アタッカーにとっては1番厄介なタイプのDF

EURO2020でファイナルまで進んだイングランド代表では1失点に抑えている守備陣が高い評価を得ているが、その中でも称賛すべきなのがDFカイル・ウォーカーだ。

ジョン・ストーンズとハリー・マグワイアの方が称賛される機会は多いように見えるが、ウォーカーの存在も見逃せない。4バック時では右のサイドバック、3バックでは右のセンターバックを担当できるユーティリティ性を持ち合わせており、指揮官ガレス・サウスゲイトからの信頼も厚い。

何よりの魅力は圧倒的な身体能力にあり、ストーンズとマグワイアが持ち合わせていない爆発的なスピードを備えている。英『sky Sport』のデータでは、ここまでウォーカーは1試合平均6.2回のボールリカバリーを記録している。これはイングランド代表の中で最多の数字だ。

準決勝のデンマーク戦では売出し中のMFミッケル・ダムスゴーに最終ラインの裏を突かれそうな場面があったが、そこもウォーカーがカバー。スピードでウォーカーを振り切れるアタッカーは極めて少なく、スタートが遅れても追いつくことが出来る。この広範囲のカバーリング能力は現代サッカー界のDFにとって極めて重要な要素だ。

ここまでEURO2020でウォーカーは480分間プレイしているが、何と1対1で突破された回数はゼロとなっている。デンマーク代表の左ウイングバックを務めるヨアキム・メーレ、クロアチア代表FWイヴァン・ペリシッチなど相手の左サイドには厄介なプレイヤーもいたのだが、ウォーカーは彼らを見事に抑えている。

ややビルドアップの面で不用意なパスミスはあったものの、それでもウォーカーの貢献度は大きい。31歳を迎えてもスピードに衰えは見られず、現サッカー界最速プレイヤーの1人と言っていい。イングランドの守備が完成しているのも、ウォーカーの存在が大きいのだ。