ビッグクラブでの経験は不足気味

シーズン途中にオーレ・グンナー・スールシャールを解任し、ラルフ・ラングニックを指揮官に迎えたマンチェスター・ユナイテッド。ラングニックは今季終了までチームを指揮し、その後はクラブのディレクター職を担当する予定となっている。

就任当初よりラングニックのスタイルは注目を集めていたが、早くも怪しい空気が漂い始めている。チームの順位は7位と上がらず、この年末年始も勝ち点を取りこぼしてしまった。加えて退団を望んでいる選手が複数存在するとの話が持ち上がるなど、マンUは内部も何やら騒がしい。

確かにラングニックのスタイルは魅力的だったかもしれないが、マンUのようなスター集団をまとめるには戦術だけでは不十分だ。特に今季はクリスティアーノ・ロナウドが復帰しており、何かと主張の強いスター選手たちを上手くコントロールする手腕も求められる。

『Betfair』にて、クラブOBディミタール・ベルバトフ氏もその点を指摘する。

「まだラングニックには確信が持てない。彼はユナイテッドやバルセロナ、バイエルンといった世界最大級のビッグクラブを指揮したことがないからだ。たとえクロップやトゥヘルが彼をリスペクトしていたとしても、これはラングニックにとってビッグクラブで成功するための術を知る最大のチャレンジだ。ここまでは期待したようには機能していないね」

優秀な指揮官には豊富な戦術の引き出しに加え、選手のモチベーションを管理する人心掌握術も欠かせない。それこそリヴァプール指揮官ユルゲン・クロップや、レアル・マドリードで指揮官としても成功したジネディーヌ・ジダンは後者の技術を備えている。

今のマンUはスールシャール体制時よりMFドニー・ファン・デ・ベークのように出番の少なさに不満を抱いている者もおり、ビッグクラブの中でも管理しづらい環境かもしれない。選手に不満を抱かせず、ロナウド、ブルーノ・フェルナンデスを活かし、高額な移籍金で加えたFWジェイドン・サンチョの能力も引き出す。思えばかなり難しい作業だが、ビッグクラブを指揮した経験のないラングニックには重い任務だったか。