映画「タイトル、拒絶」主演・伊藤沙莉の個性が爆発する本編冒頭5分映像を独占公開!
■伊藤沙莉「誰にも渡したくなかった」
第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門でワールドプレミア上映を飾り、伊藤が東京ジェムストーン賞を受賞した本作。劇団「□字ック」の主宰で劇作家・演出家の山田佳奈が2013年に初演した同名舞台の映画化で、山田監督にとっては長編初監督作品となる。
それぞれが抱える事情にあらがいながらも力強く生きようと進む、セックスワーカーの女たちの姿を描く。
伊藤が演じるのは、以前に体験入店で店に来たものの、いざ行為の段階になって怖気づいてホテルの外に助けを求めて逃げ出した女・カノウ。伊藤自身が「誰にも渡したくなかった」と話すほど意欲的に臨んだ役だ。
店では、若くてモデルのような体型のオンナが入店したことでデリヘル嬢たちの序列に変化が起き、彼女たちの人間関係やそれぞれの人生背景が崩れていく――というストーリーが描かれる。
人気デリヘル嬢・マヒル役で恒松祐里が出演するほか、でんでん、森田想、モトーラ世理奈、池田大、田中俊介、般若らが出演している。
■「タイトル、拒絶」のメッセージこもった5分間
都内某所、線路沿いに立つ女性・カノウ(伊藤)。全力疾走した後のようで肩で荒い息をし、開口一番「私の人生なんてクソみたいなもんだと思うんですよね」と言い放つ。
あられもない下着姿で立つカノウのすぐ横には「悪質なポン引 街娼が増えています 相手の客も処罰の対象となります」という立て看板が置かれている。
就職活動で挫折し、デリヘルの世界に飛び込んだカノウ。手で顔を隠してプロフィール写真を撮影し、初めて客の前に出る。とあるセックスワーカーの鬱屈した日々を描いた作品か…と思いきや、次の瞬間カノウは「うわ、無理!」とわめき出し、「大丈夫」「君はかわいいから」と引き留める客に「可愛くないっす、そういうのいらないっす。マジで無理!」と蹴りを食らわせ逃走!そこから続くのが、冒頭の線路沿いのシーンだ。
小学生時代、「カチカチ山」で主役のタヌキを勝ち取ったはずが誰にも見向きもされなかったという切ない過去を持つカノウ。「でも、そんなのはどうだっていいわけです。あくまでもタヌキだって、物語の主人公であるわけですから」と力強く自己肯定。そして、人生の新たなステージへと踏み出していく。
流れに流されるのではなく、自分の意思で道を選び取っていく――そんな、強い女性を愛嬌たっぷりに演じることができる伊藤。彼女が紡ぎ出す、切実だがどこかユーモラスな、一筋縄ではいかないセックスワーカーの物語に期待が高まる。