河瀬直美監督の新作映画「朝が来る」が10月23日(金)より全国公開。このたび、本作の場面写真と、各界の著名人から寄せられたコメントが公開された。
「あん」(2015年)、「光」(2017年)などで知られる河瀬監督が、直木賞作家・辻村深月のヒューマンミステリーを、実力派キャストをそろえて映画化した本作。実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった14歳の少女が、「特別養子縁組」を巡り、新たに芽生える“家族”の絆と葛藤を描く。
キャストは、実の子を持つことが叶わなかった夫婦である栗原佐都子役に永作博美、栗原清和役に井浦新。望まぬ妊娠をし、実の子を育てることができなかった少女・片倉ひかり役に蒔田彩珠。そして栗原夫婦とひかりを引き合わせる人物・浅見静恵役を浅田美代子が務める。
血のつながりか、魂のつながりか…現代の日本社会が抱える問題を深く掘り下げ、家族とは何かに迫り、それでも最後に希望の光を届ける感動のヒューマンドラマ。第73回カンヌ国際映画祭では公式作品「CANNES 2020」に正式に選出された話題の一作だ。
今回解禁された場面写真は、特別養子縁組によって朝斗(佐藤令旺)を家族に迎え入れた、幸せそうな栗原家の日常を切り取ったもの。また一転して、そんな栗原家の元に「子どもを返してほしい」と謎の女性が訪ねてくる不穏な場面も。相反するシーンが、心揺さぶられる物語を予感させる場面写真となっている。
※河瀬直美の「瀬」は旧字体が正式表記
そしてこのたび、各界の著名人たちからコメントが到着。河瀬組常連俳優の永瀬正敏をはじめ、芸能界きってのシネフィルとして知られる映像作家・俳優の齊藤工、また、自身も15年間不妊治療を続けていたという漫才師のハイヒール・リンゴや、不妊治療を経て特別養子縁組で子どもを迎えたことを公表している瀬奈じゅん・千田真司夫妻らが、それぞれの言葉で本作を称賛している。
■ 土屋太鳳コメント
この物語はあなたであり私。心を抉る「何か」が愛情なのかは分からないけれど、これだけは伝えたい。観て。
―― 土屋太鳳 (女優)
■ 齊藤工コメント
この作品を思い返すだけで
心が疼いてしまう
この作品の余韻で
感情が溢れてしまう
映画が始まってすぐにわかった
そこに“本当”が描かれていると
どうかアナタの心に、与えてあげてください
―― 齊藤工 (Filmmaker・俳優)
■ 永瀬正敏コメント
血の繋がりを持たない家族の固い絆と、親子の繋がりを失った母の葛藤…かけがえのない子供の存在を通して、様々な心の色が交錯し、その想いが観る側の心温度を果てしなく高めてくれる。
―― 永瀬正敏 (俳優)
■ 長谷川京子コメント
どこで手を差し伸べる事が出来たら、彼女は救われたのだろう?
答えは最後に。
どんなに辛くても、朝は来る。
―― 長谷川京子 (女優)
■ 鈴木保奈美コメント
ふたりが出会って、血を分ければ、家族になる。そんな簡単に?
だから彼と彼女は、ありったけの心を注いで家族を造った。
大丈夫、朝は来る。
―― 鈴木保奈美 (女優)
■ ハイヒール・リンゴ コメント
私は15年間、不妊治療を続けました。
自分の子供を持つ、と言うたって「普通」の事が出来ないと言うのは辛い事です。
親とは何なのか? 子供とは?
養子が世間から特別視される日本の「家族」をもう一度考える、そんな映画です。
―― ハイヒール・リンゴ (漫才師)
■ 石井光太コメント
産んで終わりじゃない。子供の将来のためには、育ての親と生みの親の両方が幸せになる必要があるんだ。
―― 石井光太 (作家)
■ 内田也哉子コメント
「叶わぬ想い」を抱えて生き続けることの苦悩と、人はどんなに生きる道が違えど、せめて心が心に寄り添うことだけはできるという希望を見ました。
―― 内田也哉子 (エッセイスト)
■ 沖田×華コメント
命は眩しいほど苦しくて悲しくて逃げられない。
その想いを受け止めた時、紛れもなくあなたは母親なのです。
―― 沖田×華 (漫画家)
■ 瀬奈じゅん&千田真司コメント
本作品を通して多くの方に特別養子縁組制度、そして新しい家族の形が広く認知されますように。
―― 瀬奈じゅん (元宝塚歌劇団月組トップスター)・千田真司 (& family 代表) 夫妻
■ 「朝が来る」STORY
一度は子どもを持つことを諦めた栗原清和(井浦新)と佐都子(永作博美)の夫婦は、「特別養子縁組」というシステムを知り、男の子を迎え入れる。それから6年、夫婦は朝斗と名付けた息子の成長を見守る幸せな日々を送っていた。ところが突然、朝斗の産みの母親だという女性・片倉ひかり(蒔田彩珠)から電話がかかってくる。
「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」。
当時14歳だったひかりとは一度だけ会ったが、生まれた子どもへの手紙を佐都子に託す、心優しい少女だった。渦巻く疑問の中、訪ねてきた若い女性には、あの日のひかりの面影はみじんもなかった。いったい彼女は何者なのか、何が目的なのか――?(ザテレビジョン)