どんな状況でも「チームの勝利」が一番

すでにリーグ連覇を決めている川崎フロンターレ。フロンターレ・サポーターにとっては、残りの試合でチームがどこまで勝ち点を伸ばせるのかも気になるところではあるだろうが、今最も注目している点はやはり得点王争いの行方ではないだろうか。

20日に行われた明治安田生命J1リーグ第36節で、セレッソ大阪と対戦した川崎。敵地での戦いながら前後半に2点ずつを奪い、4-1の勝利を収めた。そして、この一戦で素晴らしいパフォーマンスを披露した選手のひとりが、得点ランキングで2位につけている元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアンだ。

2試合ぶりにスタメンに名を連ねたダミアンは、開始早々の5分にゴールネットを揺らし、チームに先制点をもたらすと、前半終了間際の40分に追加点をゲット。2ゴールの活躍でチームの勝利に大きく貢献するとともに、今季リーグ戦でのゴール数を「20」まで伸ばした。他会場で行われた試合で、得点ランキングの首位に立つ横浜F・マリノスのFW前田大然(21ゴール)がノーゴールに終わったため、ダミアンは2試合残して首位との差をわずか「1」まで縮めている。逆転得点王も十分射程圏内なのだ。

さらに、ダミアンの素晴らしいところは、迫力のあるプレイや得点力もそうだが、その人間性にある。これまでも、試合後のインタビューでよく「自分のゴール」よりも「チームの勝利」を喜んだり、願ったりするコメントを耳にしてきた。そして、彼は自身が得点王を狙える状況下にもかかわらず、自身の得点数を伸ばすことよりも、チームの勝利を最優先に考え、そのために最善の手を打つ。すでに優勝が決まっている状況にもかかわらずだ。

この試合でも、自身でもシュートへ持ち込むことができたであろうが、クロスボールをスルーして背後でフリーだった家長昭博のチャンスを演出したり(13分のシーン)、ゴール前でも周囲の選手を生かそうとする場面が多々あった。この状況下ならば、多少のエゴは出してもよさそうではあるが、ダミアンにはそういった考えはなく、いついかなる状況でも考えは変わらないようだ。また、先制点後のセレブレーションで、怪我で離脱することになってしまった盟友ジェジエウのユニフォームを掲げ、ゴールを彼に捧げるシーンなどもを見ても、ダミアンの人柄の良さがわかるのではないか。

この日の試合後のインタビューでも、得点シーンに関して「練習どおりしっかり中を崩してプレイすることによって、自分のところにボールが転がってきた(1点目のシーン)」や「ケント(橘田健人)が2回くらい球際をしっかり行って、自分のところにボールを運んでくれた。アキ(家長昭博)もいいパスをくれたから自分のゴールに繋がった」などと、謙虚な姿勢を見せていた。