衝撃のスタートから始まった桜庭ななみ主演のオトナの土ドラ「13(サーティーン)」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)。13歳で行方不明になった少女が、13年後に突然、家族のもとへ戻ってくるところから始まるクライムサスペンス。イギリスで大ヒットしたBBCドラマ「サーティーン/13 誘拐事件ファイル」が原作で、日本版の脚本は浅野妙子が手掛ける。

桜庭が演じるのは、13歳で誘拐され、13年後に生還した相川百合亜。帰ってきた百合亜を待ち受けていたのは、両親が別居状態で家族がバラバラになっていたり、当時の恋人が新しい彼女と同棲していたりと、様変わりした世界だった。

一方、誘拐事件の犯人と百合亜が顔見知りであったという疑惑が浮上。事件の真相が徐々に明らかになる中、百合亜の家族にどんな変化が生まれるのか。不可解な言動で周りを翻弄するヒロインを演じる思いを聞いた。

―日本版の脚本を読まれてみての感想は?

 誘拐という自分に経験ないことを想像しながらお芝居をすることは自分にとってチャレンジだと思いました。犯人の一樹(藤森慎吾)との掛け合いも、ドラマだからこそ男女の関係のような要素も含んでいて、今までにない経験でした。

―百合亜を演じる上でどんなことを意識しましたか?

 ドラマの前半は、心の中だけでお芝居していることが多かったです。視聴者の方に「百合亜は何を隠しているんだろう」と思ってもらいたくて、何を考えているのか分からないような表情を意識しました。取調室や家の中など同じ場所で撮影することが多かったのですが、その中でも話が進むにつれて、ちょっとした表情の違いを出そうとはしていました。

―今作は、新型コロナウイルス感染症の影響で撮影が休止、放送も延期になっていました。撮影再開後はどんな気持ちでしたか?

 やっぱり現場って楽しい場所だな、また現場に戻れることはありがたいことだなと改めて思いました。本番中でもにやけそうになるくらい(笑)。現場はいろんな人がいろんな部署で頑張ってくれていることが見えて、コミュニケーションがたくさん取れるので、空気感やつながりを感じられて大好きです。

―撮影中はどんな雰囲気でしたか?

 皆さん冷静で、それぞれの役を台本通りしっかり作っていらっしゃったので、すごく刺激的な現場でした。自分が主演なので、周りの雰囲気に乗りつつもメインでしっかり立たなきゃという気持ちになりました。

―休憩時間はどんな話を?

 藤森さんはちょっとした話も面白くて、ずっと笑っていました! 普段それだけ面白くて優しい方ですが、役に入ると目が怖くて迫力があったのが印象的でした。思い切り芝居をぶつけてくださったので、思い切り返すことができたかなと思います。

―今作では、原作のサスペンス要素を残しつつ、それぞれの家族のストーリーも描かれています。百合亜の家族はどんな印象を持たれましたか。

それぞれ自分の気持ちを隠していたり素直になれなかったり、気持ちをぶつけ合ことがすごく苦手で不器用な家族だと思いました。百合亜や家族に対しての愛をみんな持っているのに、なかなか伝わらない。自分の中で家族の関わりというのを深く考えながら演じました。

――桜庭さんは、家族に対してストレートに気持ちを表現できますか?

 私もすごく不器用(笑)。恥ずかしくて、家族に対する気持ちを素直に伝えられないタイプです。百合亜の母を演じられた板谷(由夏)さんの表情を見ていると、母の強さや愛を感じて切なくなって、私の家族と通じるものがあるなと思いました。だから百合亜の家族に対して、それぞれ気持ちをうまく伝えられたらいいなと思っていましたね。

――桜庭さんの家族の自慢は?

 “離れていても絶対につながっている”という自信はあります! みんなバラバラに生活していますが、離れている期間が長くても絶対に家族の気持ちはつながっていると思えます。私の父は母のことが大好きで、2時間でも母がいないとさみしくて私に電話してくるんです。「またお母さんが留守なんだな」と思いながら電話に出ます(笑)。温かいし、一番の宝物です。

―百合亜が戻ってきた世界は13年前と様変わりしていますが、桜庭さんは変化する寂しさを感じたことがありますか?

 制服姿の学生を見ると「私もこの間まで高校生だったのに、あの高校に行けないんだ」って思いがこみ上げて切なくなります。いつでも戻れるんじゃないかなという気持ちにもなりますが(笑)。

―過去に戻ってみたいですか?

 今は今で大事にしていますが、過去を振り返ることも多いです。地元の友達との電話では「もし中学生に戻ったら、入学式でいろんな人と話して、いろんな人と仲良くしたい」ってよく話しています(笑)。私は英語が苦手なので、英語をもっと一生懸命がんばりたいとか、中学の時は軟式テニス部でしたが他の部活もやってみたいとか思います。

―逆に、昔から変わらないことは?

 頑固なところは変わらないです。現場に差し入れを持っていく時、私は凍ったペットボトルにしようと決めていたのですが、お店になかったんです。マネージャーさんが「凍っていないジュースにしたら?」って提案してくれたんですが、「いや、絶対に凍ったやつの方がいい!」って言って、わざわざ売っているお店を探しに行きました(笑)。

―仕事の面でも頑固ですか?

 そんなにはありませんが、思っていることはきちんと伝えます。昔の恋人の渉(井上祐貴)とのシーンは、私は淡々としようと思っていたのですが、監督からは絶望感が欲しいと言われて。そこはしっかり話し合いました。

―最後に、放送を楽しみにしている視聴者の方へメッセージをお願いします。

 全4話に内容がギュッと詰まっているので、1シーンも見逃せない展開になっています。百合亜の気持ちがどんどん動いていくのが、見ている方に伝わったらうれしいです。日本版のドラマは家族との関わりが大きな魅力になっているので、そこもぜひ楽しんでいただきたいです。(ザテレビジョン・取材・文=斉藤翠)