6ポイントゲームが少ない

昨季までの直近2シーズンにおいて、リーグ戦での黒星はわずか4つ。圧倒的な強さで悲願のプレミアリーグ制覇を成し遂げ、欧州最強のクラブとの呼び声も高かったリヴァプールだが、今季はその面影がほとんどない。負傷や新型コロナウイルス感染といった離脱者が続出している影響もあって、来季のチャンピオンズリーグ出場権がかかっているトップ4フィニッシュすら非常に厳しい状況となっている。

すべては、守備の要であるDFフィルジル・ファン・ダイクのエヴァートン戦(第5節)での負傷から始まった。DFジョー・ゴメスやDFジョエル・マティプ、MFチアゴ・アルカンタラ、MFジョーダン・ヘンダーソン、FWディオゴ・ジョタなど、主力選手のほとんどが一度は離脱を余儀なくされており、ここまで元気にピッチに立ち続けているのは左サイドバックのアンドリュー・ロバートソンぐらい。前線の被害もそれほど大きくはないが、ヘンダーソンやファビーニョといった中盤の選手がセンターバックの代役を務めることで中盤が薄くなり、前線への繋ぎやサポートに粗が目立つことも。攻撃陣がそもそも決定力不足に陥っている影響もあるが、その結果、直近8試合で5得点と昨季までの強力な攻撃力は鳴りを潜めている。屈辱のホーム6連敗という不名誉な記録まで打ち立ててしまっているのだ。

消化試合に多少前後はあるものの、プレミアリーグも残すところ10試合を切った。昨年末からの快進撃により、マンチェスター・シティの優勝は堅そうだが、CL・ELの出場権争いの行方はまだまだわからない。ただ、4位チェルシーとの勝ち点差が5ポイントとなっている6位リヴァプールにとって、トップ4フィニッシュによる来季のCL出場権獲得は少々難しい現状となっているのかもしれない。

勝ち点差だけ見れば十分射程圏内だが、リヴァプールは残りの試合で上位陣との直接対決、いわゆる6ポイントゲームが第34節マンチェスター・ユナイテッド戦しかない。そのマンUともすでに11ポイントも離されているため、リヴァプールは自ら上位陣との差を縮める術がないのだ。マンCやレスターといった強豪クラブとの戦いを控えているチェルシーに比べて、勝ち点を積み上げやすいという見方もできなくはないが、追いかける側としてこの終盤で相手を直接叩けないのは非常に痛い。

実際、リヴァプールの指揮官を務めるユルゲン・クロップ監督も独『Bild』のインタビューで「私は楽天的な人間でありたいが、リーグ戦において、チャンピオンズリーグの出場権を獲得するのはほぼ不可能だと思う。トッテナムはガレス・ベイルが再びプレイし始め、競争力が増している。加えて、シティとユナイテッドとは遠く離れている。チェルシーも上昇傾向にあり、リーグ戦を通じてチャンピオンズリーグの出場権を獲得するのは難しいだろう。それを私たちもよく理解している」と明かしている。

ただ、熱いハートを持つクロップが来季のCL出場権を簡単に諦めるはずがない。あくまで「リーグ戦を通じて」の出場権獲得が「ほぼ不可能」であって、目指すべきは2年前に味わった喜びを再現する欧州制覇による獲得ルートか。はたして、リヴァプールは来季も欧州最高峰の舞台に立つことができるのだろうか。