10月6日(火)に最終回を迎える松岡茉優主演の火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系、毎週火曜夜10:00-10:57※最終話は15分拡大 夜10:00-11:12)。

このたび、WEBザテレビジョンでは、同ドラマのプロデューサーを務める東仲恵吾プロデューサーにインタビューを実施。作品のテーマやキャラクター、ドラマへの思いなどを語ってもらった。

本作は、2019年7月期金曜ドラマ『凪のお暇』の脚本を手掛けた大島里美による完全オリジナルラブコメディー。

松岡演じる、1円まで清く正しく美しく、“モノ”や“恋”に一途で、すべて計算通りの「清貧女」・九鬼玲子と、欲しいものには一直線でお金を使うことになんの迷いもなく、予定は未定な「浪費男」・猿渡慶太(三浦春馬)という金銭感覚が両極端な2人が出会い、ひょんなことから玲子の実家に慶太が住み込むことになる“おカネ修行”を通したひと夏の恋物語だ。

ドラマ内には、清貧女子、浪費男子をはじめ、自分に投資しすぎ女子、ドケチ節約男子など、金の使い方や人としても“ほころび”だらけの男女が登場し、価値観の違う相手に傷つき、傷つけながら、恋愛模様を繰り広げていく“じれキュン”ラブコメディー。

また、玲子が15年思い続ける初恋の相手・早乙女健役に三浦翔平、玲子と慶太が勤めるおもちゃメーカー「モンキーパス」で働く慶太の後輩・ドケチ節約男子の板垣純役には、北村匠海が出演している。

さらに、慶太の父で、おもちゃメーカー「モンキーパス」の社長・猿渡富彦役に草刈正雄、慶太の母・猿渡菜々子役にはキムラ緑子、民宿を営む玲子の母、九鬼サチとして南果歩が出演。

ほか、星蘭ひとみ、大友花恋、八木優希、アインシュタイン・稲田直樹と河井ゆずる、中村里帆、ファーストサマーウイカ、池田成志ら個性豊かな面々が登場し、毎話SNSを中心に盛り上がりを見せている。

■ 作品のテーマ「お金と恋」について

――今回の作品では「お金と恋」をテーマに物語が描かれていますが、このテーマで作品を企画された経緯などがありましたら教えてください。

元々「お金と恋」は、“現実”と“楽しい瞬間”という全く別の物だと思っていたんですけど、お金の使い方と恋愛の仕方って実は共通しているところがあるというか、比例しているんじゃないかな? と思うところがあったんです。

「お金の使い方」というとすごく現実的で、「恋愛」という楽しいものと一緒にするのは嫌だなって感じる人もいるかもしれないですけど、そこを逆に一緒にしてもいいなって思って、スタッフと打ち合わせを始めました。

――そうだったんですね。脚本は『凪のお暇』も担当されていた大島里美さんですが、大島さんが手掛ける脚本の印象を教えてください。

大島さんは『凪のお暇』でもそうだったのですが、キャラクターをとても丁寧に描かれていて、キャラクター一人一人に対して「こういう人いるよなー」って共感できる人を描いてくれます。

キャラクターをすごく優しい目で見ているというか、一見すると今回の主人公も“ほころび”という欠点だらけなんですけど、そういう人たちもかわいらしく思えるようなキャラクター設定をしていただけるんです。

あと、何よりもせりふですよね。心にグッと染み入るような、どこかうれしい気持ちに、前向きな気持ちになれるせりふを書いてくださっていますね。

■ 慶太であれば先入観なく玲子の所に来てくれる

――玲子と慶太のキャラクターを作るにあたりこだわった部分や、裏設定などはありますでしょうか?

主人公の玲子は、過去のある出来事がきっかけで“清貧”という価値観を持つようになったんです。この価値観は一見すると周りからは「変な人」「ケチ」って思われてしまうかも知れないけれど、自分の中でこれはいい、これはだめっていうのがしっかりしている芯の通った主人公にしたいと思い、玲子のキャラクターを作りました。

また昨今、人とのコミュニケーションが求められている中で、玲子が働く経理部のように仕事に実直で、自分が出来ることをこなして評価される、そういう職業に就いている設定も面白いかなって思いました。

慶太は、みんなの中の「浪費したい!」という思いを体現しているキャラクターにしたいと思っていました。

彼はいろいろなものを買ったり、短期間で別の物に目移りをしてしまったりするのですが、その一方で、たくさんのものに愛着を持っている愛が溢れている人なんです。

学校のクラスとか、会社にもいると思うんですけど、そういう人って周りの人の顔色をとても見ている気がします。

慶太も短時間で「この人が何考えてるのかな?どういう人なのかな?」って、先入観なく入ってくる人なので、そういう愛されるキャラクターにしたいと思い、慶太を作りましたね。

今回、玲子が周りの人から「変わり者」と印象付けられている中で、慶太であれば先入観なく玲子の所に来てくれて、その上で、自分が「辛いな…いやだな…」って、思った時に優しくしてくれる存在だったら、玲子の心の壁を開くことができるんじゃないかなって思ったんです。

■ こだわりの玲子の財布と実家

――玲子の手縫いのバッグや衣装がドラマ内に出てくると思うのですが、こだわりがありましたら教えてください。

玲子は、もの一つ一つに愛着を持っていて、彼女なりの「美学」というものがあるんです。ただ単に古いものを使っているからいいということではなくて、気に入ったものをずっと使い続けているような。

なので、最初に玲子の服装の方向性などを決める段階でスタイリストさんや、美術さんとたくさん時間をとって話しました。その中で特にこだわったのは、財布です。

玲子はかわいさと使いやすさの両方にこだわる人なので、財布の中もコインケースでひとつずつセパレートされていて、外側もかわいく見えるようにこだわって作りました。

――玲子の実家などのセットにもとてもこだわっているかと思うのですが、そちらについても教えていただけますでしょうか?

玲子の実家が鎌倉という設定で、またベースに「方丈記」の世界観があったので、台本を作っていく中で大島さんと話し合いまして、美術さんがそれを体現してくれましたね。

古いからいいということではなくて、日本の持つ価値観や昔からの素晴らしさを、今でもかわいらしいなって思えるような歴史みたいなものをセットで表現してくれました。

玲子も玲子のお母さんも自分の美学があるので、アンバランスなものも置いてあって、そのアンバランスなものをセットに溶け込ませるのには苦戦していましたね。

■ さまざまなバランスの難しさ

――先程、玲子と慶太のキャラクターについてお伺いしましたが、三浦翔平さん演じる早乙女と、北村匠海さん演じる板垣においてもこだわった部分がありましたら教えてください。

早乙女は玲子の初恋の相手なのですが、とても難しい役なんです。早乙女は玲子にうそをついてしまっているけれど、玲子にとっては15年間も思い続けている初恋の相手なので、最初に演じる時のバランス加減は難しかったと思います。

うそはついているけれど詐欺師みたいになっちゃいけないし、素敵であって欲しいけれど何か隠している人という、そういう部分のバランスは監督や翔平さんを含めて話し合いました。

北村君が演じていた役は、現代の人たちが一番理解できる“イマドキっぽい人”だったと思いますね。一方で、玲子に近い価値観を持っている役柄だったので北村君も難しかったと思うのですが、うまく演じてくれました。

松岡さんと北村君は昔から仲がいいみたいなので、お互いに温度感を合わせながら演じていたように感じました。

――作品の中ではラブストーリーだけではなく、コメディーを感じる部分もあったのですがバランスなどはどのように考えられたのでしょうか?

コミカルとラブのバランスって難しいんですよね。ただ、大島さんの脚本は登場人物一人一人の繊細な心情が物語を通してずっと流れているので、この流れだから言えるせりふ一言一言を大事にしました。

あとは、ちょっとぶっ飛んでいるようなコミカルなシーンは、どれくらいの加減でやっていくか議論しながら演じてもらいました。

■ 最終回のみどころは…

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

今回はオリジナルストーリーということもあって、皆さんの役柄と素が近かったように感じましたね。

カットがかかった後にそれぞれが話している姿も松岡さんは玲子っぽかったし、春馬君は慶太っぽかったし、ほかの人たちもその役柄のままという感じでした。なので、その様子を撮影してもドラマにできそうだなって感じるくらい楽しそうでした。

――撮影中にはアドリブ合戦などもあったのでしょうか?

この手のドラマってアドリブがしづらいんですが、皆さんがせりふの行間やリアクションを含めて演じていらっしゃった部分が撮影時にすごく楽しみで、「こういう風に演じるか!?面白いな!」って思うことが多かったです。なので、そういう部分がアドリブだったのかなって思いますね。

――最終回に向けてのみどころをお願いします!

正反対の二人の恋が最後にどうなっていくのかが、何と言っても見どころです。 そして、玲子が“清貧”になった過去の出来事も明かされて、それが玲子と、それを取り巻く慶太、早乙女、板垣にどのように影響していくのか、ぜひ、注目ください。

そして、今回は3話まで演じてくれた玲子と慶太、そして他の愛すべきほころびだらけの出演者を思い浮かべて、一部台本を作り直しました。

出演者の皆さん、もちろん役になりきって演じてくれましたが、一方で、役としてではない今の素直な気持ちも要所要所で垣間見えます。

そんな心身ともに全身全霊で向き合い、 “愛と感謝”を込めた特別な回となっています。 全力で紡ぎ上げた物語を皆さんに見届けていただきたいと思います。 (ザテレビジョン)