直接のライバルになるケースも

2017年にマンチェスター・シティを離れた選手が、4年の時を経てマンチェスター・ユナイテッドの選手としてプレミアリーグへ戻ってくる。このシナリオを想定していたサポーターはどれだけいただろうか。

1日、マンチェスター・ユナイテッドはドルトムントに所属するイングランド代表FWジェイドン・サンチョの獲得で原則合意に達したと発表した。

サンチョはマンCのアカデミーに在籍していた選手だが、2017年にドルトムントへ移籍。ブンデスリーガでスタープレイヤーとなり、マンUの目玉補強として今夏にイングランドへ戻ってくる。マンCにとっては強烈なライバルとなるはずで、新シーズンのダービーマッチは何かと注目を集めることだろう。

結果論ではあるが、サンチョをマンCのトップチームで育てていればと悔やむサポーターもいるだろう。サンチョがここまでのアタッカーに成長すると予想していた人は少ないかもしれないが、今やサンチョはワールドクラスのチャンスメイカーだ。

マンCのアカデミーを離れた選手がプレミアのライバルクラブで活躍するケースは、サンチョに始まったものではない。過去にも似たようなケースはあった。

マンC出身であることが忘れられている者もいるか

例えば現レスター・シティGKカスパー・シュマイケル。父のピーター・シュマイケルはマンUで活躍したレジェンドGKだったが、息子カスパーは2002年にマンCのアカデミーに入っている。トップチームでも10試合出番を得たが、定位置を確保出来ないまま2009年にノッツ・カウンティに完全移籍。

その後は下位リーグにて経験を積み、2014年にレスターの選手としてプレミアに戻ってきた。2015−16シーズンにはレスターのプレミア制覇に大きく貢献しており、マンC側はカスパー・シュマイケルがここまで成長するとは考えていなかったか。現在EURO2020でベスト4に残っているデンマーク代表でも不動の守護神だ。

EUROに出場している選手では、イングランド代表DFキーラン・トリッピアーもマンCのアカデミー出身選手だ。しかしトップチームでは出番を得られず、2011年にバーンリーへ移籍。そこから2部で経験を積み、2015年にトッテナムへ移籍。カスパー・シュマイケルと似たキャリアとなっており、2020−21シーズンはアトレティコ・マドリードの一員としてリーガ・エスパニョーラ制覇にも貢献した。

特別な才能を持っていた選手では、リヴァプールで活躍したFWダニエル・スタリッジもマンCのアカデミー出身だ。スタリッジは怪我の多い選手だが、天才肌のアタッカーとして高い評価を受けていた。マンCのトップチームでも20試合以上に出場したが、2009年にチェルシーへ移籍。最終的には2013年に移籍したリヴァプールで才能が完全開花することとなったが、ルイス・スアレスと組んだ2013−14シーズンのパフォーマンスは圧巻だった。順調なキャリアになっていれば、マンCでもセルヒオ・アグエロと見事なコンビネーションを見せたかもしれない。

サンチョの場合は直接のライバルであるマンUに加わることになるが、新シーズンは古巣マンCを追い詰める存在となるのだろうか。このライバル関係は注目を集めるはずで、新シーズンもマンチェスターの両クラブがプレミアを大いに盛り上げてくれそうだ。