人に言えない悩みは、誰にでもある。

自分の身体のことや「性的な秘密」なら、なおのこと気軽に打ち明けられないだろう。「これって私だけ?」などと悩む人が八方塞がりになる前に、是非一度見ていただきたい作品がある。ドラマ「17.3 about a sex」(毎週木曜夜11:00、ABEMA SPECIALにて放送、配信中)だ。悩みを打開するポイントとなるのは、理解しようとしてくれる人との出会いに尽きるのではないだろうか(以下、ネタばれが含まれます)。

■ 全世代の見たいテーマが満載

ドラマ「17.3 about a sex」は、17歳の女子高生3人が、恋にセックスに揺れ動くリアルな心情を描く、ひと夏の青春恋愛物語。フレッシュな永瀬莉子、田鍋梨々花、秋田汐梨ら若手女優がトリプル主演を務めており、SNS発の新世代アーティスト「まるりとりゅうが」の『ONE STEP』が主題歌のポップでさわやかなドラマ。

セックス、避妊、生理、体型の悩み、セクシャリティ…に初めて向き合い、時には悩み苦しみ、本音をぶつけ合いながらも自分たちの足で一歩”オトナ“へと踏み出すという設定や、キャストこそ若者向けであるが、一度見ればその内容は全世代の男女誰が見てもハッとさせられるテーマが真摯に描かれている。

■ “バイセクシャル”という秘密にザワつく教室

例えば、10月1日(木)に放送された第5話では、バイセクシャルの男子の物語。咲良(永瀬)と自然な形で両思いになった悠(水沢林太郎)は、「今までは男しか好きになったことがなかった」と打ち明ける。その告白に咲良は驚いて、悠と距離をとってしまう。

悩んだ咲良は、友人の紬(田鍋)と祐奈(秋田)に相談する。好きになった人が“バイセクシャル”だったというケースは、恋愛経験豊富な祐奈にも難問。「男同士でしてたってことでしょ」、「どうしよう」、「急に別の世界の人っていうか、感覚違うのかなって思って」と戸惑う咲良たちに対して、紬は「正直、ちょっと軽蔑した」と嫌悪感を露わにした。

他人に恋愛感情や性的欲求を抱かない“アセクシャル”の紬は、悠が差別されたり偏見の目で見られるのが許せなかったのである。

その後、悠が“バイセクシャル”であることがなぜか学内に広まる。しかし、悠は級友たちの心無い冷やかしに動じるような人ではなかった。生物部所属で、大人びた空気を醸し出す悠は、生き物や身体の仕組み、性の知識もあり「どんなことを言われようと僕は僕だから」とSNSで発信して偏見を一掃。「こうして広まっていることで自分を責めている人がいるから」と咲良をかばうほど、人間力の高さを見せた。

■ 信頼できる人を見つけた咲良たち

このドラマでは、何も知らない女子高生3人が、「処女卒業の平均年齢は17.3歳」だとか「ぶっちゃけ女子も1人でマスターベーションするの?」など性についての疑問を赤裸々に明かしていき、様々なケースや事実を調べていくことで成長していく。

その成長に欠かせないのは、性的な話題を茶化さず、誤魔化さず、きちんと耳を傾けて聞いてくれる人の存在である。

咲良が初めて、彼氏に同意の無い性行為をされそうになったとき、逃げ帰ってきた咲良の話をたくさん聞いてくれたのは友人の紬と祐奈だったし、恋愛に興味が持てない紬が「自分って変?」と悩んだときに 「“アセクシャル” というセクシャリティの持ち主なのよ」と生物部の城山先生(ソニン)が教えてくれた。精神的に強そうで落ち着いて見える悠だって、咲良という存在がいてくれたから大勢に向けてカミングアウトできたのだろう。

■ 性を知ることで広がる世界

友人や先生、周りの大人の中で、正しい知識を持つ信頼できる人に出会えたら、狭かった自分の固定観念が大きく広がるチャンスだ。もし、周りにいなければ、ドラマ「17.3 about a sex」のような作品との出会いが、役立つ日がくるかもしれない。

性の話題は、特に高校生のような年頃の若者にとって、甘美でワクワクするものであり、未知の扉を次々と開けていくようでたまらなくドキドキするだろう。しかし、そこに不安や恐怖なども付いてくる繊細な話題だということを忘れてはいけない。「あなたにはまだ早い」と“タブー視”して避けるのではなく、「sex」という言葉を知ったその日から、他人を思いやる気持ちを持って、様々なことを知っていくことが大事である。(ザテレビジョン)