2016年に急逝した吉野朔実さん原作の「記憶の技法」が、女性監督の池田千尋により、ガールズダンス&ボーカルグループ・E-girls のパフォーマーであり、女優の石井杏奈主演で映画化され、11月27日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開されることが決定した。

吉野さんにとっては、自身の原作の初の実写化が実現したことになる。

東京に住むごくふつうの女子高校生の鹿角華蓮(かづのかれん)は、幼少期の記憶の断片が不意に脳裏をよぎり、しばしば意識が飛んでしまう、奇妙な記憶喪失癖に悩んでいた。

そんなある日、韓国への修学旅行のためにパスポート申請用の戸籍抄本を手にした華蓮は、自分に“由(ゆかり)”という姉がいたことを知る。しかも由は、4歳の時に死亡し、華蓮は“松本”という家から、今の両親に引き取られた事実が判明する。

本当の親はどこにいるのか。なぜ、自分は養子として出されたのか。そのすべてを知りたい華蓮は、嘘をついて修学旅行をキャンセルし、出生地の福岡へ旅立つ。

そのルーツ探しに協力してくれた青い瞳を持つ同級生、穂刈怜(ほがりさとい)とともに、現地調査を行う華蓮は、失われた記憶のピースをたぐり寄せながら、想像を絶する真実に迫っていく――。

黒沢清監督の愛弟子の池田監督が、脚本に、二度目のタッグとなる高橋泉を迎え、この吉野ワールドの映画化に挑んだ。

そして、主演の石井が、ひたむきに、自らの心の扉を開こうとする華蓮の変化、成長をみずみずしく演じきった。

また、本作が惜しくも引退作品となった栗原吾郎が、偶然のなりゆきで華蓮の旅のパートナーとなり、自らも心にかっ藤を抱える青い目を持つ孤独な少年の怜を、柄本時生が記憶をめぐるミステリーのキーパーソンと言うべき、金魚屋の青年役を、小市慢太郎と戸田菜穂が華蓮を深く愛しながらも重大な秘密を隠し持つ両親役を演じている。

ある日突然、衝撃の事実に直面した多感な少女が、その謎解きのさなかに、何度も胸を引き裂かれながらも、未来への一歩を踏み出すために、ありったけの勇気をふるい起こして、自分自身が何者なのか、と真実を追い求める。孤高の文学的な香りをただよわせ、人間の深遠なる“心”の領域を探求した、吉野さんの原作を忠実に描いた、心理サスペンス映画の誕生だ。

(※高橋泉の高は、はしごだかが正式表記)(ザテレビジョン)