チームはリーグ制覇も蚊帳の外

昨夏レアル・マドリードは6000万ユーロ(約72億円)もの資金を投じて、2018-19シーズンにブンデスリーガで大暴れした若きストライカーを確保した。当時まだ21歳だった若者にこれほどの値がついたことに、多くのファンが驚いたことだろう。その若きストライカーとはフランクフルトからやってきたセルビア代表FWルカ・ヨビッチのことである。

しかし、大きな期待を背負って銀河系軍団の一員となったヨビッチに対する評価は、この一年で大きく変わってしまった。ベンゼマのポジションを奪うとまではいかないが、ファンに期待を持たせる活躍をしてくれれば合格点。そう思っていた人も多いはずだが、2019-20シーズンのヨビッチは全くと言っていいほど活躍できず。ここまでは公式戦25試合(スタメン4試合)の出場でわずかに2ゴールのみと、周囲の期待を大きく裏切る結果となっている。

だが、何よりも目立ったのはピッチ外でのトラブルだ。新型コロナウイルスによる中断期間中、ヨビッチは検疫ルールを破ってパーティーに参加。大きな批判を浴びることとなったが、先日は懲りずにリーガ ・エスパニョーラの再開プロトコルに反して、他クラブの選手とともにバーベキューを開催。その他にも自宅で“謎の骨折”をするなど、今ではすっかり問題児のイメージが定着してしまった。今季レアルは3シーズンぶりのリーグ制覇を成し遂げたが、ヨビッチはすっかり蚊帳の外だったと言える。

そんなレアルで苦しい時間を過ごすヨビッチを心配する人物がいる。独『Sport Bild』によると、レッドスター・ベオグラードのユース時代に彼を指導したドラガン・ムラデノビッチ氏がかつて教え子について次のように語っている。

「もうこれ以上間違いは犯してほしくないね。それと、スペインのリーグでは現地の言葉を話せないと、成功するのは難しい。支えてくれる人が多かったからフランクフルトでは成功できたけれど、今の彼に手を差し伸べてくれる人は少ないだろう。そういった意味でも、彼はもっと大人な対応をすべきだったと感じるよ」

ヨビッチは自身を助けてくれる人も自らの行動で遠ざけてしまったとムラデノビッチ氏。現在22歳となった青年は、もう少し自分の気持ちにブレーキをかける術を学ぶべきか。レアルで燻る“6000万ユーロの問題児”。ここからヨビッチの評価大逆転はあるか。