同じ仕事をしたからこそのアドバイス

現在のバイエルン・ミュンヘンにおけるチームの心臓。ドイツ代表MFジョシュア・キミッヒのことをそう表現しても、そう異論は出ないだろう。昨季からチームを牽引する存在ではあったものの、昨夏にMFチアゴ・アルカンタラがリヴァプールへと移籍した影響により、中盤の底でパスを捌ける同選手の重要度はさらに増した。もともとはサイドバックとして同クラブにやってきた彼だが、今後はMFとしてバイエルンの歴史に名を刻む選手になっていくのだろう。

そんなキミッヒが今季ブンデスリーガで記録しているパス成功数は実に「535」。負傷による影響で5試合を欠場したにもかかわらず、今なお同スタッツでリーグMF中9位にランクインしているのは流石としか言いようがない。その成功率も90.22%と高水準。加えて、彼は何も安全なパスばかりを通しているわけではなく、彼はロングパス成功数でも今季ブンデスでプレイしているMFの中で最も多い71本を記録している。

そんな、バイエルンで“スーパーMF”とも言える存在になりつつあるキミッヒ。サイドバックとしてもかなり優秀な選手だったが、彼はこのまま中盤の選手としてキャリアを形成していくべきなのだろうか。いずれのポジションもマルチにこなせる選手として活用していく方法もあるが、かつてバイエルンでキミッヒと似たような役割を担ったフィリップ・ラーム氏は彼のポジションについて次のように語る。独『Spox』が伝えた。

「ジョシュアは年々力強い発展を遂げており、バイエルンとドイツ代表の双方にとって大きな価値がある選手だ。あのレベルで右サイドバックと中盤の深い位置を両方こなせる選手はそうそういない。その才能を見出したのはペップ・グアルディオラだが、彼のおかげでキミッヒは最高の経験を積み成長することができた。だが、私は彼がこれからも中盤で勝負するべきだと思っているよ。その位置であれば、彼は世界最高の一人になれると私は思う。もちろん、サイドバックとしても素晴らしい選手だけどね。でも、複数のポジションをこなすのは選手にとって非常に消耗することなんだ」

SBとしての才能も惜しいが、今後も臨機応変に複数ポジションを任せるのはキミッヒに良くない影響を及ぼすかもしれないとラーム氏は危惧している様子。昨季終盤戦、ハンジ・フリック監督は一時的に彼をSBとして起用したが、どうにもならない緊急事態以外でこの25歳を別のポジションで起用することは避けるべきか。現役時代に同じ仕事をこなしたラーム氏だからこそわかることもあるのだろう。優れたユーティリティ性を備えるキミッヒだが、真のワールドクラスとなるためには一つのポジションに集中すべきなのかもしれない。