国内制覇だけでは評価されない

パリ・サンジェルマンの指揮官とは本当に難しい仕事だ。指揮官として合格と評価されるには、チャンピオンズリーグで結果を残すしかないのだから。

現在パリを指揮するマウリシオ・ポチェッティーノは、フランス・スーパー杯に加えてクープ・ドゥ・フランス、リーグ・アン制覇も決めている。以前指揮していたトッテナムではタイトルを獲得できなかったため、これはポチェッティーノの指導者キャリアにおいては特別なタイトルと言えよう。

しかし、英『The Guardian』はパリの仕事を引き受けたことでポチェッティーノの評価は逆に下がったと見ている。パリにとってリーグ制覇や国内カップ優勝は当たり前のミッションであり、ここではチャンピオンズリーグ制覇しか評価の対象とならない。今季はリオネル・メッシまで加えたが、結果はベスト16敗退だった。この時点で今季のパリは失敗と評価されてしまうのだろう。仮にリーグ制覇できずとも、若い選手を育てながら結果を出していたトッテナム時代の方がポチェッティーノの仕事は称賛される機会が多かったのかもしれない。

パリを指揮するにあたって難しいのは、国内での戦いとチャンピオンズリーグでの戦いを上手く使い分けるところになる。昨夏にメッシ、MFジョルジニオ・ワイナルドゥム、DFアクラフ・ハキミ、GKジャンルイジ・ドンナルンマらを加えたパリは国内で実力が飛び抜けており、彼らとまともに戦えるライバルが存在しない。国内では6割ほどの力で戦っていても勝ちを拾えるだろう。

しかしチャンピオンズリーグはそうもいかない。普段のリーグ戦とは相手のレベルも強度も異なるため、選手も指揮官もそれに合わせていくのは難しいのかもしれない。同メディアは「支配は退廃を生む」と表現しているが、パリが強くなりすぎたせいでリーグ・アンのバランスが狂ったところがあるのは事実だろう。

今後パリはどう動くのか。ポチェッティーノは自身がクラブに留まることをアピールしているが、チャンピオンズリーグ・ベスト16敗退は許される結果ではない。すでにジネディーヌ・ジダン、現在トッテナムを指揮するアントニオ・コンテなど後任候補の名前も出ている。

では、仮にコンテがパリへ向かう場合ポチェッティーノはどうすべきか。イングランドへ戻るのが1番だろう。エリック・テン・ハーグを招聘したマンチェスター・ユナイテッドも今後どうなるか分からず、マンUからのオファーを1年か2年ほど待つのも悪くない。さらに同メディアはトッテナム復帰案まで提示している。

パリできっちりリーグを制したポチェッティーノの今季をどう評価すべきなのか。リーグ制覇があまり評価されないというのも珍しい環境だが、パリで指揮官が称賛を得るのは本当に難しい。