EUROでまさかの冷遇

大会前には攻撃陣の中核を担う存在になるとの声もあったが、そんな予想に反してEURO2020でなかなか出番が巡ってこない男がいる。その男とは、今大会イングランド代表のベンチを温め続けるFWジェイドン・サンチョ(21)だ。ドルトムントでは継続して印象的なパフォーマンスを披露している同選手だが、ナショナルチームではその実力を十分に発揮することができていない。

今回のEUROにおけるここまでの出場時間はわずか“6分”。グループステージ第1節のクロアチア代表戦でベンチ外となった段階では、まだ先を見越したローテーションの一環だという見方もできただろう。しかし、ここまでプレイタイムが少ないとなると、話は別だ。ガレス・サウスゲイト監督のなかで、彼の序列は相当に下がっているのかもしれない。

しかし、次戦こそそんなサンチョに出番は回ってくるか。なにしろ、イングランド代表が決勝トーナメントのラウンド16で対戦するのは、彼がプレイするブンデスリーガ勢も多いドイツ代表だ。同代表の3バックを務める選手のうち、アントニオ・リュディガーこそプレミアリーグのチェルシーに所属する選手だが、それ以外の2人の特長はサンチョもよく理解しているはず。マティアス・ギンターは普段からリーグ戦で対峙しており、マッツ・フンメルスにいたってはドルトムントのチームメイト。もちろん戦術とのバランスも考慮しなければならないが、このドイツ戦以上にサンチョが輝きそうなシチュエーションというのもないだろう。

「数分間でもプレイできたのはよかったよ。間違いなく、僕にとっては特別な時間だった。決して忘れることはないだろう。そして、うまくいけばもっと多くのプレイタイムを掴むことができると思う。多くのチャンスをもらえれば、僕は自分にできることを最大限示したいと思っている。競争は激しいけれどね」(英『Daily Mail』より)

サンチョ本人も、自身と縁のあるドイツ代表との一戦には気合十分な様子。出場機会さえ与えてもらえば、そのなかで自分の持てる限りのことをすると話している。

一度ピッチに立てば大車輪の活躍を披露できるはずだが、現時点ではそのチャンスに恵まれていないサンチョ。はたして、ドイツ代表戦でこの男が先発起用されることはあるのだろうか。今大会では各方面から疑問の声も上がっているサウスゲイト監督のスタメン選びだが、決勝トーナメント初戦における指揮官の選択はいかに。