指揮官交代しても揺るがぬ信頼

華麗にパスを回し、美しく勝利する。これこそがバルセロナの哲学。しかし、今のチームにはそんな哲学にとらわれないプレイを披露するファイターがいる。チリ代表MFアルトゥーロ・ビダルだ。

攻守にバランスのとれた優秀な選手ではあるものの、やや守備型というイメージがあるビダル。それだけにバルセロナが誇るパスワークの心臓部である中盤において、彼はかなり異色の存在としてファンに認識されていることだろう。ゲームメイカーとしてエレガントにプレイする選手が多い中、この男はサッカー界でも屈指の“泥臭さ”を持ったボールハンター。人々がそう感じるのも無理はない。

しかし、この男はバルセロナにとってかなり重要な存在なのだ。異質であるからこそ、似たようなタイプが揃うチームの中で彼にしかできない役割がある。積極果敢なボールハントは他の選手に真似できないことであり、ビハインド時などには彼のアグレッシブさが閉塞した局面を打開する。スタメン出場の機会こそ少なかったものの、エルネスト・バルベルデ前監督がこの中盤戦士を重宝していたことは記憶に新しいところだ。

そして、現政権でもその重要度は変わりないか。キケ・セティエン監督もビダルには全幅の信頼を置いている様子。現地時間8日に行われるエスパニョール戦前の会見にて、指揮官はこのファイターを次のように称えている。スペイン『MARCA』が伝えた。

「ビダルの残留を私も願っているよ。彼はその熱意とコミットメントで我々に多くのものを与えてくれる。常にハードワークをして、いつも仲間を手助けする準備ができている。これは称賛に値することだよ。チームにそのような選手がいればこれほど良いことはない。彼が今後もチームに居続けるかはわからないけれど、私は頼りにしているよ」

今季限りでの退団も噂されるビダルだが、はたしてこの男は2020-21シーズンもチームに欠かせない存在としてバルセロナでのプレイを続行するのだろうか。放出となれば、ブラウグラナにとっては大きな痛手となりそうだ。