水川あさみが出演するParaviオリジナルドラマ「love distance」が、動画配信サービス「Paravi」で、6月27日(土)より独占配信。このほど水川にインタビューを行った。

同作は「愛とキョリ」をテーマに、“withコロナ時代”という変わり続ける世の中で、結婚3年目の仲良し夫婦、フォトグラファーの青年、動画配信チャンネルNewTubeで人気の3人組という同じマンションに暮らす男女6人を通して、人との距離を意識せざるを得なくなった今だからこそ大切にしたい心の距離を描く物語。

今回は水川に話を聞き、この作品が生まれた経緯、StayHome期間中で生まれた価値観の変化や始めたこと、これからのエンタメ業界に期待することなどを聞いた。

――本作は、水川さんと櫻井雄一プロデューサーとのオンライン飲みで生まれた企画と伺いました。

櫻井さんとは、このコロナ禍でこの先エンターテインメントに関われなくなるんじゃないか、そんな危機感や不安がある中で今後の未来を見据えた面白いものが作れたらいいね、と話していて。

そのオンライン飲みからあっという間に制作と撮影が決まって、そこからのスピード感がものすごく早かったですね。

これは、みんなが同じような思いを抱えて、いい作品を世に送り出したいという熱量が合致したからだと思います。目指すべき方向が一緒というか。だから、そんな仲間と行った撮影は、すごく幸せな時間でした。

――これまでのご縁が本作を生み出すきっかけになったのですね。

そうですね。お芝居を長くやらせてもらっている中で、一緒に仕事してきた人たちとは今でもご縁があり、定期的に会ったり、連絡を取ったりしていて。そんな人たちとの関係は大切に思い、育めると思います。

今回も信頼できる関係性を培ってきている人たちが集まり、やりたいと思った熱量が一気にいい方向に進んだ感じがしますね。

――台本を読んだときは、どんな感想を抱きましたか?

今後、コロナと一緒に生活していかないといけない中で、どのように向き合っていくべきかが丁寧に描かれているなと感じました。

1話8分ほどの短いドラマですが、登場人物それぞれの心情をしっかりと追い掛けられているから、忘れてしまいがちな日常の素晴らしさが伝えられるなって。

近所付き合いが少なくなった今、見知らぬ人や身近な大切な人など、いろんな人との心の距離が縮まっていくのはすてきなことなんだって気付きましたね。

――今回演じる美和は、どんな役ですか?

他人のいい面を見つけるのが上手で、とてもすてきな人、それに尽きます。美和はとてもモテるんですけど、それは見た目からじゃなくて内面からあふれ出ているから。そういう部分を演じられればいいなと思って挑みました。

■ 清原さんはすごく紳士

――夫・彰役の清原翔さんや、フォトグラファー役の渡邊圭祐さん、NewTuber役の馬場ふみかさん、板垣瑞生さん、中尾暢樹さんといった共演者の皆さんの印象を教えてください。

清原さんは、若いのにすごくしっかりしていて、とても年下とは思えませんでした(笑)。落ち着いているし、すごく紳士。本当に素晴らしい人です。

あとは何をやっても画になるんですよ。スタッフさんと一緒に、カメラ越しの清原さんを見ながら「かわいい!」なんて言ったりもしました(笑)。

撮影じゃないところでもいろいろとお話をしてコミュニケーションを取っていたので、夫婦としてのお芝居につながっていればいいなと思います。

他の共演者の方もそう。エネルギーがあるし、パワフル。やっぱり現場に活気が出るし、皆さんに助けられる部分も大きかったです。もちろん若い方の力強さやフレッシュ感は、撮影ごとに吸い取っていましたけど!(笑)

――撮影は、10日間かつ夜の稼働なし、また最小人数でソーシャルディスタンスを保つなど、新型コロナウイルスの感染予防を徹底して行われたそうですが、これまでの撮影との差は感じましたか?

やはり全然違いますが、スタッフさんの配慮が本当に素晴らしくて。マスクやフェイスガードを着けてソーシャルディスタンスを図り、人数も半分以下で、自分の部署じゃない仕事を担当したりすることも。

スタッフさん、それぞれの負担は大きかったのですが、その中でもクリエーティブなものが生まれているすてきな時間でした。私も機材が好きなので、レールをしこうかなと思いました(笑)。

また、物理的な距離感を保ちながらも心の距離感が近づいていくのが、この作品のテーマでもあって。スタッフもキャストも、みんながお互いを思いやってる感じだったので、1日1日が愛おしくなりました。

正直、今までは朝から夜中まで大変でしたが、今回は夕方に終わるし、なんて素晴らしい日々だなとも(笑)。大変な部分もあるけど、健やかな時間に終われるなど、逆にいいじゃないと思うところもありますね。

――新型コロナウイルスにより、想像していなかったさまざまなことが起きていますが、どういう心境でしたか? また、StayHome中はどんなことをされていましたか?

私自身、嫌でも自分と向き合う時間が山ほどあったので、いろいろ思いを巡らせましたね。いろんなことが発展して便利になった一方で、その反動なのか心を見失ってしまうような感覚もあるのかなって。そんなことを考えたりしました。

忙しさにかまけて読んでなかった心理学の本を読んでみたり、配信のドラマや映画を見たりして過ごして。

あとは料理や洗濯、掃除したりと、いつもの日常で見落としがちな家事をしっかりやったり。毎日をちゃんと過ごすことで、生きることを実感していました。

中でも料理は、普段からみそやしょうゆ麹(こうじ)など、調味料を自分で作っていたのですが、それの延長線上で、それまでは買っていた西京漬けを作ったりも。また、出汁をとってみるなど、今までにやったことのないことに挑戦して。また、山椒をとって1年中使えるように冷凍庫に入れておくために “山椒仕事”もしました。

あまりじっとしていられない性格なので、家で運動をすることも。YouTubeで動画を見て、クラップダンスをしていました。体と心は直結しているなと感じましたし、動くことでアイデアがふってきたこともありましたね。

■ クリエーティブなことが生まれるエンタメ界であってほしい

――コロナ禍で、2020年上半期は新しいエンターテインメントの形もたくさん生まれましたが、下半期に期待することはありますか?

いい意味で、作品を作るということが、ゼロ地点に戻ったかもしれないねとマネジャーさんと話していたんです。

さまざまなことがストップした中で、みんなが新たに何かできないかと、アイデアを振り絞って考え、新しいものもたくさん出てきた。状況が変わった中でもエンターテインメントができると気付けたし、面白いと思いました。

――今後どういうエンタメ業界になってもらいたいですか?

それこそいい意味でも悪い意味でも、ゼロ地点に戻ることで、惰性のない本当に面白いと思うものが増えるのかと。私もそういうものに携わりたいですし、クリエーティブなことが生まれるエンタメ界であってほしいです。

私自身も今、挑戦してみたいことはたくさんありますが、実現するかも分からないので、今は秘密にしておきます(笑)。

――最後に作品を通して視聴者の方に伝えたいメッセージをお願いします。

日常というものが今後どういうふうに変わっていくのか、その中で見失いそうになっていた人への気持ち、大切にしないといけない人やことを、あらためて考えながら生きていくことの大切さが伝わるとうれしいです。

※本文内タイトル「love」と「distance」の間、正しくは双方向矢印が入ります。(ザテレビジョン・取材・文=高山美穂)