ついに生まれた待望の“移籍後初ゴール”

入団決定時より大きな期待を背負っていたものの、やはりこのストライカーの才能は本物か。昨季プレイしたチェルシーではなかなか存在感を示すことができていなかったものの、新天地のセリエAで若きストライカーが暴れている。

そのストライカーとは、今夏ASローマに加入したFWタミー・エイブラハム(23)だ。移籍後初出場となったセリエA開幕節のフィオレンティーナ戦でさっそく2アシストを記録する鮮烈デビューを飾った男は、ヨーロッパ・カンファレンスリーグ予選を挟んで行われた現地時間29日のリーグ戦第2節・サレルニターナ戦でも素晴らしい活躍を披露。これまで出場した公式戦2試合と同じく最前線の中央で起用された同選手は、プレイした83分間でまたもや大きなインパクトを残している。

そのなかで、まず語るべきは52分の場面だろう。このシーンにて、エイブラハムは味方からゴール前に入った縦パスを見事に捌いてチームの得点を演出。ボールを受けた際には相手DFを背負う形で身体の自由が利かなかったものの、彼はそこから見事なボディバランスと柔らかなボールタッチで近くにいたヘンリク・ムヒタリアンへとパスを供給することに成功した。すると、その落としを受けたムヒタリアンがそのままラストパスを送り、走り込んだジョルダン・ヴェレトゥが見事にフィニッシュ。得点やアシストの記録こそ残らなかったものの、エイブラハムの粘りからローマにこの日2点目となるゴールが生まれた。

そんな素晴らしいポストプレイを見せたエイブラハムだが、この日の彼はこれで終わらない。チーム2点目の起点となった17分後、同選手には待望の移籍後初ゴールも生まれたのだ。69分に右サイドから味方のパスを受けた同選手は、そのボールに対してダイレクトで迷いなく右足を振り抜く。ゴールからは少し距離があったものの、ボールは一瞬で左ポストに当たりながらゴールの中へ。吸い込まれたというよりは、“ねじ込んだ”という表現のほうが的確だろう。目の覚めるような強烈なシュートで、エイブラハムは移籍後初ゴールを奪うことに成功。味方を活かすプレイもさることながら、彼はこの試合でストライカーとしての能力の高さも見せつけている。

「モウリーニョ・ローマの主人公」。サレルニターナ戦での活躍を受けて、伊『Gazzetta dello Sport』もエイブラハムのことはこのように称賛している。味方のゴールを演出することも、自ら得点を奪うこともできるジャッロロッシの新エース。スタートからエンジン全開の新加入FWが、今季セリエAを席巻する予感だ。