窪田正孝主演、二階堂ふみがヒロインを務める連続テレビ小説「エール」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)は現在、再放送中。裕一(窪田)の苦悩が描かれる第6週「ふたりの決意」では、川俣銀行メンバーのコミカルなやりとりがストーリーの“癒やしパート”を担っている。

■ 音の登場にパニック「もしかして、文通相手の人!?」

同ドラマは、「栄冠は君に輝く〜全国高等学校野球大会の歌〜」など数々の名曲を生み出してきた昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而氏と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルに、音楽と共に生きた夫婦の物語。

裕一の音楽留学は取り消しとなった。7月30日放送の第28回では、人生に絶望した裕一が叔父・茂兵衛(風間杜夫)の勧めるまま見合いをし、音楽と音(二階堂)への思いを断ち切ろうとしていた。

裕一の状況を知った音は、川俣へ急行。裕一が働く川俣銀行を訪ねたが、そこに裕一の姿はない。代わりに、愉快な先輩行員たちが音を出迎えた。

「裕一さんはいますか?音です。関内、音です」と名乗った音を見て、行内は大騒ぎ。裕一の先輩行員・鈴木(松尾諭)は「関内…音!?」と思わず書類を放り投げ、事務の昌子(堀内敬子)は「もしかして、文通相手の人!?」と音を凝視。

なかなか戻らない裕一について、支店長・落合(相島一之)は「なるほど、古山くんはあなたの一本前のバスに乗った…とすっと、1時間前(めえ)には…」と探偵さながらの推理を展開。

若手行員・松坂(望月歩)は、裕一の行く先について心当たりがないかと聞かれ「なんにも。バスの運転手は教会の方さ歩いて行ったと言っていました」と重要な手がかりを握っていたことに気づかず、昌子に「バカ!なんで早く言わねぇの」と叱られた。

■ “川俣銀行の人々”を演じる愉快な面々

自分の夢を選ぶか、家族の幸せを選ぶか…。川俣に養子に行くことが決まって以降、裕一が思い悩むシーンは多く、ドラマ全体にもどこか重苦しい雰囲気が漂う。そんな中、視聴者にほっと安らぎを与えるのが、川俣銀行の面々のコミカルな掛け合いだ。

支店長・落合役の相島は三谷幸喜率いる「東京サンシャインボーイズ」出身。三谷作品常連で、クスリと笑わせる演技はお手のもの。連続テレビ小説も「春よ、来い」(1994年)、「純情きらり」(2006年)、「花子とアン」(2014年)ときて本作が4作品目となる。

先輩行員・鈴木役の松尾も、多数の作品に出演する人気俳優。連続テレビ小説での印象も強く、2017年上期「ひよっこ」では北茨城交通のバス車掌・次郎役で登場。みね子(有村架純)たちの成長を地元で温かく見守る愛すべきキャラクターを作り上げた。続く2017年下期「わろてんか」ではアコーディオンを奏でる漫才師・川上四郎役。漫才師なのに引っ込み思案でしゃべりが苦手という設定や、相方・リリコ(広瀬アリス)との恋と名コンビぶりも話題を呼んだ。

事務員・昌子役の堀内は劇団四季出身。退団後もミュージカル作品で活躍するほか、舞台「12人の優しい日本人」(2005年)映画「THE有頂天ホテル」(2006年)など三谷幸喜作品をきっかけにコメディ作品での演技にも注目が集まり、今では舞台にドラマに映画にと引っ張りだこの人気女優だ。

入行2年目の松坂役・望月はドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(2019年、日本テレビ系)の陸上部員・瀬尾役で注目を集めた若手俳優。映画「ソロモンの偽証」(2015年)の1万人オーディションを突破した若き実力派で、連続テレビ小説は今回が初出演だが、先輩俳優たちとテンポのよい掛け合いを見せている。

頼りにならないようでたまに的を射た名言を口にする落合と、豪快な性格で後輩への思いやりにあふれた鈴木。常に前向きで明るいムードメーカー・昌子に、あからさまなゴマすりが愛嬌たっぷりの松坂。彼らは、裕一が笑顔を取り戻せるよう仕事そっちのけで知恵をしぼり、いつでも裕一に全力のエールを送る。そんな愛すべき川俣銀行の面々を芸達者たちがコミカルに演じ、視聴者にホッと一息つける遊びと癒やしを提供している。

だが、川俣銀行の面々とも間もなくお別れ。

上京を決意した裕一は川俣銀行の面々とも別れることになるが、8月26日から再放送される第11週「家族のうた」で裕一は地元に凱旋。彼らの元気な姿もふたたび見ることができる。

裕一の上京まで間もなく。残り少ない川俣銀行の仲間たちとのにぎやかな時間を楽しみたい。(文=ザテレビジョンドラマ部)(ザテレビジョン)