実力者3名を手堅く補強

バルセロナからパリ・サンジェルマンへと向かったFWリオネル・メッシの取引を筆頭に、2021年夏の欧州移籍市場はビッグディールが相次いで成立した。メッシ以外にもワールドクラスの実力者を多数獲得したPSGに加えて、クリスティアーノ・ロナウドやジェイドン・サンチョにラファエル・ヴァランも確保したマンチェスター・ユナイテッドなど……。大補強を敢行したクラブが多かった印象は強い。

そんなド派手補強を行ったメガクラブによって少し影は薄くなっているが、堅実に素晴らしい補強を成功させたのがアトレティコ・マドリードだ。今夏、同クラブはウディネーゼからMFロドリゴ・デ・パウル(27)、ヘルタ・ベルリンからFWマテウス・クーニャ(22)、そしてマーケット最終日にバルセロナからFWアントワーヌ・グリーズマン(30)を確保することに成功している。

まず、特筆すべきはデ・パウルの加入だ。優れたテクニックで中盤に違いをもたらしつつ、守備でも献身的な働きを見せる彼は、“シメオネ流”にマッチしながら攻撃でも中盤に違いを生むことができるプレイヤー。リーガ・エスパニョーラ第2節のエルチェ戦ではさっそくその能力の高さを証明しており、同選手は39分に味方と連係した激しい守備からボールを奪い、その後供給した鮮やかな浮き球のスルーパスでFWアンヘル・コレアの決勝点をアシスト。彼が攻守でチームに貢献できることは、この1プレイからも見て取ることができたはずだ。

そしてクーニャとグリーズマンの前線2人もまた、“シメオネ流”に適合するプレイヤーだろう。以前アトレティコでプレイしていたグリーズマンは言わずもがな、クーニャも対人のバトルには強い。実がこのブラジル人FW、昨季のブンデスリーガでは全体で3位となる地上戦勝利数(190回)やリーグFW中2位となるタックル成功数(36回)を記録しているのだ(データサイト『SofaScore』より)。攻撃時のテクニカルなプレイも目立つアタッカーだが、そのデュエルの強さには定評がある。

PSGやマンUなどと比べれば少し影が薄いかもしれないが、自分たちの戦術コンセプトに沿った実力者を堅実に補強してきた今夏のアトレティコ。サウールの放出こそ痛かったものの、彼らの過ごした夏は満足いくものだったに違いない。