直接対決ではBIG6を倒した例もある

今季のプレミアリーグはマンチェスター・シティとリヴァプールの優勝争い、アーセナル、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドが繰り広げるトップ4争いなど、例年通りBIG6が主役のシーズンとなっているが、中堅クラブの躍進も見逃せなかったシーズンでもある。

トップハーフを見ればウェストハムがBIG6の一つ下というポジションを確立しており、ウルブズは以前まであった堅守を取り戻している。ニューカッスルは大量の資金投下で確実に強くなっており、いつの間にかトップハーフにいる。レスターは今季苦戦気味だが、順調に若手が育ってきており、再び上位に返り咲くことは可能だ。それはブライトンやブレントフォード、サウサンプトン、クリスタル・パレス、アストン・ヴィラらも同じで、どこが次のウェストハムになるのか全く分からない状態だ。

彼らの強みは育成と正確なスカウティングだ。十分にBIG6相手に通用する選手を安く獲得して戦力にしている。順位には表れなかったが、パレスがシティを破るなどのジャイアントキリングも起こっており、面白いタレントを持つ中堅クラブにはよりスポットライトがあたるべきである。

今季最も名を売った選手といえば、パレスのMFコナー・ギャラガーだろう。来季はチェルシーに戻ることになるが、今季は攻守両面で輝けるMFとしてリーグ戦では8ゴール3アシストを記録。若手路線に切り替えたパレスの中心選手として活躍し、イングランド代表にも選出されている。来季のパレスはギャラガーを欠くことになるが、それでも優秀なパトリック・ヴィエラ監督と若手が揃っており、ダークホース候補の一つとなるだろう。

堅守を取り戻したウルブズではDFマックス・キルマンが守備陣で育ち、今では3バックに欠かせない存在になっている。192cmとサイズのある選手だが、スピードもあり、チェルシーがアントニオ・リュディガーの後釜に狙っているとの話もあった。ビルドアップでボールを前進させることができる現代的なCBの選手に成長しており、来夏でステップアップもあるか。

今季はけが人の続出で苦しんでいるレスターの数少ないポジティブな要素といえば、若手の充実ぶりか。キアナン・デューズバリー・ホール(23)ら20代前半の選手がスカッド入りしており、特にデューズバリー・ホールは今季けがなく躍動してくれた。攻撃に守備に輝ける万能性を持っており、イングランド代表入りを期待する声も少なくない。

来季から日本代表の三笘薫が復帰することになるブライトンではマルク・ククレジャがシーズンを通して安定したパフォーマンスを披露している。左サイドであればどこまでプレイ可能なそのユーティリティ性は重宝されており、4バックと3バックを使い分けるグレアム・ポッター監督からすればこれほど起用しやすい人材はいない。攻守両面で安定感のある選手で、来季は三笘と共に左サイドでコンビを組むことになるか。

元リヴァプールのスティーブン・ジェラードが監督を務めるアストン・ヴィラではジェイコブ・ラムジーが見事に中盤の主力へと成長した。足元のスキルの高さと推進力のあるドリブルを武器に局面を打開できる選手であり、今季は6ゴールと得点面が開花。英『talk SPORT』ではジェラード監督がラムジーはイングランド代表に選ばれるべきと太鼓判を押すほどだ。

長期戦ではシティやリヴァプールにかなわなくとも、直接対決であれば一泡吹かすことも可能な実力を持つ中堅クラブたち。前述した選手以外にも優秀なプレイヤーは多く、彼らはプレミアリーグの競争力を生み出し、リーグ全体の向上を手助けしている。