AKB48グループの「会いに行けるアイドル」というワード。今は握手会のイメージが強いが、元々は“東京・秋葉原の劇場に行けばそこに彼女たちがいる”という意味の言葉だ。

だが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ホームである劇場での公演や握手会、コンサートなどは開催できない状況に。各グループは配信企画を拡充させ、活動を行っている。

日々状況を見定めながら活動する中、名古屋を拠点に活動するSKE48は、7月11日、12日に握手会の振り替えイベントとして、愛知県在住者限定の「現地でオンライントーク会」を実施。メンバーとファンが4mの距離を取り、タブレットを介して話すなど、コロナ対策を行いながらのイベントだった。

また、SKE48は6月14日より劇場公演を再開。無観客の配信限定で、出演人数を従来の16人から6人にし、開催時間を短縮するなど、こちらもコロナ対策を配慮した形式を採っている。

これまで劇場公演や握手会など“生”の場が主戦場だった彼女たちは、“配信”中心となった今の活動をどのように捉えているのだろうか。そこで今回は、SKE48のメンバーの中でも配信企画(※)への出演回数が多いチームSの井上瑠夏にリモートで話を聞いた。

※3月31日以降のDMM.com「SKE48 LIVE!! ON DEMAND」での配信企画と、SHOWROOMでの劇場公演再放送の実況企画

■ ソーシャルディスタンスを保っての配信は「いつもと違う不思議な感じ」

SKE48は2月25日のチームE公演以降、劇場公演が中止に。その後、3月31日に一度言配信限定イベントを行うと、4月14日からは過去の劇場公演映像の再放送をメンバーがSHOWROOMでリアルタイムで実況するという企画を実施。そして、5月5日から6日にかけてSKE48キャプテン・斉藤真木子をメインMCに24時間配信を行うと、これを皮切りに次々に配信企画を展開した。

24時間企画にはチームS、チームKII、チームE、研究生から数人のメンバーが交代でチームごとに登場し、「Zoom」を使ってそれぞれの自宅から企画を行った。

最初の配信企画となったこの24時間配信について、井上は「それまではメンバーと一緒に配信するとき、同じ場所に集まってやっていたんですけど、それぞれの家からだったので、時差があったり、喋っても反応が何秒か遅れたりして、スベってるみたいな感じがして恥ずかしい気持ちもありました。初めての試みということで注目されたと思いますし、(24時間配信の中で)チームSは最初に出たので、他のメンバーにも見られていたりして、自分の家なのにすごく緊張しちゃいました」と振り返る。

その後、6月8日からはメンバーがSKE48劇場に集まっての企画が配信されるようになった。「劇場に集まれてもソーシャルディスタンスを守っての配信だったので、メンバー同士くっ付けなくて、いつもと違うなって不思議な感じではありました。でも、やっぱりメンバーと会って顔を見て話すと、リアルな表情が見られたりして、顔を見て会話をするのって大事だなって思ったし、心の底からやっぱり楽しかったです。あと、ファンの方の感想がステージ上のモニターにリアルタイムで出ていて、それもすごく大きかったなって思います」。

■ 従来とは違う形式での公演は「新しい挑戦になっているんじゃないかな」

そして、6月14日、108日ぶりに劇場での公演が再開。セットリストはチームS「重ねた足跡」で、井上もそのステージに立った。

「いつもの16人ではなくて6人での公演だったので、ファンの方に物足りないとか感じさせないように、私たちもレッスンでもっとああしようこうしようって、前日まで結構がっちり練習をして臨みました。久しぶりに劇場に立ってアイドルの衣装を着て、『やっぱりアイドルっていいな』『SKE48っていいな』って思いました」と井上。

観客が誰もいない劇場でのパフォーマンスに、どんなことを感じたかと尋ねると、「ファンの方がいないのってこんなに寂しいんだ、こんなに違うんだって思いました。例えば、今までは『キツい!』って思ったときでも、ファンの方の声援やペンライトを振ってくれる姿を見て、もっと頑張ることができたんですけど、それがなかったので寂しい気持ちもありました。でも、それはしょうがないことで。だけど、新しい試みとして、劇場のモニターにTwitterのファンの方の投稿を流していて、それが一番大きかったかなって思います。推しメンのペンライトの色の画像とか、コールの部分を文字で投稿してくれるのを見て、『離れていてもこうやって応援してくれているんだ』ってSNSのありがたみを感じました」とファンの存在について語った。

また、従来とは違う形式の公演の中で、新たに気付いたこともあったという。「(レッスンで)これはちょっと距離が近いんじゃないかってなって、立ち位置がガラッと変わったりもしました。『手をつなぎながら』という曲では、実際に手をつなぐ振りがあるんですけど、今はできないからどうしようってなったときに、画面越しに見てくれているファンの方と手をつなぐように手を差し伸べる振りにしようって考えました。6人での公演ということで、普段は何人かで歌っているパートがソロパートになったり、1人で画面に映るところも多くなったりしているので、ファンの方もそういうところで新しい発見ができると思うし、メンバーも新しく学ぶことがあって、SKE48の新しい挑戦になっているんじゃないかなって思います」。

一方、握手会は7月11日、12日に愛知県在住者限定とした「現地でオンライントーク会」という代替イベントが開催された。

「タブレットの画面越し、しかも4m距離を取っての会話だったので、始まる前は『どんな感じなんだろう?』『会話がちゃんとできるのかな?』って思いましたし、そもそも愛知県の方限定のイベントだったので『来てくれる方がいるのかな?』って不安でした。だけど、4m離れていてもファンの方の顔は思ったよりもはっきり見えましたし、直接ファンの方の顔を見て会話することもできました。ただ、イヤホンを付けて話すんですけど、時差が生じて会話がうまくできないときもありました。初めての試みだったので、それには申し訳ないなって思いがあるんですけど、でも実際にファンの方と会って話して、喜んでくれている顔を見ると、アイドルを続けてきてよかったなって思いました。自粛期間に自分のことを見詰め直して、『自分はアイドルとしてどうなんだろう?』って考えることもあったんですけど、1人で考え込んでいたのが無駄だったんだなって思うくらい、ファンの方の力って大きかったです」。

まだコロナ禍以前とは違った形での活動が続くことが予想される。今後の活動に向けた思いを聞いた。

「愛知県の方には会えたんですけど、まだお会いできていない方もたくさんいらっしゃって、私も寂しいし、メンバーもファンの方に早く会いたいという気持ちでいっぱいなので、今は自分たちにできることをしていきたいと思います。今回の自粛期間で、SNSで思いを伝えることがすごく大事だと学んだので、ファンの方にたくさん言葉で思いを伝えたいって思うし、ファンの方も私たちにたくさん気持ちを伝えてくださったらうれしいです。あとは、会えたときにファンの方に『かわいくなったね』とか『パフォーマンスが大きくなったね』とか、成長を見つけてもらえるように頑張るので、これからも離れずにずっと応援してくださるとうれしいです」。

【PROFILE】いのうえ・るか=2001年6月12日生まれ、熊本県出身。O型。2016年に8期研究生としてSKE48に加入し、2017年10月に正規メンバーに昇格。2019年7月に発売された「FRUSTRATION」で初選抜入りすると、続く「ソーユートコあるよね?」(2020年1月発売)でも選抜メンバーに名を連ねた。(ザテレビジョン)