アトレティコでも立場は厳しい

アーセナルで出番を失い、出場機会を求めて今夏アトレティコ・マドリードにやってきた南米産の守備的MFだったが、スペインでも彼の過ごす苦しい時間は続いている。はたして今後、ウルグアイ代表MFルーカス・トレイラに立場逆転のチャンスはあるか。

2020年夏のマーケット最終日に、アーセナルから1年間のローンでアトレティコに加入したトレイラ。しかし、再起を図った先でもこのウルグアイ代表MFはなかなかチャンスを掴むことができていない。今季はここまで公式戦10試合の出場でプレイタイムはわずか303分。1試合平均で30.3分の出場時間とは、なんとも寂しい数字と言えるだろう。かつてアーセナルファンの間で“パトリック・ヴィエラの後継者”とまで期待されていた選手とは思えないほど、アトレティコにおけるトレイラの立場は厳しいものとなっている。

しかし、一体なぜトレイラは新天地でもここまで試合に絡むことができていないのか。その大きな要因となっているのが、MFトマ・レマルの好調とMFジョフレイ・コンドグビアの加入だ。昨季までなかなか存在感を示すことができていなかったレマルだが、今季このフランス人MFは多くの場面で攻撃に違いを作り出している。一見トレイラとはなんの関係もないように思えるが、彼の好調によってそれまでセカンドトップに入っていたMFマルコス・ジョレンテがボランチとして先発する試合はここのところ増加しているのだ。

そうなれば、ひとまずトレイラが狙いたいのは途中出場からゲームを閉めるクローザーの任務だ。たとえ出場時間が短くとも、その中でキラリと光るプレイを披露することさえできれば今後の先発起用も見えてくる。しかし、現在その役割を任されているのはコンドグビアとなっており、トレイラに付け入る隙はほぼないと言っていい。現時点でのアトレティコは、トレイラなしでも十分にチームを回すことが可能となっているのだ。その影響は大きく、同選手は直近のリーグ戦3試合でベンチ入りこそすれど出場は“ゼロ”。アピールチャンスは以前よりもさらに限定されることとなってしまっている。

「トレイラは再起を図るためにイングランドからスペインにやってきたが、今での状況は最悪と言えるものになってしまった。レマルの台頭とコンドグビアの獲得はクラブにとって明るい材料だったが、トレイラにとっては間違いなく向かい風となった。仕事に対する熱意と献身性を兼ね備えた彼はチョロ(ディエゴ・シメオネ監督)のスタイルに調和するとも思われたが、蓋を開けてみれば結果は散々なものになってしまっている」

トレイラの現状についてはスペイン『AS』もこのように綴っている。イングランドで下落してしまった評価をスペインでもなかなか再浮上させることができていない南米産の守備的MF。冬の移籍市場ではセリエAのトリノが獲得に動くとも伝えられるが、はたして彼は今後かつての姿を取り戻すことができるのか。24歳の逆襲にはこれから期待したいところだが……。