シーズンも閉幕まで約1ヶ月、来季の選手編成に関わる動きが水面下で始まっています。オーレ・グンナー・スールシャール監督が続投濃厚となっているマンチェスター・ユナイテッドは重要なポジションで決断を下そうとしています。

 近年、GKに関してはレギュラーかサブかの序列を本人たちに伝えることがフェアだと考えられてきました。とりわけ代表クラスの選手にとって出場機会の有無はチームを決める重要な要素として明白にする必要がありました。

 ダビド・デ・ヘアは今季も一番手としてチームを支えてきましたが、低調なパフォーマンスとディーン・ヘンダーソンの台頭もあり、3月から控えに甘んじる機会が増えてきました。クラブ在籍10年、スペイン代表GKにとって決断を下す時が近づいています。

 先月、デ・ヘアはパートナーとの間に第一子が誕生したことを公表しました。スールシャール監督に出産に立ち会うことに関して承諾を得た彼は、母国で数日を過ごしていました。パートナーのエドゥン・ガルシアは歌手であり、司会者としてもスペインでは人気を博している存在。妻の意向も今後を決める鍵になりました。

 英紙『Daily Mail』は、パリ・サンジェルマンやミランに移籍する可能性を示唆しながらも、現実的な選択肢としてマドリードの2クラブになるのではないかと報じています。レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードにはそれぞれクルトワ、オブラクといった絶対的守護神が君臨していますが、レアルとは6年前に契約寸前まで進展して破談した過去があり、アトレティコのオブラクには移籍の噂があるということです。

 ユナイテッドはヘンダーソンの安定感が十分な評価に繋がっていること、また新たなフィールドプレイヤー獲得の資金を捻出したいことも要因として、デ・ヘアの移籍を容認する方向で調整に入ったようです。デ・ヘアの報酬は破格の週給37万5,000ポンド、契約を2年残していることから5,000万ポンドを契約解除条件として交渉先を模索しています。さらに、ここにきてウェストブロムのサム・ジョンストン獲得の噂が表面化しました。元々ユナイテッドのアカデミー出身でイングランド代表のガレス・サウスゲイト監督にも評価されている逸材です。二番手として古巣に復帰する決断をするかどうかは不明ですが、こういう話題が報じられること自体、チーム編成が動き出している証拠ではないでしょうか。

 プレミアリーグの覇権奪還とチャンピオンズリーグの舞台が待っているユナイテッド、戦力アップに動き出しています。

文/西岡 明彦

※電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)256号、4月15日配信の記事より転載