俳優・本郷奏多がこの夏、出演ラッシュを迎えている。7月11日(土)には特集ドラマ「56年目の失恋」(夜9:00-10:30、NHK BSプレミアム)でヒロイン・中条あやみの恋の相手役を、17日からは岡田健史とW主演を務める連続ドラマ「大江戸もののけ物語」(毎週金曜夜8:00-8:59、BSプレミアム)がスタートする。初の大河ドラマ「麒麟がくる」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか=現在放送一時休止中)での登場も間もなく。変幻自在ぶりで出演作ごとに存在感を発揮する俳優・本郷奏多の魅力とは。

■ 2時間の特殊メークで妖怪に変身

「56年目の失恋」では、ヒロイン・沙織(中条)と恋に落ちる西洋料理店のコック・菊池隆一を演じる。沙織は本来2020年、隆一は1964年と、それぞれ別の時代を生きるはずの二人が時空を超えて出会う異色ラブストーリー。

本郷演じる隆一はクールで言葉少なだが優しく、ひたむきに料理と向き合う職人気質のキャラクター。ヒロインとの恋愛を通じて、日本人の普遍的な価値観、愛を問いかけていく。シリアスな恋愛ストーリーは本郷にとっても新境地。新たな表情を見せてくれそうだ。

がらりと変わって「大江戸もののけ物語」では妖怪“天の邪鬼(あまのじゃく)”役。主人公・一馬(岡田)との交流を通じて自身の運命に立ち向かっていくキャラクターを演じる。

これまでも、映画「鋼の錬金術師」(2017年)で主人公の前に立ちはだかる人造人間・エンヴィー、「進撃の巨人」(2015年)では人間を食す巨人に立ち向かう戦士・アルミンなど特殊な役柄を多く演じてきた本郷。今回の天の邪鬼も2時間に及ぶ特殊メークでビジュアルをバッチリ固め、本格アクションシーンにも挑む。

そして初出演の大河ドラマ「麒麟がくる」では、たぐいまれなる行動力を持ち、公家でありながら政治に積極的に介入していく若き関白・近衛前久を演じる。現在は一時放送休止中だが、再開後すぐに控える「越前編」から登場となる。

このほか、6月にリリースされた実写ムービーゲーム「Death Come True」に主演。同作はニンテンドーeショップにてダウンロード専用ソフトで1位にランクインするなど、早くも注目を集めている。

■ 「キングダム」でTwitterトレンド入り!

この夏、立て続けに出演作が3本も控える本郷は1990年11月15日生まれの29歳。

これまで映画「テニスの王子様」(2006年)や「GANTZ」(2011年)シリーズ、「進撃の巨人」、「鋼の錬金術師」、主演ドラマ「アカギ」(2017年ほか)シリーズ、主演舞台「ダンガンロンパ」シリーズ(2014年ほか)など大ヒット漫画・アニメ・ゲームの実写化作品にも多数出演し、高い再現度と驚異の変幻自在ぶりで作品のファンだけでなく原作ファンからも歓迎されてきた。

たとえば、2019年公開の映画「キングダム」。同年公開の邦画実写作品のうち興行収入1位を獲得した大ヒット作として知られ、主演の山崎賢人以下キャスト陣の迫力あるアクションも話題になった本作で、本郷は将軍を目指すエイ政(吉沢亮)の異母弟・成(せい)キョウを演じた。

実母が王族の血を引いている自分こそが純血であり王にふさわしいと反乱を起こす、いわば“ひねくれ者”のキャラクターだ。そんな成キョウを、本郷は原作ファンも驚く再現度で演じてみせた。

絶えず不満げに顔を歪ませ黄金の玉座に横柄に腰掛ける姿は、まるで漫画のページから飛び出してきたかのよう。本郷のビジュアルに、原作ファンからも歓喜の声が続出!「本郷奏多が完璧ww」「似合いすぎて声出た」といった声がSNSに続々と上がる反響を呼び、本編では強権的だが実は気弱で寂しがり屋の成キョウを愛嬌たっぷりに表現。作品のヒットに大きく貢献した。

今年5月に「キングダム」の地上派初放送が行われた際も「王騎将軍」「楊端和」といったキャラクター名とならび「本郷奏多」がTwitterのトレンドワード入りを果たすほどの注目を集めた。

本郷自身、漫画やゲームが好きだと公言しており、原作ファンにも歓迎される再現度の高さと変幻自在ぶりは、原作への深いリスペクトによるもの。

「アカギ」に主演した際に「なるべく原作のイメージ通りに演じることを心掛けています。この作品では『アカギ』という力のある原作をお借りしている立場なので。もともと作品を好きだった人は、実はそれが一番見たいと思うので」とコメントしたように、徹底的に原作と原作ファンを尊重するのが彼の流儀。原作ファンをも唸らせる、深い理解に基づいたキャラクター造形は、二次元作品の魅力を知る本郷ならではの強みだ。

■ “元剣士の社長”役でコメディ挑戦

もとより脚本・原作とキャラクターを深く理解し、自身の身体を使って三次元で表現するのが俳優。だが、徹底的に“己”を消し去り求められる役割に徹する覚悟のある俳優はというと、同年代では本郷が突き抜けているのではないだろうか。原作や作品自体への深いリスペクトが、彼の変幻自在ぶりを支えている。

「56年目の失恋」「大江戸もののけ物語」「麒麟がくる」に加え、秋以降に公開予定の映画「戦国ガールと剣道ボーイ」では、北乃きいとW主演を務める。

同作は、戦国時代最強の女剣士が現代日本にタイムスリップし、企業の廃部寸前の剣道部立て直しに挑む物語。本郷が演じるのは、酒造会社を率いる青年社長・藤居正人。かつてはイキイキと剣道にまい進し全国大会で優勝したほどの剣士だったが、今は会社の経営に専念するため剣道から離れてしまっている、という役柄だ。

コメディ要素あり、青春あり、胸キュンもあり、そして剣術アクションありと見どころ多彩な本作で本郷がどんな演技を見せてくれるのか、こちらも楽しみだ。(ザテレビジョン)