今年のW杯でさらなる飛躍を

昨夏のEURO2020決勝のイタリア代表戦。PK戦の5人目にアーセナル所属のMFブカヨ・サカが出てきたとき、19歳だった青年にキッカーを託すのは酷ではないかとの見方もあった。緊張があったかは分からないが、サカはイタリア代表の守護神ジャンルイジ・ドンナルンマにコースを読まれて失敗。イタリアの優勝が決まった瞬間だった。

当時のイングランド代表はマーカス・ラッシュフォード、ジェイドン・サンチョ、サカの3人がPKを失敗してしまったのだが、あれから1年で最も伸びたのはサカと言っていいだろう。もう単なるフレッシュな若手ではなく、アーセナルの2列目を引っ張る存在へ成長した。

今季プレミアリーグでは33試合に出場し、11得点5アシスト。昨季の5得点3アシストを上回る数字で、1年でかなり大きくなった印象だ。イングランド代表の2列目は前述したサンチョやマンチェスター・シティのフィル・フォーデン、ジャック・グリーリッシュ、チェルシーのメイソン・マウントなどタレント揃いだが、この数字を見ればサカを今年のワールドカップメンバーから外す案は存在しないだろう。右サイドから仕掛けられるレフティーアタッカーは貴重だ。

一方で、昨夏に7300万ポンドの移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに加わったサンチョは苦戦している。チーム状況に影響を受けている部分もあるだろうが、英『The Sun』は「サンチョが7300万ポンドならサカは1億5000万ポンドの価値をつけられるべき」とまで主張している。それほどサカの成長具合が大きいということだろう。

両者は23日にリーグ戦で顔を合わせており、ゲームはサカがPKも決めて3−1でアーセナルが勝利している。両者は利き足も特長も違うタイプのアタッカーだが、波に乗っているのは明らかにサカの方だ。サンチョ、ラッシュフォードの2人はEURO2020でメンバーに選ばれていたが、今年のワールドカップは危ないかもしれない。

20歳のサカはカタールの地でイングランド代表の攻撃を牽引する存在となるのか。プレミアリーグで二桁得点を奪えたのは大きな自信になっているはずで、ワールドカップの舞台で昨夏からの成長を存分に見せてほしいところだ。