語った。

■ 深芳野への思いは「スターウォーズみたいですね」

南果歩演じる母・深芳野については、「唯一のよりどころでしたし、あの時代には珍しくマザコンです。しかも道三と深芳野が仲良くしているのを目の前に見せられていますが、ただそれは母親は高政に家督をしっかり継承してもらう目的のためにやっている、ということが理解出来なかった。

母親の愛がわからないし、母親がどういう思いでそうしているのかが分からず、母親まで道三の元に行かれたら、俺もうほんとにひとりになってしまうという孤独感があったのではないかと思います。

母親への愛が哀しみではなく憎しみに変わり、それが復讐にかわる、スターウォーズみたいですね」と高政の思いを分析した。

■ 本木雅弘演じる道三とのシーンは「全部好きですね」

父・道三を演じた本木については、「すごいです! すべてにおいて完璧です。所作、たたずまい、声の出し方、カメラの方向とか、まばたきひとつ、呼吸ひとつ、ものすごく高いレベルで戦っていらっしゃるので、撮影中はものすごく緊張感がありますが、カットがかかった瞬間、ふっと柔らかくなるし、本木さんは道三そのものでしたね。これが俳優なんだ、これが役者なんだなと思って、ほれぼれしました」とその印象を語る。

さらに「本木さんが演じる道三は、すごくすてきな道三でした。それを僕は目の前で1番良い席で見させていただきました。役同様に、この偉大な父親を超えられないと感じました。本木さんとの出会いが僕は一番大きかったですね。本木さんとの出会いがこれからの自分の役者人生においてものすごい大きなものになりました。道三とのシーンは全部好きですね。すばらしい役者さんが斎藤道三を演じてくださり、岐阜の人間にとっては誇りです」と撮影を振り返った。

■ 「もう一度出演したくなりました(笑)」

5月16日(土)昼1:05からNHK総合で再放送される第17回では、道三と高政との間で行われた長良川の戦いが描かれている。

伊藤は第17回について、「人に翻弄され、時代に翻弄されている中で、高政がどのように長良川の戦いに向かうのか、どうやってあの偉大なる父・道三と戦いどのように終えんに向かっていくか、高政の終えんをどう迎えていくか、楽しみに見ていただきたいです」と話す。

そして「この長良川の戦いでひとつの時代が終わり、光秀も世にやっと出ていき、三英傑も活躍して、これからもっと面白くなると思います。今回どの役も全く新しいイメージで描かれているので、僕自身も今後が楽しみです。僕自身はクランクアップしてしまいましたが、もう一度出演したくなりました(笑)」と作品の今後について期待を寄せた。(ザテレビジョン)